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里見の歴史は前期後期となります。前期をまったりと紹介してきましたが、今宵からは後期里見氏。地に足のついた歴史を、一緒に追いかけてみましょう。
いざ、出陣。 ◆ ◆ ◆ 国府台ウォーク 堅苦しく難しい話が続いてございますので、今宵はお気楽な展開を一席。 国府台。 この地名は、里見氏にとっての苦い蹉跌が二度あった場所です。世代を超えた、二度の合戦、これを学術上、第一次・第二次と区分けしております。対する相手は里見氏VS北条氏。この図式は変わりありません。ただ、代を経て、同じ場所で、二度の戦いがあったのです。 漢字は体を如実に示す。国府台、読んで字の如く、かつては下総国の国府が置かれたことに由来する地名です。 この場所は、首都圏から程近い、千葉県市川市。江戸川を隔てて西は東京都の柴又方面、寅さんのお膝元です。この江戸川、陽光穏やかな日には、年齢をつい忘れて隠居のような心地になってしまう、長閑けき場所でもあります。ふと川面をみれば、細川たかしの歌でおなじみ「矢切りの渡し」の渡し船がゆっくりと往くのが映ります。雲がなければ富士山がビルの隙間から視認されますので、これは運不運。その富士山とほぼ似た視線にあるのは、新名所スカイツリーです。 ここまで書けば、近在の方からの援護な言葉がありそうです。 お弁当を持って行きたくなる先は、里見公園。ここは、国府台城の跡地。里見公園という名称が示すとおり、古戦場にちなんだ旧跡の公園利用地であります。桜の名所として知られており、夜桜に酔っ払っちゃった方もいらっしゃるのでは? 夢酔、今年の正月明けに、この国府台を歩いてみました。 江戸東京博物館で企画展示(あの脚本力の脇が甘い大河ドラマのやつ)を観て、そのまま総武線に揺られて市川へ。市川を意味もなくブラブラするのは、初めてでございます。 真間山弘法寺の急階段。地元の野球少年たちが活気よく駆け登って降りて……その端っこを申し訳程度に通してもらって、広い境内地を散策。樹齢400年にもなる大きな桜は、なんと〈伏姫桜〉。里見にちなんだお名前ですが、きっと国府台合戦のご縁でしょうね。 目の前を流れる江戸川。合戦のあった当時、太日川(ふとひがわ)とよばれていました。渡良瀬川の下流部に位置づけられ、古利根川の一流域だったのです。意外とみなさん、教科書で習ったことを忘れているようで、現在の銚子へいく利根川は江戸時代の大土木工事で流れを変えたものなんです。利根川の豊富な水量は当時の江戸湾に注ぎ込んでいたというわけ。 里見公園を歩いていると、ちょっと恐いところを発見。 心霊サイトをググってみると、「里見諸士群亡塚」とか「里見緒将霊墓」とか「里見広次公廟」さらには「夜泣き石」にヒット。これみんな、ほぼ一か所にある公園内の史跡。興味のある人は肝試しされてもけっこうですが、夢酔的には、火のないところに煙立たず、興味本意は火傷のもとと思っております。ゆえに勧めません。夜泣き石近くの看板の文字を読むと、なるほど、ここが古戦場であることを再認識させられます。三遊亭円朝さんの怪談噺にも当地モノがあるそうで、あとは自己責任ということで、あしからず。 国府台というところ、古今東西、どうやら戦場となる立地環境にございました。そういうところって、必ずあるんですよね。ずば抜けて大きいネームバリューだからそれだけに注目されますが、関ヶ原なんて、そのクチです。都内なら分倍河原とかもそう。川中島だって、木曽義仲の時代まで遡れるほどの合戦地です。 戦場になりやすい土地に共通するのは、幹線交通網が合流しやすい地形である点が指摘されます。市川はもともとそういう場所だったのでしょうね。 国府台を舞台にした古戦場の記録。 里見氏は二度戦いましたが、他にはこんなものもありました。 ◇市河合戦/1456年(康正2年) 千葉氏の内部紛争 ◇国府台築城/1478年(文明10年) 太田道灌の臼井城攻撃拠点となり激戦があった ◇第一次国府台合戦/1538年(天文7年) 足利義明・里見義堯vs北条氏綱 ◇第二次国府台合戦/1564年(永禄7年) 里見義堯・義弘vs北条氏康・氏政 ◇市川戦争(市川・船橋戦争)/1868年(慶応4年) 歩兵隊や新撰組が集結、ここより奥羽蝦夷へ向かう 最後に。 駆け足で回ったので、グルメに会えませんでした。市川のグルメって、なんでしょうか? ◆ ◆ ◆ 戦国武将里見氏のNHK大河ドラマ放映を目指す「里見氏大河ドラマ実行委員会」が組織されています。里見氏終焉の地である鳥取県倉吉市、里見氏発祥の地の群馬県高崎市、そして館山市で、NHK側にドラマ化を働きかける運動を行っております。 「2014年に里見氏の物語をNHK大河ドラマで!」 皆さまの温かいご声援をお願いします。 ◆ ◆ ◆ ランキング、一時期は一位を頂戴しましたが、毎日更新で結構しんどいと実感しました。焦らず急がず、地道に更新したいと考えております。基本的には、週1~2回の姿勢を取っていきたいと思いますので、皆さまご容赦ください。 いや、さぼり癖ではなく、里見関連新作の、いよいよクライマックス考察中です!労力をそちらに回したいと存じます。御免なさい。 呼称が「東日本大震災」に統一されたみたいに聞いております。 各地で花見が自粛されておりますが、季節は着実に巡っております。被災された皆さまが、一日も早い笑顔を取り戻されることを、心よりお祈り申し上げます。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.04.07 23:25:36
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