ＭＡＳＡ　ラボ　---鸚鵡（ｵｳﾑ）の会議は白昼夢---　

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  左官祭り　---古地図では海だった場所---

  【ミクロの画像は今回登場しません。あしからず】----------今月の１３～１５日に、築地の横にある晴海トリトンスクエアにおいて、全国から１００人以上の左官職人が集まる　『前代未聞！　大江戸左官祭り』　が開催されました。何ともマニアックなイベントに心躍り、最終日に親友と行ってきました。図１　：　入り口はコテ売り場祭りは１０時開催の為、早めに行ったもののすでに職人たちは作業をしていました。時間になれば何かアナウンスがあるのかと思いきや、１０時を過ぎても何も起こらず、ただ粛々と職人たちが作業を進めていました。アナウンスもなく、案内板もなく、ただただ職人たちがもくもくと土いじりをしているのを眺める祭りとは・・・ポスターに偽りなし。　まさに前代未聞でした。図２　：　擬木制作中遊園地などで見かける岩や木は、漆喰であることが多いようです。図２では、漆喰を用いて木の一枚板を表現しようとしています。この段階では土の塊です。ただ、職人は一切口を開くことはありませんでした。土を眺め、表面を削り、土を触り、コテを押しつける。口でぐだぐだ言うより、動作そのものが雄弁に語っている！・・・なんてことはなく、多少は説明をしてほしいものでした。図３　：　謎の物体土を丸く盛り上げた、謎の物体がありました。　　『この大きさは、普段のの３倍の大きさなんですよ。こんな大きいのは人生初です。　　　失敗するかもしれないけれど、そのつもりでお願いします』祭りの最中、職人から聞けた説明はこれだけでした。普段の３分の１のサイズであろう、その丸い物は一体何であるのか、聞くタイミングを逃し謎のままです。ふらりふらりと作業見学を梯子しているうちに、立ちっぱなしなのでお腹が減ってきました。一旦、築地でお寿司を食べた後、築地本願寺に散歩をしに行きました。図４　：　築地本願寺築地本願寺は、日本の寺とは思えないほどお洒落な形をしています。ここでは解説はしないので、実際に目で見てその面白さを体感してください。図５　：　築地本願寺　狛犬狛犬はもはやスフィンクスそのものです。ステンドグラスやパイプオルガンなどもあり、なかなかに面白い寺です。築地にお越しの際は、ぶらっと立ち寄ってみてください。図６　：　擬木途中完成寺で煩悩を落とし、祭りに戻ってみると、擬木が一旦完成していました。色付けは夕方のようです。う～む。　見事なコテ先の技術です。図７　：　のろ入れ謎の物体にも、ついに色が入りました。　　（他の職人に対して）　　『のろはこれしか作ってないから、間に合わせてな』どうやら赤い泥を　『のろ』　と言うようです。コテコテと「のろ」を塗り伸ばし完成。図８　：　謎の物体　完成ビニールテープの切れはしに　『加賀刷り』　とあったので、この技法の名前だと思います。　そんな事には目もくれず、粛々と作業している職人達。図９会社名をコテ先で制作中。技法は説明がないので不明です。図１０　：　完成？おそらく完成しているのだと思います。それぞれの漆喰は各地方の伝統技術だそうですが、看板がないのでどれが何なのかわかりません。今回はかまどの作製を見に来たのですが、すでに完成していました。　無念。どうやら昨日中に完成してしまったようです。図１１　：　竃かまどはオークション形式で、下が３０万円、上がダブルなので６０万円から販売していました。ダブルのかまどはキャスター付きなので移動に便利！祭りを去った後は、築地の横にある浜離宮に行きました。ここは散歩をするのにもってこいの場所です。図１２　：　菜の花畑菜の花の香りが舞っていました。激写しているのは一緒に行った友人です。浜離宮から、水上バスで浅草に向かいました。図１３　：　勝鬨橋祭りが開催されていた埋め立て地と築地を結ぶ勝鬨橋（かちどきばし）を、水上バスから見上げたところです。勝鬨橋には色は付いていませんが、日の出桟橋から浅草までに様々な色の橋をくぐります。橋に色が付いている訳は、遠目から見てどの橋であるのかを分かるようにしているのでしょう。図１４　：　船内からスカイツリー浜離宮から１時間ほどで浅草に着きます。浅草に近付くと、スカイツリーが見えてきました。その後は浅草の温泉で汗を流した後、飯田橋にていつものようにぐだぐだと夜更けまで過ごしました。　----------顕微鏡写真は訳あってしばらく載せられません今しばらくお待ちください----------

  2012.04.16

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  辰年　---海中のひょっとこ---

  年賀状は親しい友達にのみに送るので、挨拶は『謹賀新年』など書かずにいつも簡単にすませます。特に今年は大震災があり、友達も被災したため控えめな挨拶にしました。年賀状の絵は毎回手書きです。図１　：　今年の年賀状（下絵）細い筆ペンとクーピーで書きあげた下絵です。辰の絵は書くのが大変そうなのでタツノオトシゴで誤魔化しました。左下のスペースに個々人に一筆書いて、あとは海藻に色を塗って完成です。字が下手くそなのは、使い慣れない筆ペンの所為です・・・弘法も大笑いです。賀正の背景を青くしているのはちゃんと意味があるのですが、あえて書きません。----------ブログに御来訪の皆様、本年もご指導の程よろしくお願いいたします。

  2012.01.01

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  うるおう微生物　---口は災いのもと---

  図１（再掲図）　：　クチビルケイソウ微生物は個々に掲載すると、スケールがあっても大きさのイメージがつかみにくいです。例えば、サヤミドロとケイソウを一緒に写すと、図２のようになります。図２（再掲図）　：　サヤミドロの仲間大きさを見て分かるように、ミドロ系はとても大きいので、微生物界では敵なしです。先っちょが膨らむのが、サヤミドロの特徴です。---------- 【球の表面積・体積を求めよう！】 【第１０号：最終号】今回は、球の表面積をさらっと導出します。頭の中で、球を細かく切るイメージを持ってから読んでください。図３　：　球体の表面積途中式は、（底面積）×（錐体の数）＝（球の表面積）　の変換を使います。　≪赤字の箇所≫細かく切った錐体の底面積を全て足すと、球体の表面積になるというところがポイントです。シリーズはこれにておしまいです。何か質問がありましたらお気楽にどうぞ。----------【おまけの数学者】図４　：　ラグランジュ解析力学はまさに数式でかかれた詩です。図５　：　ラプラス複雑な電気回路の計算を、電気学者ヘヴィサイドが『ある変換』を用いて初めて解いたが、その『ある変換』が成立する理由が誰も分かりませんでした。ヘヴィサイドは『ある変換』が成立する理由を　　「数学は定義の上に構築されるものではなく、なんとなく適当に作ればよい」と公言したため、当時の数学者達から猛烈な非難を浴び、他の偉大な業績も含め、認められることなく不遇な生涯を送ることになりました。その後、ヘヴィサイドの『ある変換』が成立する意味を、数学者カールソンが証明する際に使ったのが、図５の公式です。そしてこの 『ある変換』 は 『ラプラス変換』 と名付けられました。しかし今までの話は、ラプラスが登場してから１００年後の話です。何故、歴史をさかのぼってラプラスの名が付けられているのかと言うと、数式の登場した意味合いは違えど、彼の名著 「確率の解析的理論」 においてこの式が初登場したためです。定理の名前は、必ずしもその名の人物が発見したわけではないことが多々あります。しかし名前を付けると使用しやすいので、慣用的に名前が使われているのです。ヘヴィサイドが余計な事を言わなければ、ヘヴィサイド変換と呼ばれていたはずです。ヘヴィサイド・・・無念なり。----------

  2011.12.16

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  ミクロの旋律　---家付きの球体---

  このマレットで・・・図１（再掲図）　：　家持ち微生物叩くと・・・図２（再掲図）　：　音階ケイソウ回りに漂うミクロの音符。---------- 【球の表面積・体積を求めよう！】 【第９号】前回分で円錐の体積の公式を導出したので、球体の体積を求めることができます。図３　：　半球・三角錐・円柱　の体積関係式第９号は、これで完結です。球体の体積がついに導出できました。次回最終回は球の表面積を導出します。何か質問がありましたらお気楽にどうぞ。----------【おまけの数学者】図４　：　オイラー数学者泣かせの数学者はオイラーさ・・・お後がよろしい様で新しい定理を発見しても、すでにオイラーが発見しているのではないかと当時の数学者は戦々恐々でした。人生をかけて発見した定理が、実は２０年前にオイラーが発見していた事を知り、失意のあまり数学者を廃業した人もいました。図５　：　ダランベール----------【おまけの解答】前回載せた算額の解答は用意していませんでしたが、花村美葉さんが問題に挑戦してくれたので、簡素ですが解答を載せます。図６　：　ばんなじ　の解答----------

