1月、2月の地元で蝶を探すのは難しいです。でも蝶もいろいろな形で越冬しているはずです。種類によって越冬態は違いますが、アサギマダラは幼虫で越冬します。
アサギマダラと言うと渡りをする蝶として有名で誰でも知っていると思いますが、実は地元で越冬しているものもいるのです。アサギマダラの食草はガガイモ科の植物で、ガガイモ、イケマ、オオカモメヅル、キジョランなどですが、この中で、キジョランを除いては冬に地上部が枯れてしまう落葉樹なのです。落葉するガガイモ科を食草としているアサギマダラは冬に幼虫の食べるものがなくなってしまうので、冬でも枯れないガガイモ科の食草がある暖かい南の地へ渡って行く訳です。
キジョラン(豊橋市) posted by (C)ドクターT
地元ではキジョランは豊橋の多米峠、稲武町の伊熊神社社叢にあります。(いずれも大町忠久先生に教えてもらったものです)冬は少し乾燥して少し葉が裏側に丸まっていますが、青々としています。
キジョランの種(豊橋市) (2) posted by (C)ドクターT
キジョランの種(豊橋市) posted by (C)ドクターT
鬼女蘭の名はこの種についている綿毛が鬼女の白髪のように見えるためです。
キジョランの食痕 posted by (C)ドクターT
キジョランの葉にはこのような食痕が所々に見られます。これがあれば何処かにアサギマダラの幼虫がいると考えて間違いありません。
キジョランの葉を食べるアサギマダラ幼虫(豊橋市) (4) posted by (C)ドクターT
アサギマダラの幼虫は裏の世界に生きていますので、葉をひっくり返して、探します。するとこのように葉を食べている幼虫が見つかります。ガガイモ科の植物はこの白い汁に毒があります。アサギマダラは幼虫時代にこの毒のある葉を食べることで、体内に毒を蓄え、天敵の野鳥などから身を守っているのですが、そのまま食べると流石に毒が強過ぎるようです。それで、まず丸く円形に裏から齧って、白い毒の汁が少し抜けた真ん中の葉を食べるという訳です。
キジョランの葉を食べるアサギマダラ幼虫(豊橋市) posted by (C)ドクターT
しかし、アサギマダラの幼虫は組紐のようですね。
フユイチゴ(豊橋市) posted by (C)ドクターT
近くにあったフユイチゴの葉に開いていたこの穴は間違えてフユイチゴに卵を産んでしまった結果でしょうか