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散文小径

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2011.04.16
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 里見の歴史は前期後期となります。地に足のついた後期の歴史を、一緒に追いかけてみましょう。
 いざ、出陣。


                  ◆  ◆  ◆


 足利義明の子どもたち

 
 小弓公方・足利義明は国府台合戦にて討死にしました。
 これにより上総の戦国絵図が大きく動くのですが、ひとつの事実があまり表面化されていませんので、ちょっと触れてみましょう。
 当時、小弓城にいたのは、足利義明の家族です。それも女子供ばかり、留守の防備は無力といってよいでしょう。何しろ義明の胸中には、有無の一戦を挑むつもりなどございません。もし、不利と悟れば、無傷の撤退も頭の片隅にはあったはずです。
 そんな義明ですが、結果的には、まさかの総崩れと戦死です。
 この一戦で比較的ダメージを残さずに撤退できたのは、里見義堯でした。国府台から安房へ退くにあたり、小弓公方軍の撤退回収を請負ったのも義堯です。
 この一戦で討死にしたのは、義明のほかに弟・基頼、嫡男・義淳です。元服したての頼淳だけが、奇跡的に生き残りました。それを回収した義堯は、小弓城の子供たちも収容したのです。
 このとき安房へ招かれた足利義明の子供は3人とも4人とも云われていますが、夢酔は「春の國」を描いたときに、労力を軽減するために3人説を採りました。この3人は、足利頼淳と女子(のちの青岳尼と旭山尼)のふたりという設定にしています。
 この子供たちは、里見家の次世代に大きな影響と恩恵と、そして騒乱を与えてくれるのです。
 少なくとも、里見家にとって足利氏の血統を庇護することは、神輿を担ぐが如くありがたい話に違いありません。その神輿を存分に生かしたのも、里見義堯といえるでしょう。

 足利頼淳が国府台合戦ののちに安房へ来たとき、諸説まちまちですが、天文14年(1545)に作の石堂寺多宝塔によると〈千寿丸 生年十四歳〉と記されていることが伺えます。この千寿丸が足利頼淳かどうかは定かでありません。というのは、頼淳の幼名が系譜類には国王丸とされているからです。ただし、時期によって幼名を変えてしまうケースもあるので、100%否定もできません。とまれ天文14年頃に安房にいた足利家の少年は、ほぼ頼淳と一致するのです。だから、そう思ってよいでしょう。
 この石堂寺には、後年、頼淳の子供たちも匿われています。
 頼淳の娘・嶋子は、豊臣秀吉の側室になっています。この縁が、喜連川氏発祥のきっかけになりました。当然、豊臣政権時の里見氏は、比較的優遇されていたように思えます。ただし、上総を奪われて国力を低下させた元凶も、秀吉でした。すべては徳川家の関東転封の犠牲でしょう。
 青岳尼は鎌倉尼五山第一位の太平寺の住持に迎えられました。しかし、永禄年間、里見義弘自ら江戸湾を渡り鎌倉を攻め、この青岳尼を安房へ連れて行き正室にしたというのです。このように、尼寺より貴種を奪い、正室に据えてしまった事例は、まったく珍しいことです。漫画のような、ドラマのような、本当に小説の絵空事のような出来事です。彼女については、別途じっくり紹介したいです。なんといっても、「春の國」の執筆原動力は、この事件が基礎になっているからです。
 旭山尼は鎌倉尼五山第二位の東慶寺住持。彼女は安房に渡らず寺に留まりました。「春の國」では青岳尼の妹という設定ですが、逆だよという人もいます。足利家の子供たちについては、些細な兄弟序列は謎という訳です。

いつだったか、「春の國」原画展で講演会を催したとき、里見香華先生に「葵の舞」を御祝儀舞していただきました。
 華麗なものでした。
 忘れません。素敵な舞を、またいつか、拝観したいものです。

 こうして小弓足利家と里見家は、江戸幕府開設まで、蜜月関係を深めていくのです。



                  ◆  ◆  ◆



 戦国武将里見氏のNHK大河ドラマ放映を目指す「里見氏大河ドラマ実行委員会」が組織されています。里見氏終焉の地である鳥取県倉吉市、里見氏発祥の地の群馬県高崎市、そして館山市で、NHK側にドラマ化を働きかける運動を行っております。
「2014年に里見氏の物語をNHK大河ドラマで!」
 皆さまの温かいご声援をお願いします。



                  ◆  ◆  ◆


 ランキング、一時期は一位を頂戴しましたが、毎日更新で結構しんどいと実感しました。焦らず急がず、地道に更新したいと考えております。基本的には、週1~2回の姿勢を取っていきたいと思いますので、皆さまご容赦ください。
 いや、さぼり癖ではなく、里見関連新作の、いよいよクライマックス考察中です!労力をそちらに回したいと存じます。御免なさい。



 ささやかながらここで告知。
 西多摩新聞社より発売の「聖女の道標」、ほぼ売り尽くされてはいるのですが、在庫がややございます。そこで、3月期以降完売までの売上げを、被災地義援金に寄付しようと決めました。
 本当は3月半ばに決めたのですが、広告がなかなか紙面で組めず、ズルズル周知されないのも厭なので、mixiともども、この場で告知させていただきます。
 どうか、ご協力お願いします。
 問い合わせは西多摩新聞社出版センター(0120・61・3738)へ。また、下記のアドレスをコピーして、内容確認をお願いします。
http://www.nishitama-shinbun.co.jp/book/index.html
 被災された皆さまが、一日も早い笑顔を取り戻されることを、心よりお祈り申し上げます。







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Last updated  2011.04.16 14:17:10
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作楽@ Re:随筆・あっそう!里見発見伝(02/18) 引っ越しされるんですね!了解しました。
としぞう@ はじめまして うちも楽天からアメーバに変わりました。 …
夢酔 藤山@ Re:奥平家と大久保家(02/06) いっちぃさん 仰せの通りです。 この…
いっちぃ@ 奥平家と大久保家 奥平信昌の娘が大久保忠常(忠隣の嫡男)に…
夢酔 藤山@ こんばんは 10月1日の全国里見一族交流会・館山大会に…
キミジイ@ 御支援の協力 夢酔 藤山様 署名活動はどの位の人数が…
いっちぃ@ 万喜城下より ご無沙汰しておりますm(__)m 近年の成果か…
史進@ おめでたいですね こんばんは、藤山先生 稲村城と岡本城が…
夢酔 藤山@ Re:ありがとうございました(10/05) >由愛さん 大役、お疲れ様でした。…
由愛@ ありがとうございました 夢酔藤山さま 館山ではありがとうござい…

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