  2011.12.12

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  天然の青汁　---さて、何ミドロ---

  図１（再掲図）　：　サンショウモの根図２（再掲図）　：　ミドロの仲間---------- 【球の表面積・体積を求めよう！】 【第８号】前号では四角錐の体積公式を求めました。今回は、四角錐の体積公式が、全ての錐に適用できることを示します。図３　：　錐体の体積2四角錐でない錐体は、体積と高さを変えずにその形を四角錐に変えることができるため、錐体の体積は、（底面積）×（高さ）÷３　で求まります。第８号は、これで完結です。円錐の体積が求められるので、次回分で遂に球体の体積を求めます。何か質問がありましたらお気楽にどうぞ。---------- 【おまけの数学者】図４　：　ド・モアブル図５　：　ヨハン・ベルヌーイ----------【おまけのおまけ話】　　～和算～明治時代に西洋の数学が導入される以前に、日本では古代から明治まで独自の数学　『和算』　が発達しました。天才和算家の関孝和が登場した江戸時代に和算は最盛期を迎え、実用的なレベルを越えた高度な数学が発達していきました。関孝和の和算は　『関流』　と呼ばれ発達し、他の流派はその足元にも及びませんでした。それはあたりまえの話で、この当時の関流のレベルは世界一と言っても過言ではないものでした。ただ和算には　・極限の概念がない　・表記が漢字、漢数字を使っていて分かりにくいという２つの問題点がありました。しかし自分が思うに、和算が明治以降ももし発達していれば、極限の概念も登場したように思います。現代ほど江戸時代は娯楽がなかったためか、数学が娯楽として扱われており、『塵劫記』という数学書がベストセラーになるほど、当時の庶民は数学に夢中でした。『塵劫記』は現代語訳したものが今も出版されています。江戸時代の庶民は数学を楽しみ、難しい問題を解いた喜びや、問題を作った感動を、数式を板に描き込んだ『算額』　として表現し、それを神社仏閣に奉納していました。この算額という文化は世界の歴史上例を見ないものであり、重要文化財や民俗文化財に指定されている算額も存在します。例えば、【球の表面積・体積を求めよう！】　の　【第３号】　で解説したピタゴラスの定理を知っていると、このような算額が解けます。図６　：　ばんなじ　の算額下に現代語訳を載せています。ご覧の通り、算額は　『問題』　と　『解答』　が一緒に描かれていることが多いです。つまり当時の数学とは、数学の解答を求めることではなく、答えに至るプロセスを楽しむものだったのです。答えばかりを追い求める現代の数学教育は、和算の姿勢を見習うべきです。----------

  2011.12.12

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  壁に耳あり　表皮に気孔あり　---角のある話---

  植物は種類が豊富なのでサンプルに困りません。図１（再掲図）　：　水仙の葉（表）以前、植物ごとの気孔の密度を計測していました。定期的に気孔密度のランキングが更新される中、『気孔の数は必ずしも一定であるとは限らない』　という衝撃の論文に出会いました。そのため、気孔密度のランキングという試みは道半ばにして頓挫しました。図２（再掲図）　：ガーベラの茎毛植物は様々な品種がつくられている半面、それぞれの研究は進んでいません。しかし資金繰りが苦しい昨今、研究する見返りが期待できないため仕方のないことです。ラボで名付けた、『花毛』『茎毛』を図鑑に載せる日が楽しみです。---------- 【球の表面積・体積を求めよう！】 【第７号】前回では球の体積を求める直前まで来ましたが、まだ円の体積は分かりません。なぜなら、円錐の体積の公式を導出していないからです。というわけで今回は、錐体の体積の導出です。 図３　：　錐体の体積１錐の体積公式の、３分の１はこうして導くことができます。しかし今回説明したのは、底面が四角である四角錐の場合だけです。次回、これを円錐に持っていきます。第７号は、これで完結です。丸い物を求めるのに、とがった物が必要なところが、数学の妙味です。何か質問がありましたらお気楽にどうぞ。----------【おまけの数学者】 図４　：　ニュートン歴代の天才物理学者３名を挙げろと言われれば、ニュートンは必ず入ります。現代の理論物理学者スティーヴン・ホーキングは、ニュートンが嫌いなようですが、会ったこともない昔の人を何故嫌いになれるのか不思議です。図５　：　関考和現代のような便利な数学表記がなかったにも関わらず、関考和は驚異的なレベルの数学を独自に発見しました。ヨーロッパに生まれていれば、もっと名を馳せたに違いありません。----------

  2011.12.11

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  果報は寝て待て　---３６０年間---

  ぐうぐう・・・。図１（再掲図）　：　座敷猫寝るのが仕事。図２（再掲図）　：　ケイソウの仲間微生物は場所・環境によって生活している種類が随分と異なります。これまでは身の回りの水たまりを使用していましたが、今後はどこぞの沼や川の水も覗いてみたいと思案しています。---------- 【球の表面積・体積を求めよう！】 【第６号】今回は、第４号と第５号で求めた断面積を使用します。 図３　：　半球・三角錐・円柱　の関係式今回は、半球・三角錐・円柱　の関係式でおしまいです。繰り返しになりますが、この式が意味するところは、どの高さにおいても断面積の関係式が成立する。　ということです。てっぺんから底の方までスライスしていき、全ての高さにおいて、　　　（半球の断面積）　＋　（円錐の断面積）　＝　（円柱の断面積）が成立するので、スライスしたものを全部くっつけた　　　（半球）　＋　（円錐）　＝　（円柱）が成立することになります。半球・三角錐・円柱にはこのような驚くべき関係性があります。なお、この関係式が理解できると、もれなく『微分』　を理解する力もついています。第６号は、この関係式で完結です。登場はしませんが、振り向けば微分の香りがする数学の世界にどっぷり浸かりました。何か質問がありましたらお気楽にどうぞ。---------- 【おまけの数学者】 図４　：　フェルマー一見簡単そうなフェルマーの何気ない書き遺しは、誘蛾灯のように数多くの数学者を引き付け、当時のレベルでは決して解けない問題だと気がつくはずもない彼らの時間を浪費させた。図５　：　パスカルパスカルは、歯痛を紛らわすため考え事しているうちに、未解決であったサイクロイド曲線に関する理論を作り上げたという。時代順に数学者を載せていましたが、フェルマーが登場したので、現代の数学者ワイルズを載せます。ワイルズは難攻不落の　『フェルマーの最終定理』　を解決しました。図６　：　ワイルズ----------

  2011.12.11

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  紫の種類　---名もない色---

  綺麗な羽毛で覆われている鳥ですが、足を見ると昔は爬虫類だったことがうかがわれます。その武骨さも好きなのですが、苦手な方も多いようです。図１（再掲図）　：　ペンギンの足ペンギンの足が持つ優れた機能に付いて以前書きました。今後は色々な動物のネタを書いていきたいものです。図２（再掲図）　：　紫玉ねぎこういう色物は画像にすると綺麗ですが、なかなか良いサンプルに出会えません。こんなの覗いたら綺麗なんじゃないか？　という物がありましたら教えてください----------【球の表面積・体積を求めよう！】 【第５号】 今回は、円錐と円柱の断面積を求めます。前回の半球と同じように、上からｈの高さで切った断面積を求めます。図３　：　三角錐図４　：　円柱第５号は、これで完結です。今回は前回と比べると比較的簡単な内容でしたが大事な内容です。何か質問がありましたらお気楽にどうぞ。 ---------- 【おまけの数学者】 図５　：　デザルグ射影幾何学は本当に難しいです。図を描くのが特に大変です。図６　：　デカルトデカルト座標はあまりに有能すぎる為、幾何の証明に使いがちですが、自分はそれでは面白みがないと考えています。----------

  2011.12.11

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  キモ可愛い目力　---数学でもスライス---

  目を持つだけで、微生物はなんだか親しみが持てます。図１（再掲図）　：　バーバパパ目が１つの微生物よりは、２つあるほうがやはり可愛いです。この微生物は本来は細長いのですが、観察にストレスを感じたのか丸く縮こまってしまいました。微生物本来の姿を写すことが今後の課題です。図２（再掲図）　：　蝉のハネ昆虫は芸術のかたまりですが、好き嫌いが激しい分野です。長い年月で磨き上げられた造形美だけでなく、ミクロの視点でも見ごたえ満点であることを今後は表現していきたいと思います。----------【球の表面積・体積を求めよう！】 【第４号】今号でほぼ数学の世界に突入します。数学を楽しむコツは、自分で計算してみるということです。読むだけで数式をマスターするのは、料理のレシピだけで味を知るようなものであり、なかなか難しいものです。キャンバスに絵を描くように、数式は考えながら白紙に走らせてこそ理解が深まります。球体の表面積や体積を計算することは、日常生活ではほぼありえません。たまさかの非日常を味わってみることをお勧めいたします。今回はピタゴラスの定理を使って、球体の断面積の半径を求めます。そして求めた半径から、断面積を計算します。図３　：　半球の断面積ルートの計算が出てきましたがどうでしょうか。第４号は、これで完結です。ついに数学の世界に両足を突っ込みました。何か質問がありましたらお気楽にどうぞ。 ----------【おまけの数学者】図４　：　ギュルダン図５　：　メルセンヌ----------

