2008年に「蒲郡の蝶」を出版してもう6年経ちました。それには50種類の蝶を載せましたが今では60種類を数えます。今度改訂版を出す時には、各蝶の食草の分布も載せようと思い現在調査中です。
「火の無いところに煙は立たぬ」→「食草のないところに蝶は発生しない」
食草の分布を調べることが蝶の分布を調べる上で最も重要だと考えています。
昨日はクロコノマチョウの分布を調べるために食草(ジュズダマ)の分布と棲息の証拠(成虫、幼虫、蛹、食痕)を調べて回りました。
ジュズダマ(拾石川) posted by (C)ドクターT
まずは拾石川から調べました。川の中のあちらこちらにジュズダマの群落があります。
食痕のあるジュズダマ(蒲郡市) posted by (C)ドクターT
クロコノマチョウの幼虫はこのように主脈を残して葉を食べます。これは齧った痕が少し茶色く変色していますので少し古い食痕です。このようなところでは幼虫が見つからないことが多いですが、いたと言う証拠にはなります。
クロコノマチョウ♀(蒲郡市) posted by (C)ドクターT
その近くで新鮮なクロコノマチョウ♀を見つけました。
クロコノマチョウ蛹(兼京川) posted by (C)ドクターT
兼京川(落合川の支流)ではこの前たくさんの幼虫を見つけていますが、そこをもう一度見に行ったら蛹が付いていました。
成虫、幼虫、蛹は見つかりませんでしたが、落合川本流、西田川にも食痕のあるジュズダマを見つけました。従って、蒲郡では全ての川でクロコノマチョウが発生していることが判ります。市街地で見かけるクロコノマチョウは恐らくジュズダマを食草としていることは間違いありませんが、さがらの森や遠望峰でもクロコノマチョウは見かけます。そこにはジュズダマが生えているような大きな川はありません。そのような場所で見るクロコノマチョウは恐らくススキを食草としているのではないかと思っています。
根気のいる仕事ですが、このようにして60種類の蒲郡の蝶について食草の分布を調べたいと思っています。