天災に悩まされた寺 法輪寺
今日で、奈良一人旅の最終回です。静けさにつつまれた斑鳩の田畑の広がる道をひたすら歩いていき、『法輪寺』と言うお寺に着きました。もう夕方の4時過ぎ。観光客の姿も見えなくなってしまいました。このお寺は親子のきずなが縁で創建されました。聖徳太子が病におかされてしまい、それを心配した聖徳太子の息子と孫が病気平癒を願ってこのお寺を創建したと伝えられています。聖徳太子は素晴らしい息子と孫をお持ちであった事が分かりますね。しつけが良かったからでしょう(笑)。さて、このお寺の見所は仏像でしょう。講堂と呼ばれる建物の中にはたくさんの優れた仏像が安置されています。6体の重要文化財を含め9体の仏像を拝観する事ができます。平安時代に最も栄えたお寺なので、その時彫刻された仏様が多数見られます。もちろん創建当時のものと思われる飛鳥時代の作品も見る事ができます。仏様以外では、聖徳太子の像も必見です。聖徳太子が2歳と16歳の時の像が講堂の隅に安置されていました。法輪寺金堂法輪寺が現在の規模になったのは江戸時代です。というのは、江戸時代(正保2年)の台風により、ほぼ全てのお堂が破壊されてしまいました。残ったのは3層目を失った三重塔だけと言われています。その後、再建されて、このお寺のシンボルでもある三重塔が国宝に指定されました。ところが、昭和19年にこの三重塔に雷が落ちて全焼してしまい、国宝から外されてしまいました。すると、どうなるか…。なんと、再建の費用が国から支払われなくなってしまったのです。このような悲運に遭遇してしまいましたが、地元の皆さんや作家の香田文さんをはじめ、全国からたくさんの支援を頂いて昭和50年に元の姿によみがえりました。いつの時代になっても、税金の無駄遣いや横領が盛んな日本ですが、このような文化財保護には税金の投入が無関心なのは情けないところです。さて、奈良の旅はいかがでしたでしょうか?次回からは鎌倉の旅を綴って行く予定です。寺院の紹介はもちろん、江ノ電、グルメ、江ノ島についても書いて行きます。鎌倉尽くしだと飽きてくるので、たまには日常の出来事も書いていきたいなぁと思っています。法輪寺住所:奈良県生駒郡斑鳩町三井1570電話/FAX:0745‐75‐2686 URL:http://www1.kcn.ne.jp/~horinji/