  2011.12.08

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  角のある話　---丸い微生物を添えて---

  今年はもう顕微鏡を覗けそうもないので、画像の再掲図で今年度の復習・反省をします。図１（再掲図）：　３個並べると髪の毛の太さこの団子達の横に、ピントがずれた繊維が写っています。これは取り除けたはずなので、以後気をつけます。また、この画像では確認できませんが、ピントをずらすと団子の内部に４つずつ丸い器官があるのが確認できました。内部と表層の両方にピントを合わせる、深度合成法を工夫する必要があります。しかし、こんなクッションがあったら面白いです。　『緑藻植物クッションシリーズ』前向きに検討してみます。図２（再掲図）：　巨峰の表皮これは巨峰（石原センテニアル）の表皮です。白くなっている画像下半分は蝋（ブルーム）です。ブルームの有無の表現は上手く出来ましたが、切り方が下手でした。スライスの厚みにムラがあるため、背景の紫色にもムラが生じています。汁っ気が多いサンプルのスライスは、今後も更なる工夫が必要です。----------【球の表面積・体積を求めよう！】 【第３号】 今回は、三平方の定理またの名をピタゴラスの定理と呼ばれる式を解説します。ピタゴラスの定理は、直角三角形に関する式です。一番長い斜辺の２乗が、他の辺の２乗の和に等しいというものです。古代ではロープとピタゴラスの定理を使って直角を作っていました。図３　：　ピタゴラスの定理図４　：　直角三角形の例では、ピタゴラスの定理を証明してみます。この証明には第２回で解説した、（A＋B）の２乗の計算が必要です。図５　：　ピタゴラスの定理の証明ピタゴラスの定理は、簡単な証明からいたずらに難しい証明までおそらく１００以上存在します。気が向いたら、自分自身で証明を探してみるのも面白いと思います。第３号は、これで完結です。若干数学の世界に片足を突っ込みましたが如何でしょうか。何か質問がありましたらお気楽にどうぞ。----------【おまけの数学者】図６　：　クラヴィウス図７　：　ネイピア----------

  2011.12.07

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  ピンクのでんぶでもミモザサラダか　---もじもじした計算---

  このトゲトゲの実の正体は・・・図１（再掲図）触って楽しい、オジギソウの種子でした種を見ると、オジギソウが豆の仲間であることが納得できます。しかしこのトゲトゲっぷりは迫力満点です。ひょっとして、知る虫ぞ知るものすごく美味しい豆なのかもしれません。次回は、青いうちに食してみたいと思います。オジギソウは、図２のようなピンクのポンポン花が咲きます。図２　：　オジギソウの花オジギソウの学名は『ミモザ』と言います。現在では、ミモザというとアカシアの花を指しますが、それはアカシアとオジギソウの花の形状が似ていることから起きた誤用です。ミモザの称号を取られたオジギソウは、夜になるとうなだれてしまいます。（プチクイズおしまい・ペコリ）----------【球の表面積・体積を求めよう！】 【第２号】（A＋B）の２乗の計算を求めてみます。赤枠の計算は、数学の最初で学ぶ式ですが、このように図形で考えると分かりやすいと思います。図３第２号は、これで完結です。すこし数学の香りが強くなってきましたが如何でしょうか。何か質問がありましたがお気楽にどうぞ。 ----------【おまけの数学者】図４　：　ルカ・パチョーリ図５　：　カルダーノ----------

  2011.12.06

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  微塵もない話　---初回は数式２個サービス---

  ミクロの画像がないので、寒い冬は新シリーズで乗り切ります。と、その前にプチクイズです。 図１どこかで見たことがある形をしていますが、はてさて、この種子は何の植物でしょうか----------ラムネを飲むと、ゲップをするたびにビー玉の体積が気になる。街中に鎮座する巨大なガスタンク。その表面積ははたして何畳あるのか。そんな疑問にお答えする新シリーズ。【球の表面積・体積を求めよう！】毎号ついてくる数式を理解すれば、球の表面積・体積がサクッと求まる。初回は数式が２個！　デアゴス○ィーニ♪【第１号】球の表面積・体積求めるのに必要な、全ての数式を一通り解説します。最初は、誰もが知っている三角形の面積の公式です。図２　：　三角形の面積三角形の面積を解説する必要はなかったと思いますが、使用する数式は全て解説します。次は、直径と円周の関係式です。図３　：　直径と円周の割合第１号は、この２つの式で完結です。何か質問がありましたがお気楽にどうぞ。----------【おまけの数学者】図４　：　アルキメデス図５　：　フィボナッチ----------

  2011.12.05

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  神の声を聞く　---数学で---

  数あるπ（パイ）の公式の中で、次の式は飛びぬけて異彩を放っています。彼が発見する公式は、異世界の生物のような衝撃的な形をしています。彼自身、何故その公式が成り立つのか分かっていないのも不思議な話です。ぽっと閃いてノートに書くものの、書いた本人が分からないというのはまさにＳＦです。この公式は他の公式に比べ値の収束が速く優秀です。６０年後に実際にコンピュータでこの公式を使い１７５０万桁以上を計算してみたところ、計算した値が全てピッタリ同じだった為、どうやらこの公式は正しいという、証明もどきがようやくされました。（数学ではこれは証明とは言わないため『もどき』としました）現在ではちゃんと証明されていますが、あまりに彼の公式は複雑怪奇かつ優美です。この超越的な公式を味わうために、記号の解説をします。！の記号は、計算は大変ですが分かりやすい愉快な記号です。ちなみに？はありません。同じ数を掛け算することを『累乗（るいじょう）』と言います。２回かければ二乗、３回かければ三乗と言います。Σはシグマと読みます。ローマ字のＳに対応するギリシャ文字で、それは Summation （総和）の頭文字からきています。シグマは上手い具合に上下が平らになっており、とても文字が書きやすいです。これらを踏まえれば、上記の超越的な公式を読むことができます。　『数学の記号は分かりやすくするために使用している。　　知らないというだけで記号を嫌悪するのは愚かである。　　ただ知ればよいのだから』　Ｂｙ　・・・え～っと誰だったか忘れましたこれは言いたいことは理解できますが、数学に興味がない人にとっては無茶な話です。ただ、『数学はおしゃれに書け』と自分はよく言うのですが、記号は数学のおしゃれだという事を、数学に興味がなくとも知っておいてほしいです。『１０×９×８×７×６×５×４×３×２×１』　と　『１０！』どちらが洗練されているかは言わずもがなです。ブランドのバッグに記された記号のように、数学の記号も負けず劣らず輝いているのです。（『パイはどこへ行った』　おしまい）----------【おまけの画像】プチクイズとは書いていませんでしたが、プチクイズの解答です。図４　：　再掲図蟻と書きましたが、実は蟻ではなくクモですその姿通りの、アリグモというクモです。脚の数と、お尻のとんがりがポイントでした。アリジゴクに与える蟻を採取しているときに見つけました。何だか脚が多く、動きも少し早い蟻がいたので捕まえてみたところ、アリグモでした。大きさは４ミリメートルくらいです。翌日も見つけたのでしばらく観察しましたが、蟻を捕まえるような動作は見せなかったので、この格好は蟻に擬態して外敵を欺いているのだと思います。たぶん。----------

  2011.11.02

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  偶然の計算　---今週のラッキーナンバーはπ（パイ）---

  （続き）【プチクイズの答え】π（パイ）が含まれている漢字とは、微です。　頓知クイズでしたギリシャ文字であるπは小文字です。大文字だとΠという記号になり、これは数学の数列の積を表す記号にも使われています。初期の神社もこの形ですが、関係はないと思います。----------π（＝３．１４１５…）は、数ある数字の中でも一番神秘的な数です。円とは全く関係がない事柄にも、ちょくちょく登場する摩訶不思議な値です。例えば、こんな確率にパイが登場します。（針の長さと直線の幅は自由に決めて良いのですが、式が分かりやすくなるので、直線の幅と針の長さは同じにしました。実際の式が知りたい方は質問してくれれば掲載いたします）ビュフォン伯、ジョルジュ＝ルイ・ルクレールが求めた公式です。読んだままなのですが、例えば３センチの針ならば、幅が３センチの平行線をテーブルに沢山ひきます。そしてテーブルの上から針をポトリと落とした時に、針と線が重なる確率が約６４％ということです。こんな確率計算にπが出てくるとは不思議ですが、計算すると出てくるのです。針を３４７９０回投げ、そのうち１１０７４回だけ針と直線が重なったというデータがありますが、この結果を元に計算すると、パイは３．１４１５９２９…という何ともアヤシー値が出てきます。（赤字が実際のパイの値と同じ）怪しいと感じた方は、秋の夜長に針落としをしてみてはいかがでしょうか。----------また、πを直接求める公式も相当数発見されていますが、どれも不思議な形をしています。例えば、こんな公式です。分子に偶数を、分母に奇数をそれぞれ２個ずつ、ずら～っと並べて掛け算すると、その値はパイの半分になるという公式です。こんな単純な公式でパイの値を求めることができるのですが、３．１４まで持っていくだけでも、相当量の式の長さが必要です。通常の電卓ではなかなか良い値まで持っていくのは大変です。また、こんな式もシンプルで分かりやすいです。分子が１で、分母が奇数の分数を、順番に引いては足して引いては足してを繰り返すと、その値はパイの４分の１になる公式です。この公式は分かりやすいのですが、ウォリス積と同じように３．１４まで求めるのもなかなか大変です。もちろんライプニッツの髪はかつらです。（続く）----------【おまけの画像】図４このアリですが、何か変わったところに気がつくでしょうか----------

