*モナミ* SMAP・映画・本
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『ファイアボール・ブルース』 著:桐野夏生 桐野夏生の本は、どうも暗くて、重くて。 体調の悪い時や、天気の悪い時には、 読むべきではない、と思うのだけれど。 本書は、スッキリ爽快。 なんてったって、本気で闘うのだから。 女たちが。 格闘技にはとんと疎くて、女子プロレスはおろか、 男子プロレスも、K-1だとかも、全く見たことはなくて。 でも、出てくる技がどんなものか分からずとも、 それが決まった時の爽快さ、そして、 逆に決められた時の悔しさは、伝わってくる。 文字通り、身体を張って、闘う女たち。 言葉遣いもナリも、そこら辺の男より、男らしい。 本当に強い人間というものは、 一本芯の通った心も強い人間だ、という、 なんだか言い古されてきた言葉が似合うような、 男前の女子プロレスラー、火渡。 その彼女が、リング上で顔を合わせた、 外国人女子プロレスラー、ストーミー・ジェーンが、 試合放棄をしてしまう。 それが、なぜか気にかかる火渡。 ジェーンの失踪が、思わぬ事件へと繋がっていくのだが、 なぜ火渡が、そんなにもジェーンにこだわったのか、 それこそが、強すぎる火渡の、秘めたる悩み。 そんな彼女に憧れ、女子プロ界に入るも、 0勝10敗という弱っちい近田が主人公なのだが、 火渡の付き人として信頼はされていても、 距離を感じてしまう火渡に、一抹の寂しさを感じる。 火渡に褒められたい、と奔走する近田を認めながらも、 火渡は近田を、リング上では、冷たく突き放す。 「結局は自分ひとりなんだ」ということを、 身体で教え込む。 強い身体に押さえ込んだ、もっと強い感情が、 リングの上で、ほとばしる。 彼女の試合を見たらば、きっと私も、 「ひ~わったり~~!」と、拳を上げて、 応援しただろう。 事務所が解散する、最後の試合に、 ナンバーワンのアロウに勝った近田は、 どのように成長するのか。 はたして、火渡を倒す日は、やってくるのか。 ぜひ、『ファイアボール・ブルース2』も、 読んでみたくなった一冊でした。 消えたジェーンの情報を知るのに、 「パソコン通信」というところが、時代だなぁ、 なんて思ったり。 今だったら、隠しておける事件なんて、 ないんじゃないのか。 事件が起こった直後に、名前はおろか、 顔写真も流出してしまう世の中、 クライムミステリを書くのも難しいだろうなぁ。
【参考】 ◆その他、桐野夏生の著書は→
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