引っ越しに備えて捨てられるものは捨てている。ずいぶん昔に作ったタミヤのスーパーセヴンのプラモデルがある。1/12で全長20cmほどと大型だ。ずっと透明ケースに入れて大学の自分の机の上に飾っていたので傷んでいない。スーパーセヴンに関する本も数冊ある。1冊はイギリスに居た時に本屋で見つけた英語の本で、途中までだがイギリス時代の暇つぶしに書いた翻訳もある。こういうスーパーセヴン・グッズを持ってスーパーセヴンのオーナー宅にでかけた。拒否されなければ貰ってもらうつもりだ。これらのスーパーセヴン関係の物が家から無くなれば、スーパーセヴンを買いたいという気持ちを吹っ切れるだろう。
オーナーは自宅内ではなく歩いて1分ほどの貸ガレージにスーパーセヴンを置いていた。ずらっと並んだ貸ガレージを3つ借りて、スーパーセヴン、フェアレディ、クラウンを収めている。ガレージの家賃だけでもかなりの出費だ。まずスーパーセヴンを見せてくれた。ケーターハムではなくバーキンだ。ウエーバーのキャブレターが2つ付いている。エンジンを掛けるのには多少の儀式と時間がかかったが、それほど苦労しているようには見えない。段差(3cmほどの高さだが)に注意しながらバックでガレージから出す。帰りは私を助手席に乗せたままガレージに突っ込んだが、排気系のどこかが段差にぶつかって金属音を出した。やはり最低地上高は危険なほど低いのだ。
助手席の外をマフラーが通っているので火傷に注意だ。アクロバット的に体を動かしながら助手席に収まる。何と言っても足元が狭い。両足は奥まで入らない。私を助手席に乗せて走り出す。手慣れた感じで操作しているが、エンジンはミスファイアをしたりしてやや不安定だ。冷えているとこんなものだそうだ。確かに時間とともにエンジンは落ち着いてきた。低さと露出感とでかなり怖い。左手の肘は外に出すしかないのも怖い。その肘のすぐ後ろに後輪があるのも怖い。ロータス・エリーゼも同じくらい低かったが体が車内に収まっていたからこれほど怖くはなかった。オーナーはかなり飛ばす。コーナーを速く回る。私へのサービスだろうか?
途中の広い空き地にスーパーセヴンを停めて、どうぞ運転してください、と言われた。早速運転席に入るが、やはり足元が狭い。どのペダルを踏んでいるのかよくわからない。何度かクラッチを踏む練習をしてから発進したが、3回もエンストをした。クラッチが相当に奥でつながるようだ。しっかりアクセルを煽りながらミートする必要がある。道路を走り始めるが、やはり怖い。ミラーは振動がひどくてよく見えない。首をひねった方が安心だ。左足が窮屈なのであまり変速したくないのだが、エンジンは低回転でもトルクがある。と言うより車重が軽いから負担が少ないのだろう。かなりガソリン臭い。これで排ガス検査に通るのだろうか?ハンドルはクイックだが、ロータス・エリーゼで慣れているから違和感はない。大きく突き出したヘッドライトのお陰で前方の車両感覚はわかりやすい。右肘のすぐ後ろに後輪があるからこちらも位置はよくわかる。2,3キロ運転させてもらったが、怖いし疲れるので早々に代わってもらった。これで気が済んだように思う。これで「スーパーセヴンを運転したことがある」と言えるから十分だ。これからはスーパーセヴンを買いたいと思わずにすむだろう。
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Last updated
2023.10.19 07:34:46
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