  2011.11.01

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  計算だけで手いっパイ？　---切ってはいけない、その端数---

  円周率はπという記号で表し、『パイ』と読みます。なんとお洒落な記号なのでしょうか。これはギリシャ文字ですが、このパイは漢字にも入っています。さてその漢字は何でしょうか。思わずプチクイズにしてしまいました----------円周率が３であると、一体どうなるのかというプチクイズでした。まず、正三角形を考えます。正３角形を６個集めると、正６角形ができます。正６角形の対角線が２センチなら、正６角形の周りの長さは６センチであることがわかると思います。また、直径が正６角形の対角線と同じ２センチの円を考えます。驚いたことに、円周率を３にすると、正６角形の周と円周が同じという結果になります。図３　：　左側も円だって？円周率３．１４　のわずか　０．１４　を省いただけで、受け入れがたい結果が出てきます。たかが小数点の計算を省くために、円周率を３にした行為は学問の歴史上稀に見る愚行です。日本人は歴史的にも数学を愛でた民族ですが、いつからその感性を忘れてしまったのでしょうか。突然ですが、鈴虫とコオロギの鳴き声を聞き分けられるでしょうか？それくらいわかって当然と思うかもしれませんが、それは日本人だからです。欧米では虫の音を楽しまない為、両者を聞き分けられる人はわずかです。京都の料亭でアメリカのスタンフォード大学の教授が、日本料理に舌鼓を打っていると、そこに鈴虫の鳴き声が聞こえてきました。店の人はさぞ楽しんでくれるだろうと思ったのもつかの間、教授が一言　「あのノイズ（騒音）は何だね？」日本人は独特の感性を持っており、それは江戸時代に数学（和算）が流行ったことからも分かります。一般人が現在でいうところの三角関数や微積分を理解し、また問題を楽しんで解いていたとは今では考えられない話です。数学の問題を解いた喜びが、『算額』という文化を生み出しました。算額とは数学の問題（もしくは解答も添えて）を板に書き記し、神社仏閣に奉納したものです。神社仏閣に奉納された算額を読んだ人々が、個人でまたは集団で問題に取り組みその解法をまた奉納するのです。解いている最中に、何か面白い事に気がつけばそれをまた問題として奉納し、解いちゃあ奉納し、問題を作っちゃあ奉納していたのです。　「楕円の問題なら魚屋の定吉、２次曲線なら梅っつぁんが得意だね」なんて言っていたかもしれません。こんな文化は世界にも例がなく、重要文化財や民俗文化財に指定されている算額もあります。外国人と話すために外国語を学ぶように、自然界と話すために数学を人は学びます。数学とは自然界の言語なのです。日本人はいつしか自然界の声を聞く事を止めました。そして虫の声を聞くのを止めたとき時、日本人は絶滅するのだと思います。----------気がつけば話が脱線しました。円周率は３．１４でもかなりの精度を持っており、かなりの精度を必要とする人工衛星の軌道計算でさえ３．１４１５９　というわずか小数点５ケタの値を使用しています。３　と　３．１４の大きな違い。わずかな違いが大きな違いを作る自然の不思議。ガッテンして頂けましたでしょうか？----------【おまけの画像】図４　：　微生物ネット前回の、イカダモを捕らえていたものはミズゴケでした。下側左寄りにイカダモがいるのが分かるでしょうか。プチクイズの解答もよろしくお願いします（続く）----------

  2011.10.31

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  プチクイズ　---細かい話を丸くする---

  円の直径に対する、円周の長さの割合である円周率に対して、何か感じたことはあるでしょうか。・・・ないですって?でも話は続きます。ご存じのように円周率は、３．１４と最初に習います。つまり、直径１００ｃｍの円周は、１００×３．１４＝３１４ｃｍという事です。さて、プチクイズです。円周率の値は、３．１４でなくとも、３でもほぼ長さは求まります。多少の長さの違いは目をつぶるとして、円周率を３にすると一体何がまずいのでしょうか。思う事や気がついたことがありましたら、是非ともお願いいたします。----------【おまけの画像】図１御簾の向こうに鎮座するイカダモ。それとも捕らわれの身なのか。図２中央部の伸びきったバネは、維管束です。両端の塊をひとつにくっつけようと奮闘しています。----------（次回は月曜更新予定）

  2011.10.27

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  あなたはどうして○○なの？　---ミクロの中心で名なしを叫ぶ---

  太陽虫ばかりいた水たまりには、何匹かゾウリムシやその類を確認しました。そのゾウリムシは太陽虫を食べていると思われます。地球では水があれば、環境に合わせた微生物が住みつきます。ペットボトルも開封直後から、微生物は住みつきます。唇にも大気中にも、微生物はわんさかいますから。月や火星、また他の星の観測では水の有無は大きな関心事です。水でなければ生物が生きられないわけではないのですが、地球では水で生きる生物のデータがほとんどなので、まず水探しから生物探しは始まります。はてさて、火星に生物はいるのか？メタンの海に生物はいるのか？鉄が蒸発し、鉄の雲が流れ、鉄の雨が降る星に生物はいるのか？秒速４０００メートルの風が吹く惑星に、生物はいるのか？○○先生は宇宙人ではないのか？想像もできない世界があることは、とても想像力をかきたてられます。図１　：　ケイソウの仲間堅腕章のようなケイソウ。彼は両端という概念を知っています。図２　：　緑藻植物こういうタイプの微生物は分類が困難です。形が丸い　⇒　微生物の基本形で種類は数知れず。　実際知っている人はいない。動かない　⇒　植物細胞　or　非光合成タイプ　or　死　or　休憩中　の区別が困難。　中身が粒々　⇒　中身の個数で分類したり、しなかったり。　要は直感の世界。数が少ない　⇒　突然変異は日常茶飯事なので、比較物がないとお手上げ。実は胞子だったりもします。実際、ミクロの世界は名前がある方が少ないのです。（ミクロの世界はカメハメハ♪：おしまい）----------

  2011.10.26

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  顕微鏡で覗く太陽　---ミクロの千手観音---

  明るい場所にある鉢受けの水を覗いてみました。ここは一日中木の影になっており、明るいですが日光は当たりません。一体何がいるのだろうと期待しましたが、残念ながらめぼしい生物はいませんでした。ただ唯一の住人と言える、図１の生物達がランチ中でした。図１　：　ある日の午後低倍率で覗くとミクロの世界はまずこのように見えます。このスケールで目標物を絞り、徐々に倍率を上げて行きます。図１において、小さな点々がランチ中の微生物です。点達はドアをノックするように、リズミカルに有機物の塊にタッチしては、元の位置に戻っていました。このせわしい微生物達は　『太陽虫』　です。最近覗いたような気がしますが・・・まあ、良しとします図２　：　太陽虫太陽虫はたえず動いている為、そのままでは撮影が難しいのですが、上手い具合に、何故かぐったりとしている太陽虫がいました。その「ぐったり丸」を覗いたのが図２です。太陽の後光のような繊維が確認できるでしょうか。図３　：　ぐったり丸この繊維は、中心にある細胞核の表面まで達しています。つまりこれはただの毛ではなく、彼らの手足になっています。防御の役割はあまりないようで、このまま他の微生物に食われているのを見かけます。（原始生物は太陽だった・おしまい）----------

  2011.10.25

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  手作りでも渾身の出来栄え　---ただ集めただけ---

  （続き）柿の葉の茎には、小さな突起があります。図１　：　柿の葉の茎　断面　ちょろ毛この突起は特別な物ではなく、植物の茎によく見られるものです。断面をもう少し拡大してみます。図２　：　柿の葉の茎　断面断面から水分が蒸発し、頑丈な細胞壁がスポンジ状に残っています。このスケールで、これほどしっかりと細胞壁が確認できるということは、かなり葉が堅い事を示しています。堅い柿の葉は腐葉土や堆肥にはむかないと聞きますがそんなことはありません。要は作り手の技量なのです。自分は、プラスチック製の漬物樽（５０リットル）に、柿の葉ほか落ち葉をぎゅうぎゅうに詰め込み、重しをして放置しています。せっかちな方は、鶏糞などを混ぜると良いと思います。自分は面倒くさがりなので、何も混ぜません。ふたをしてしばらく放っておくと、落ち葉が醗酵してバケツが熱々になります。そうしたら良くかき混ぜて、空気を入れたらまた放置。半年もすれば、りっぱな腐葉土ができます。放置すればできる腐葉土作りは、面倒くさがりである自分の趣味になりつつあります。混ぜるときの匂いも、なかなかに良いものです。（柿・おしまい）----------

  2011.10.24

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  秋の夜長にちびちびと　---刻むのは時とメス---

  柿の季節なので、ちょいと覗いてみました。図１　：　柿の葉の茎断面染めなくても、柿色の維管束が確認できます。中央部の三日月形が維管束です。　　　柿食へば鐘がなるなり法隆寺 柿と言えば、正岡子規のこの俳句が浮かんできます。シルエットで浮かぶイメージとして、法隆寺より東大寺のほうが強いのは、自分は何かしら情報の刷り込みにあっているのかもしれません。子規に思い入れは全くないのですが、子規の屋号と同じ獺祭（だっさい）という日本酒が大好きです脱線しました。維管束をさらに覗いてみます。図２　：　柿の葉の茎断面　維管束スライスしただけで処理はしていない為、各組織がはっきりと確認できませんが、これはこれでなかなかの作品だと思います。（続く）----------

