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May 26, 2007
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監督 : ジェレマイア・チェチック
出演 : ジョニー・デップ /メアリー・スチュアート・マスターソン/エイダン・クイン
原作 : バリー・バーマン  
  || 

「 妹の恋人 / BENNY & JOON (1993) 」

ジョニーにはファンタジーが良く似合う

 

 

監督は、ジェレマイア・チェチック

主演は、ジョニー・デップ。以下は「 ギルバート・グレイプ 」参照

共演は、自閉症のジューンを演じる、「恋しくて (1987) 」、「レオポルド・ブルームへの手紙 (2002)」のメアリー・スチュアート・マスターソン。

そして、ベニー役には、「わが心のボルチモア (1990) 」のエイダン・クイン。凄く魅力的なのに、日本での知名度は低いのでしょうか?というより私が知らないだけかもしれませんが、有名な代表作と呼べる作品がみあたらないですね。

 


 Story : 幼い頃に火事で両親を亡くした兄妹ベニー(アイダン・クイン)とジューン(メアリー・スチュアート・マスターソン)は静かな片田舎で暮らしていた。神経過敏で精神の安定を欠くジューンをベニーは親のような感情で見守っていた。精神科医のガーペー(C・C・H・パウンダー)はジューンを施設に預けるよう勧めるが、ベニーには決心がつきかねていた。同僚のエリック(オリヴァー・プラット)は、ベニーにもっと自分の人生を大事にしろと忠告する。ある日友人トーマス(ダン・ヘダヤ)の家でポーカーに負けた兄妹は、そのツケで勝負の相手のマイクの家に居候しているいとこのサム(ジョニー・デップ)を引き取る破目になる。サムは読み書きもできず、ほとんど口もきかない風変わりな青年。だが不思議なことに、ジューンは彼を気に入ったらしい。ある日兄妹とサムは公園へピクニックに出かけるが、昨夜ウェイトレスのルーシー(ジュリアン・ムーア)とのデートに失敗したベニーは元気がない。サムは彼をはげまそうと帽子を使ってパントマイムを始める。周囲にはいつしか人垣ができ、サムは人々の笑顔に包まれていた。その夜、サムとジューンは心のままに結ばれる。サムの才能に驚いたベニーは、コメディアンのオーデションを受けさせる手はずをつけるが、それが気に食わないジューンと言い争いになり、ベニーはサムとジューンの仲が急進展していたことを知る。怒ったベニーはサムを家から叩き出す。サムとジューンは駆け落ちしようとするが、緊張のあまりジューンは発作を起こしてしまう。ジューンはそのまま精神病院に入院した。兄の面会を拒み続けるジューンの態度に、ベニーは今彼女に必要なのはサムだと気づく。ベニーとサムは病院に忍び込み、ジューンを病院から連れ出そうとする。ジューンは最初サムの心情を理解できなかったが、結局ジューンとサムは一緒に住むことに。ベニーの方は2人の住むアパートの管理人との間で新しい恋が生まれそう。


初回限定生産20世紀フォックスホームエンターテイメント
妹の恋人<特別編>



[  1993年公開 ]

ー goo 映画 より ー

 

原題では、「BENNY & JOON」と付けられているように、ベニーとジューンが主役だと思うのですが、日本では、微妙な邦題になって、ジョニーが主役扱いになっていますね。確かに日本での知名度ではジョニーが一番だから?かもしれませんけれどね。

不幸な事故により両親が亡くなり、兄妹二人が取り残され、たった一人の肉親である自閉症の妹ジューンを施設にも入れずに必死に守って来た兄ベニー。昨日鑑賞した「ギルバート・グレイプ」でもストーリーのコンセプトが似ています。妹のためにだけ自分の人生を犠牲にして生きていた時に、自分の人生の中に現れる恋人の存在との葛藤が兄妹の間に微妙に生じるすれ違いと苛立ちが起こり衝突が起るところなども似ています。本作では、兄弟を守って生きてきた兄役がジョニーではなく、エイダン・クインが演じるベニーです。そして、ひょんな事から家にやってくることになった居候的サムがジョニーですね。

「ギルバート・グレイプ」の中でその人生を変えてくれた、ベッキー的存在がジョニー演じるサムと言うわけです。

「ギルバート・グレイプ」と違っているのは、同じコンセプトでありながら方向性が違うと言うか、本作はジョニーの存在がコミカルなところですね。心温まるヒューマン映画なところは同じですが、どちらかと言うとこちらのようなファンタジックなキャラクターがジョニーの魅力をより引き立たせてくれています。

ジョニー演じるサムは、「シザーハンズ (1990) 」のエドワードなどに見られるような無垢なキャラクター。サムのテイストは後に進化し、より現代的な「チャーリーとチョコレート工場 (2005) 」のウォンカのキャラに繋がっているのですよね。

    

普通と言うのがどういう線引きで表現されるのかは人それぞれの価値観と言えるでしょうが、一般に言われる身体的に「五体満足」でないという他に脳に物理的あるいは精神的に障害があるなどのハンデを持って正常な生活ができない家族を持った、特に収入などの一家の生活を担わなければならない立場に居ながら、家族を愛するが故に淡々と自分の人生を犠牲にして来た主人公に必ずと言って良いほど遭遇する人生の転機を描く映画は多いですね。

人それぞれ生まれ落ちたからには、それぞれの自分自身の幸せとか人生というものが用意されていると言う事ですね。また、そうあるべきなのでしょうね~

今まで、それが一番良いと信じて疑わなかった生活が、それが肉親への愛だと思ってしてきたことが、必ずしも正しいと言うわけではないことや、運命の出会いによって一度壊され、あるいは崩れてぶつかり合って初めて、それぞれのほんとうの幸せが見えてくる・・・。そんな映画です。

そして、本作がそれだけで終わっていないというのは、ジョニー演じるサムの愛すべきキャラクターが映像にもストリーにもにコミカルな色彩と温かみを加えているです。天性の人を楽しませたり、生きることそのものが枠にとらわれないで自分流で自分自身も楽しんでしまうやり方を生み出す天才であったりするキャラクターサムが観る人の心を捉え、心地よい印象を残してしまうのですね。

 

 

 

~おしまい~

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Last updated  May 30, 2007 12:01:30 AM
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