  2011.10.20

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  蝿の音色　---それは武音（ぶい～ん）---

  ハナバエの翅をさらに覗いてみます。まるでサメ肌のようです。サメ肌をハエバネ（蝿翅）と表現する方がいましたら、その方はかなりの通か、もしくは変人ですのでご注意ください。図１　：　ハナバエの翅　１図１において、翅の縁に確認できる鉛筆の先のようなトゲは、一本のトゲではありません。二本の細いトゲの先端が、うまい具合にくっついて見えるため、ひとつの太いトゲに見えているだけです。そんな事はどうでもよいという投げやりな意見は受け付けておりませんのでご了承ください図２　：　ハナバエの翅　２図１や図２を良く見ると、幾筋かの影がはしっているのが分かるでしょうか。それは翅が波打っているため、谷の部分に影ができているためです。それに気が付くと、翅の立体感が手に取るように認識できると思います。さらに図２の下側を覗いてみます。図３　：　ハナバエの翅　３なぜこんなにも規則的なのでしょうか。ミクロの世界はかなり几帳面な性格を持っています。トゲトゲの肢でザラザラな翅をこすると、一体どんな音がするのでしょうか。その音色を想像しつつ、ハナバエはこれにて終幕です。（おしまい）----------

  2011.10.19

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  ミクロのおろし翅（ばね）　---叩くならお手柔らかに（スリスリ）---

  前回に引き続きハナバエの肢を覗いてみます。今回はシリーズではないので、ハエは解体しておりません。そのため画像は若干見苦しいですが、ご了承ください図１　：　ハナバエの肢ハエの肢先は二本の爪と、二つのブラシで構成されています。凹凸のある所は爪で、つるつるの所はブラシでひっかけて体を固定します。つるつるの場所には細かい汚れやゴミが付いているので、そこをブラシで引っ掛けます。そのため、例えばガラスを綺麗に拭いておくと、ハエが止まれないガラスになります。図２　：　ハナバエの肢　横から手をすり脚をすり。綺麗好きなハエはトゲだらけの肢で汚れを落とし、身体を綺麗にします。図３　：　ハナバエの翅ミクロの芸術、昆虫の翅です。翅の表面は、ワサビをおろすのに良さそうな微細なトゲが密集しています。（続く）----------

  2011.10.18

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  メスで辻斬り　---スライス中は御用心---

  サンプルをスライスしていると、小さなハエが一匹飛んできました。メスを持って集中している時に近づくとは、何と愚かなハエでしょうか。宮本武蔵のように箸で発止と摘まむことはできないので、着陸した所を、身近にあったボールペンのキャップで捕らえました。ハエシリーズにしようかと思いましたが、小さなハナバエなので止めました。今回は練習ということで、何枚か撮ったのでそれを載せます。----------捕らえたもののさて、こ奴はどうしてくれようか。とりあえず、触角マニア（？）のsnowrun29さんのリクエストがあったので、触角を撮ることにしました。図１　：　ハナバエの触角思いのほかシンプルな触角です。ハエは立体的なので、実体顕微鏡で観察するのには無理がありますが、何となく観察はできました。今回は解体はしませんでしたが、シリーズ化した際にはもう少し綺麗に撮りたいと思います。ご期待ください----------遅くなりましたが前回の解答です。問題図正解は、「指紋」　でしたカバーグラスに指を押し付けたものです。pipキムさん、emairさん見事正解でした。難問続きだったのと、シリーズと関係がなかった所がちょっとした罠でした。----------【おまけの長い話】以前書いた内容ですがご了承ください。初見の方はじっくりと、再読の方は復習がてらのんびりどうぞ。図２　：　ハナバエの単眼バッタやハチの頭には単眼が３つあります。単眼を２個しか持っていない昆虫や、カブトムシのように単眼を持たない昆虫もいますが、基本的に単眼は３つです。なぜ、単眼は３つ必要なのでしょうか？----------簡単に言うと、ボールを支えるときは指２本より指３本で支えるほうが安定するように、空間もボールと同じく３方向を測定することで認識できるからです。単眼の見た目はまるで人間の目に似ていますが、レンズの下に網膜があるという、実は同じ構造をしています。しかし、単眼のレンズは光感受部位を越えたはるか後ろで焦点を結ぶため、像を認識することはできません。では、単眼の役割は一体何でしょうか？----------単眼の研究は古来から続けられていましたが、単眼の『像を結びえない』という一見して意味のない性質が、研究者たちを悩まし続けました。解答を得られたのは最近で、１９７０年代のことです。それは、『単眼は空と地面の明暗比（コントラスト）を検知する』というものでした。つまり、単眼は空間を認識する能力を捨てる代わりに、明暗変化の認識力を高めたのです。単眼は複眼に比べて信号伝達系が非常に速いため、時間分解能は複眼以上です。昆虫はいかに時間スピードを重視しているかが分かると思います。----------では、明暗認識が何に役に立っているのかかるく説明します。人間は内耳で、昆虫は単眼で平衡感覚を感じ取ります。再掲図３　：　快適な空の旅（あまり聞かないヨー軸は、yaw axis　と書きます。）昆虫は飛翔やジャンプをする際、図２のような３方向の軸の傾きを感じとり、身体を平衡に保ちます。例えば、ご機嫌よく飛翔している昆虫の単眼に、空からの光と、地面からの暗い光が半分ずつ入っているとします。【図３の（１）】横から吹いてきた風により身体が傾くと、単眼に入る光の入り方が変化します。この変化はとても微小であり、人間にはとても認識できるレベルではありません。【図３の（２）】そして前に身体が傾いた際は、空から入る光の量が減ります。【図３の（３）】再掲図４　：　単眼に入る光量の変化このように、微小な体の傾きを単眼に入る光の変化で感じ取ることにより、飛翔バランスの制御をしているのです。厳密にはもう少し複雑なシステムなのですが、内容はあまり面白くないのでこれ以上説明はカットします。（おしまい）----------

  2011.10.17

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  巨峰にかけた情熱　---知って欲しいその想い---

  巨峰シリーズが終わってしまったので、今週はもう握るネタはなくなってしまいましたたいていは土曜か日曜に覗きをし、いくつかの画像をブログ用に加工するのですが、今週末は覗けません。どうしましょう。何か考えておきます。----------巨峰シリーズに対する説明が少し足りなかったようです。　「（ＭＡＳＡ先生は）説明が超長い～～～　（←鼻から抜けるように発音）」と普段言われるので、少なめの文章を心がけてきましたが、少し手を抜きすぎてしまったようです。【巨峰シリーズ・補遺】巨峰は１９４２年に、農業学者である大井上康博士がつくりだした、日本原産のブドウです。巨峰は昔からあるわけではないのです。　「秋は巨峰。夕日のさして指の端はいと紫立ちたるに」なんていう古典も存在しない、つい７０年前にできたブドウなのです。長い年月をかけて造り出した日本が誇るブドウです。是非知ってあげてください。ちなみに４倍体であることもついでに覚えておくと、種がなくても話の種になります。----------巨峰をさばいたメスを載せます。図１　：　メス　１使い捨てのメスです。切れ味はカッター等とは比べようがありません。その切れ味たるや、巨峰は切られたことすら気が付きませんでした。図２　：　メス　２図１でも十分に確認できますが、切れ味の良い刃物は刃先がミクロのギザギザになっています。刃物は、実は摩擦で物体を切っているのです。----------・おまけの画像図３　さて、ぽつぽつと水の跡らしきものがありますが、これが何だか分かるでしょうか。図４　：　ヒントこんな風に並んでいるようですが、いつもこうとは限りません。----------

  2011.10.07

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  日本のブドウ　---まさに大徳---

  （続き）巨峰の維管束はかなりの太さなので、二つに切るだけでも十分視認できます。果実内部の維管束を酢酸カーミンで染色してみます。図１　：　果実内部の維管束・酢酸カーミン染色　１茎に見られる維管束と何ら変わりはないようです。ただ４倍体であるためか、本数は茎と比べる多いような気がします。図２　：　ミクロのスプリングお決まりの維管束拡大図です。図３　：　巨峰・果実　透過光果実のスライスです。果実の細胞は思いの他大きかったので、いつもより厚めのスライスとなっております。こんなに水っぽいサンプルは、本来ならば下処理をしてからスライスをするのが正攻法なのですが、そんな悠長なことはしませんでしたしかし、巨峰をメスで刻むなど正気の沙汰ではありません。巨峰シリーズはこれにて終幕。----------

  2011.10.06

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  巨峰の剥き方　---メスでサクッと---

  （続き）この物体は、ブドウの王様（と自分が思っている）巨峰（石原センテニアル）でした。問題図より、ズームアウトした画像を載せます。図１　：　表面・反射光図１はスケールが０．２ミリメートルであった問題図と比べ、０．５ミリメートルと大きいので分かりやすそうですが、ヒントとなる蝋（ブルーム）が分かりにくいので、問題図にはしませんでした。図２　：　果実内部の維管束果実内部をよく見ると、維管束の筋があるのがわかります。食べるときに維管束に気がついている方はいるでしょうか。巨峰の皮は、先端部分から剥くと綺麗に剥けます。その理由を画像で撮りたかったのですが、上手く撮れないままサンプルの１粒を使い切ってしまいました。残念ながら残りは食べてしまったので、また次回挑戦します。（続く）----------

  2011.10.05

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  色々な色　---粒々な粒---

  （続き）色から当てる方がいると思いましたが、見事に花村美葉さんが当てました前回の花村美葉さんのコメントに解答はありますが、もう少し考えてみたい方のために画像を３枚載せます。先に答えを見てもよし。後で見てもよし。画像の楽しみ方は人ぞれぞれです。詳しい解答は次回分に書きます。図１　：　表面　反射光・透過光白い部分は、蝋状の物質です。触ると容易に取れてしまいます。図２　：　表面・透過光このような粒々で表面が色づいています。色が付いているのは表層だけです。さて、この色合い。どこかで見たことがあるような。図３　：　紫色の粒紫色の粒です。ここまで拡大してしまうと、ヒントにはなりませんが、面白い画像ではあります。（続く）----------

  2011.10.04

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  この画像はなんじゃろな　---ノーベル生姜、他の染み---

  以前から覗いてみたかった物体です。図１　：　表面・反射光【ヒント】・白い部分が線状であるとは、肉眼ではあまり確認できないと思いますが、　物体がなんとなく白っぽいことは視認できます。・誰もが知っているものだと思います。解答を寄せてくれる方は、大変参考になりますのでその理由も一緒に書いてくださるととても嬉しいです（続く）----------

  2011.10.03

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  サンショウモ 香り転がし 穀雨かな　---藻に見えない藻---

  （続き）ひげ根もどきを再度覗いてみます。図１　：　水中葉微生物にとっては、ひげ根も菩提樹の如し。安らぎの時間が流れていきます。図２　：　サンショウモ葉の表面には、小さな突起が無数に生えています。この突起は水をはじくためのものです。図３　葉の表面　拡大突起にはピントがあっていませんが、ご了承ください。１ミリメートル四方に、１０個程度突起が生えています。雨が降っても、この突起で水滴を受け流して水没を免れます。かつては日本のどこでも見られたサンショウモですが、今では絶滅危惧２類に指定されています。絶滅危惧２類とは、『絶滅の危険性が増大している種』を意味しています。サンショウモは藻の仲間であり、除草剤にはとても弱いのです。サンショウモを流れる水滴が涙とならないように、豊かな自然を守っていきたいものです。サンショウモシリーズはこれにて終幕。----------

  2011.09.30

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  根も葉もない話　---それでも知りたいその名前---

  （続き）根を酢酸カーミンで染めました。染められる事を嫌ったのか、微生物たちはレンズの向こうにはいませんでした。図１　：　根・酢酸カーミン染色ここで、プチクイズです。根と書きましたが図１より、根と言うには妙な点があります。さて、それは何でしょうか。---では、thinking time ～・・・考慮時間はい、時間です。---おかしな所は、根が細胞の単列で構成されていることです。通常の根は細胞が多数集まり、一つの根を構成しています。つまり、一見して根に見えますが根ではないのです。じゃあ何かと問われても、バランス用の根というほかありません。ミクロの世界を覗いといてこんなことを言うのもなんですが、何と呼ぶのかという細かいことは専門家にまかせることにします気になる方は、水中葉と覚えると間違いはありません。図２　：　根・酢酸カーミン染色　その２ひげ根もどきを生やしている部分は、根らしく細胞で構成されており、内部に維管束があるのが確認できます。（続く）----------

  2011.09.29

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  浮き草暮らし　---流れるままに---

  先の画像は、この植物のものでした。図１　：　サンショウモの仲間サンショウモという浮き草で、葉の大きさは１センチメートル程度です。葉は茎で連結しており、１センチメートルの根が複数本出ています。条件が良いと、捨てるほどに増殖します。（増えたときはドングリの根元に捨てます。翌日見に行くと、ダンゴムシの軍団がむっしゃむっしゃと浮き草をかじっているのが観察できます）問題にした画像は、この浮き草の根でした。問題図根に付着している小さな物体は、見るからに外れそうです。土に入り込んだ植物の根であるならば、覗く前に根についた土を洗浄をしなくてはならない為、このような付着物は観察できません。ということから、植物の根だけでは解答としてはまだ甘く、浮き草の根というのが正解でした。二段構えの推理は無茶でしたでしょうか。図２　：　サンショウモの根図３　：　主根の先端名称は分かりませんが、この付着物は微生物です。寄生か共生かは分かりません。顕微鏡で見てもなお且つ小さい生物がこうして生きている神秘。名称を付ければその物体を知ったような気になりますが、名前をつける基準がなくなるほど、小さな世界があるのです。はたして区別のない世界は、人間に耐えられるでしょうか。区別ができない世界は、物理のミクロ世界にもありますが、それはまた別の話です。（続く）----------

  2011.09.28

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  行間を読む　---眠くならない程度に---

  （続き）前回の画像の、モジャモジャ具合を増やした画像を載せます。図１　：　モジャ増量版図１はあまりにもモジャ具合が過ぎる為、問題の画像にはしませんでした。もう少し、ズームアウトした画像を載せます。図２この物体を覗くまで、このような構造をしているとは思いもしませんでした。話は変わりますが、画像の見方にはコツがあります。図２においてピントがあっていない部分がありますが、それはそのまま見過ごしてはいけません。ピントがあっていない部分は、ピントがあっている部分とは立体的に位置が異なるという情報を含んでいるのです。つまり図２のぼやけている部分は、パソコンの画面に対して垂直に突き抜けているか、飛び出していることになります。さて、図２は立体的なイメージが掴めてきたでしょうか。ここまでくると、ある程度この物体が何なのか絞られてくる・・・とも限らないのが、ミクロの世界の面白さです。（続く）----------

  2011.09.27

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  この画像はなんじゃろな　---ミクロのタイムカプセル---

  ○○シリーズです。図１は何でしょうか？図１想像力を全開にしてもよし、直感でもよし。考察時間は至福の一時。解答を寄せてくださる方は、大変参考になりますので解答理由も一緒に書いて頂けるととても嬉しいです。----------【延長戦：ボウフラＷｅｅｋ】遂に、数々の悲鳴と賛美を頂戴したボウフラシリーズ延長戦も最終日です。また来年の夏、グレードアップして開催いたします。シリーズ締めの画像は、この一品です。再掲図２　：　蚊の卵蚊の卵です。黒いゴーヤではありません。この卵は越冬し、春に孵化しました。もうボウフラが居なくなったからといって、水たまりを放置すると来年しっかりと恩返しにやってきます。鉢受けの水は、夏が終わったら一度洗うのが大事です。ボウフラシリーズ終幕。　・・・ぷい～ん。 　----------

  2011.09.26

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  パセリの壁　---うなる芭蕉扇---

  パセリの葉脈を覗いてみます。図１　：　パセリの茎表皮　１構造を支える茎は、流石にアメーバ型細胞ではありませんでした。細長い細胞はどの植物の葉脈でも見られます。植物細胞は堅い細胞壁を持っているので、細長い形が茎としてべストのようです。となると、茎も同じようなものですが一応覗いてみます。図２　：　パセリの茎表皮　２こちらの画像の方が、パセリらしい色合いをしていますが色の違いは観察光の違いによるものです。このようなタイル模様を今後勝手に　『パセリウォール』　と呼ぶことにします。園芸店なら売れるでしょうか。パセリシリーズはこれでおしまいです。合掌。----------【延長戦：ボウフラＷｅｅｋ】さて、図３の画像は何であるか分かるでしょうか。再掲図３図３は、蚊の翅脈（はねの筋）にはえている微小羽です。羽の縁には、もう少し大きめの微小羽が生えています。再掲図４　：　蚊の羽この微小羽が、蚊のアクロバット飛行を可能にしています。こんな光景が蚊の翅にあるとは誰が想像できるでしょうか。これが、俗に言う　『蚊の桂林』　です。蚊を叩き潰すたびに、この微小羽は粉のように飛び散ります。----------

  2011.09.23

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  青き名脇役　---メインは蚊の忍具---

  昨日の図２を見て、何か気がついたでしょうか。図１　：　パセリ裏側・双子の気孔気孔がむぎゅっとくっついています。気孔は葉の表面全体にまんべんなく分散しており、気孔同士が接着しているのはあまり見かけません。これはいわば、双子の気孔です。しかし、双子だからと言っても特別な意味は何もありませんが。----------【延長戦：ボウフラＷｅｅｋ】再掲図２　：　蚊　足の先お手！蚊の足先です。二つのかぎ爪で、獲物の表皮にとりつきます。再掲図３　：　蚊の口吻蚊の仕込杖です。大事な注射針は、普段は大切に鞘に納めています。注射針を皮膚に差し込むと、差し込まれた生物の体内圧で自動的に血が蚊に送られます。そして、この鞘で皮膚を押し、差し込んだ注射針を引き抜きます。再掲図４　：　蚊　注射針の先注射針の先です。ギザギザになっていることにより、上手く皮膚を傷つけることができます。注射針と書きましたが、実際はストロー状ではありません。構造はスリットのある筒状をしてます。（惜しまれつつも、延長戦まもなく終幕）----------

  2011.09.22

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  パセリの凹凸　---裏表のある話---

  表側だけではなく、パセリの裏側も覗いてみます。図１　：　パセリ・裏表側と同じように、もこもこした細胞ですが、凹凸は表ほど激しくありません。しかし何故パセリはアフロなのでしょうか。図２　：　パセリ・裏（拡大）ジグソーパズル　『パセリ』　完成しても爽やかさは皆無です。----------【延長戦：ボウフラＷｅｅｋ】うかうかしているうちに、遂に出てきました。再掲図３　：　羽化常々、昆虫の変態には驚かされます。パスタがお好み焼きになるようなものです。再掲図４　：　蚊の横顔・複眼ハロ～♪蚊は、顔半分が複眼です。触角は撮っていなかったので、図４でちらっと見える触角をお楽しみください。次回の撮影では、少し工夫をして全体がクリアに見える画像を撮りたいと思います。----------

  2011.09.21

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  パッと香る芹（せり）　---後半は『ボウフラ』につき注意---

  さて、もじゃもじゃ細胞を持つ植物は何でしょうか。図１　：　表側・押しつぶされる気孔達かなりの難問でしたが、この植物は、『パセリ』　でした。以前挑戦した時は、表面を上手く剥げずに失敗しましたが、今回は上手く剥ぐことができました。ところで、細胞の形が偶然にもパセリに似ていると気がついた方はいたでしょうか。自身の部分の拡大が、自分自身と形が似ていることをフラクタルといいます。自然界にはフラクタルがあふれています。フラクタルについては、機会があったら書きたいと思いますが、興味がある方は自分で勉強してみるのもよいと思います。----------【延長戦：ボウフラＷｅｅｋ】蚊のサナギは、別名　『鬼ボウフラ』　とも呼ばれます。さて、『鬼』　とは何の事でしょうか。ポイントは頭部にあります。再掲図２　：　蚊のサナギ　頭部再掲図２の上側にある、筒状のものが確認できるでしょうか。この筒状のものは呼吸管なのです。この形状が　『鬼』　だそうですが、本当かよ！　というツッコミは受け付けておりませんのでご了承ください。再掲図３　：　鼻風船再掲図３は、呼吸管からぷく～っと空気が出てきた状態です。クジラと同じだと思えば、可愛く見えるでしょうか。そうですか。無理ですか。ということで、正解は　Ｃ　：　水面に触れている頭部に、呼吸器官がある。でした。次回は『成虫編』です。続くのかよ！　というツッコミは受け付けておりますのでご了承ください。----------

  2011.09.20

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  この画像はなんじゃろな　---初のダブルクイズ---

  今回は○○シリーズです。この○○は以前にも覗いたのですが失敗しました。今回は再挑戦し、うまく画像が撮れました。この植物の面白いところは、細胞がギザギザであることです。さて、この植物は何でしょうか？図１　：　表側これだけでは少し難しいので、ヒントとして花言葉を調べてみましたが・・・・・・花言葉とはしっかりと決まってはいないのでしょうか。ネットで検索してみると、様々な意味が出てきます。どうやら花言葉は時代背景や印象で決めているので、様々な意味があって当然のようです。そうなると、こちらで勝手に決めます。一番気に入ったこの植物の花言葉は、『役に立つ知識』です。これをヒントにしておくと、細胞の形が説明しやすいからです。図２　：　表側・拡大さてさて、この植物は何でしょうか。解答を寄せてくださる方は、その理由も書いてくれると大変参考になりますので、宜しくお願い致します。（続く）----------【延長戦：ボウフラＷｅｅｋ】アンコールにお応えして、ボウフラシリーズ延長戦です。くねくねしているボウフラは、やがてサナギになります。再掲図３　：　蚊のボウフラとサナギ図３の真ん中で丸くなっているものが、蚊のサナギです。蚊の呼吸管は尻尾にあるのですが、このサナギは尻尾が水中にあります。再掲図４　：　蚊のサナギここでクイズです。　　蛹はどのように呼吸をしているのでしょうか？　　Ａ　：　この時期は呼吸をしない。　　Ｂ　：　たまに逆立ちをして、呼吸をしている。　　Ｃ　：　水面に触れている頭部に、呼吸器官がある。　　Ｄ　：　サナギになるとエラをもち、水中で呼吸をする。　　Ｅ　：　サナギになると体内に空気袋をもち、それで呼吸をしている。解答を知っている方は、植物の方を頑張ってみてください解答を寄せてくださる方は、その理由も書いてくれると大変参考になりますので、宜しくお願い致します。----------

  2011.09.19

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  ボウフラweek　---もう好きーと言って---

  惜しまれつつも、『ボウフラweek　---もう好きーと言って---』　は最終日です。今年は昨年と違い、ボウフラを詳しく観察できませんでした。ムヒ片手に待っていたファンの方には申し訳なく思います。来年こそは、新たな世界初の画像を撮るつもりです。図１　：　見よ！　この鍛え上げられた腹筋を！ボウフラの腹部の毛は、いたずらに生えているわけではなく、一節毎に規則正しく生えています。ボウフラはその動きから、表皮が柔らかそうに見えますが、昆虫の外骨格をなしているクチクラという堅い成分でできています。アコーディオンのような蛇腹構造を取ることにより、あの面妖な動きを為すことができるのです。ＭＡＳＡラボでは、ボウフラの外骨格の標本を作る事に成功しました。図２　：　腹部のトゲボウフラ目線で見ると、トゲはかなりの長さです。クチクラでできたそれは鋭く長く、また頑丈です。ラボの調査によると、このトゲは表皮とは一体になっておらず、毛髪のように抜けることが確認されました。短い間でしたが、ボウフラシリーズはこれに閉幕。最後は、小学生の時に作った句で強引に締めます。　　憎らしや　寝耳のそばに　蚊一匹----------【おまけの画像】図３　：　朝寝して　昼寝して　夜寝して

  2011.09.16

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  ミクロのくちなわ　---元祖を添えて---

  十分に成長したボウフラの頭部です。ボウフラは意外にも半透明であることがわかります。図１前回の若い個体に比べて、倍近く大きくなりました。内部の筋肉の動きや血流をお見せできないのが残念です。二本の触角はやたらと目立ちますが、頭部先端をよく見ると産毛が生えています。図２なんということでしょう。一か所から何本も、ちょろ毛が生えています。波平のお兄さんである海平も、一か所から二本の毛が出ていましたが、その比ではありません。『ボウフラweek』も残り１日です。----------【番外編】土いじりをしていると、カサリと梅の葉が揺れました。この時期に走り回っているトカゲだと思いましたが、何やら視線を感じたので顔を上げてみると・・・。図３：　よっ！　青大将！居合抜きのごとく、腰のカメラを引き抜き撮らえました。こやつはたまに出没する青大将です。以前よりもまた成長したようです。大きさは１メートル１０センチくらいでした。姪っ子に見せようと思い、とりあえず胴体をつかみました。いつも驚くのは、手の中で躍動する筋肉です。冷たい筋肉がグネグネと波打ちます。さぞかし人間の手が熱く感じていることでしょう。あまり強く握っては可愛そうなので少し力を抜きましたが、その瞬間にするりと逃げられてしまいました。これで、１勝３０敗くらいです。70センチを超えたときから、一度も捕まえることができていません。図４器用に枝を伝って逃げて行きました。いつも気になるのは、彼は普段何を食べているのでしょうか。カエルやネズミはいないので、トカゲでも食べているのかもしれません。----------

  2011.09.15

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  週刊『ボウフラ』　---夏季限定です---

  前回の図に手を加えました。図１　：　こんなマドラーがあったらいいな『くち』とありますが、餌を口にかきこむヒゲのことです。書き忘れましたが、今週は『ボウフラ』がテーマなので、しばらくは身体が痒いかもしれません。キンカン片手にご覧ください。ボウフラは一週間もすると、随分と成長します。成長したのが図２です。図２　：　もはや棒にあらずここまで成長すると、流石に人目に付きます。サナギになり羽化するのも残り僅かなので、駆除するならギリギリのタイミングかと思います。パイプブラシのように毛が生えていますが、メダカはスルッと食べてしまいます。この程度の毛は、人間にとってのサンマの小骨程度なのでしょうか。図３　：　ボウフラの触角ボウフラの触角です。触角と言うには随分と単純な構造をしています。先端部の保護でしょうか。先端に二本の防御毛が確認できます。鉢受けに潜んでいるボウフラたちは、しきりに沈殿物を食べていました。その沈殿物をちょっと覗いてみました。図４　：　沈殿物見慣れないと何が何だか分からないと思いますが、これは微生物や有機物の塊です。去年飼育していたボウフラが共食いをしていたことから、ボウフラは肉食寄りの雑食のようです。----------

  2011.09.14

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  はにかむ蟻地獄　---水中の髭ダンス---

  今夏で、５匹のアリジゴクが成虫になりました。図１　：　アリジゴクマンションビオトープができるまでの仮の宿は、スペースの効率化を図りハチの巣に。図２　：　ウスバカゲロウふわふわと飛ぶ姿は、他の昆虫には見られない怪しさがあります。図３　：　大したすね毛飛ぶ姿とは裏腹に、昆虫らしいハンサムな顔立ちをしています。庭へ放つと、ふわりふわりと飛んで行きました。----------『ボウフラに角がある！』　というコメントを頂きました。そのチャーミングな角をよく観察したい！　という方の為に用意したこの一品。ご堪能ください。図４　：　楊枝でしょうか。　いいえ、ボウフラです頭部先の内部に透けて見える、対で『く』の字型になっている黒い部分は、口です。ちょび髭を動かして、有機物を口に運びます。----------

  2011.09.13

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  ミクロの世界　---切るも切らぬも逢坂の関---

  どうもこんにちは。再開いたしますので宜しくお願い致します。----------今夏は昨年に比べて蝉が多かったです。どこにいたのかと思う程、あちこちで脱皮をしていました。昇りそこねて地べたを這いまわる幼虫を見つけては、網戸にくっつけて楽しみました。----------さて、今後は何を覗こうか思案中です。そんなことは自分で考えるべきなのですが、意見を募集するのも大変参考になります。そんなことを考えながらも、とりあえず撮りたての写真を掲載いたします。言うまでもなく、夏のアイドル『ボウフラ』です。あどけない顔を見て分かるように、若い個体です。ムシトリスミレの受け鉢に潜んでいたのを採取しました。観察後は再び戻して、大きくなるのを待ってからメダカにあげます。----------

  2011.09.11

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  実はシャイなんです　---砂があったら入りたい---

  はてさて、この虫の正体は・・・図１（再掲）正体は、里芋モンスター　・・・ではなく、アリジゴク　（ウスバカゲロウの幼虫）でした。----------テラスを取り壊す際に憂慮したことは、テラス下のアリジゴクの事でした。テラス下は雨が入らず、また長い月日で運ばれてきた砂が吹き溜まり、ちょっとした砂漠のようになりました。そして、いつしかそこにアリジゴクが住み着くようになったのです。テラスを取り除いてしまうと、乾燥した砂地を好むアリジゴクは雨で溺れてしまいます。こんなコンクリートジャングルに偶然湧いたビオトープを、みすみすつぶしてしまうのは忍びませんでした。小さいときに飼育していたので、愛着もあったのです。そこで、アリジゴクを一時的に救出することにしました。----------おっとっと。思いのほか数がいたので、シャーレ一つでは足りませんでした。図２　：　一時避難所１匹ではゾクゾクしても、１００匹集まればワクワクさ大小様々です。１センチ越えのもいれば、５ミリに満たない個体もいます。一見すると堅そうな外皮ですが、実はぶよぶよです。指でつまむのはなかなか難しいです。アリジゴクはあまり活発的ではなく、土から出してしまうとおとなしいものです。隙を見て、じりじりと砂の中に潜っていきます。図３　：　仮設住宅一時的な避難所として、発泡スチロールケースを使用しました。図３にアリジゴクをのせて、一晩経つと・・・図４　：　月の砂漠う～む。　芸術です。図４では２４匹確認できます。新たなビオトープができるまで、しばらくここで退避です。いくつか、こんなものもありました。図５　：　サナギの砂団子アリジゴクはサナギに変化する際に、尻から糸を出して砂団子を作ります。一ヶ月も経てば、ここから薄馬鹿下郎・・・もとい、ウスバカゲロウが出てきます。アリジゴクの話もなかなかに面白い話なのですが、長くなりましたので今回はここまでにいたします。----------御指導いただいた皆様方、ありがとうございました。次回の更新は夏明けになります。　陽炎や　足踏み外し　砂の鉢　　　　

  2011.05.31

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  謎の生物　---お休み前の更新---

  地震の影響で筑波研究学園都市は甚大な被害を受けました。ぐにゃぐにゃの道路はひび割れ、陥没しているところもありました。今は随分と復旧が進んでいますが、施設はまだのようです。そんな高級施設もさることながら、清貧に甘んじているＭＡＳＡラボでも影響を受けました。崖に設置したテラスが地震の後で、じわりじわりと動いていたのです。ある日気が付くと、地面との接触部分が３センチほど離れているのに気がつきました。見つけたときはヒヤリとしました。鉄筋コンクリート製なので大丈夫だと思っていましたが、どうやら地盤が傾いたようです。しばらく様子を見ていましたが、確実にすき間が大きくなっていくのを確認したため、取り壊すことにしました。ここで、憂慮する事が・・・（続く）----------さて、ここで久しぶりのクイズです。図１の生物は何でしょうか？図１下に敷いているのは方眼紙です。----------

  2011.05.30

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  忘れたころにやってくる　---再掲図---

  残念なことに、ブログに掲載できるような楽しい画像がないので、人気があったであろう（と妄想している）過去の画像を再掲いたします。----------思えば、ブログを始めて最初に載せたミクロの世界はこれでした。図１　：　姫足長ムシトリスミレの花毛ムシトリスミレは葉に粘球をつけた毛を持った食虫植物です。その花が咲いたので覗いてみたところ用途不明の毛を発見いたしました。その名称はないようなので、チャンスとばかりに勝手に『花毛』と命名しました。花毛が図鑑に載るのが楽しみです。（はたして載るのか？）図２　：　ナガバノモウセンゴケモウセンゴケも食虫植物です。そこに生えている粘球を昆虫目線で捕らえたのが図２です。とても気に入りの画像です。適当に英文のセリフ入れて、Ｔシャツに印刷したら売れるでしょうか？　自分は絶対買いませんが。図３　：　エルモアティシュー200W5P（カミ商事株式会社）そういえば、各種のティッシュペーパーを覗いたこともありました。どんなふうにティッシュペーパーが作られているのか、これでおおよその見当が付きました。ティッシュ、またはティシューのどちらが一般的なのでしょうか？自分は前者ですが、後者は何だか気取っているような感じがします。シュー・ア・ラ・クレ～ムを召しあがりの際は、ティシューをどうぞ。図４　：　ボウフラ夏のアイドル、ボウフラです。皆、血相を変えて追いかけるそのキュートな出で立ちは、背筋を冷たくするので夏にぴったりです。ひょんなことから、ボウフラを卵から育ててしまったので、その時期のブログはボウフラ一色だった記憶があります。賞賛とクレームと文句と苦情が多かった、夏の思い出です。まだ載せていない、恐らく世界で最初であろう写真があるのですが、ちょっとここではサイズに制限があるので載せられませんでした。図５　：　蚊の口吻いわゆる、蚊の針です。蚊の口吻は肉眼で確認できるあの針ではなく、その針の中にあります。鞘に収まった注射針。蚊の武器は仕込み針だった！その先端も工夫満載で、皆大騒ぎでした。（たぶん）図６　：　蚊の口吻　先端先端はギザギザになっており、これで皮膚を削って中に差し込みます。太さは髪の毛の約半分です。図７　：　ハエトリグモとカマキリ　早朝、庭に水をまいているときに発見した大捕物です。恐らく蜘蛛の方がカマキリに襲いかかったのだと思います。蜘蛛の単眼の迫力は必見です。図８　：　大食いゾウリムシ　ゲップの図どこの世界にも買い占める輩がいるようで、このゾウリムシもしこたま『うまい棒』を飲み込んでいました。思わずゲップをしたのが図８。図９　：　紫玉ねぎ　表皮紫玉ねぎでサラダを作っているときに、細胞ははたして何色なのか？と気になり覗いた画像。１つとして同じ色がない細胞に感動しました。こんなにも様々な紫があるとは、知っているようで知らなかった。図１０　：　知りたい　そんな世界は素敵である最後は、気に入りの一枚。『エ～シ～』　と、最後に言いたくなるのはご勘弁を。----------今まで、多くのご教授ありがとうございました。直接顔を合わせないネットの世界は初めてで、いまだ戸惑っておりますが、本当に親切にしてくださり、とても感謝しています。ブログはまだ続ける予定ですので、覗いてほしいネタがありましたら是非教えてください。（現在、残っている宿題はセンブリとカワラナデシコです）疑問、質問、いちゃもん大歓迎です。----------

  2011.04.24

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  裸に鎧は冷たい　---嗜好の違いが種類の違い---

  動物プランクトンは動き回るので、１匹でもずいぶんと目立ちます。ゾウリムシが相撲取りなら、ワムシはさながら鎧武者です。図１　：　オケワムシの仲間下側に見えるトゲのようなものは、トゲではなく２本の足の指です。１本に見えますが閉じているだけです。足の指は、じゃんけんのチョキのイメージでしょうか。その指で何かを挟んで、身体を固定するのです。----------水苔というのは見た目では区別ができませんが、ほぐしてみると存外と形が異なるので面白いものです。図２　：　ユレモの仲間このユレモは超拡大して観察しているにもかかわらず、この濃緑色です。そのままの見た目はカラスの濡れ羽色でした。ちなみに、０．１ミリメートルはほぼ髪の毛の太さと同じです。思えば、以前日の当たらない鉢受けで採取した謎の細長い微生物は、ユレモの抜け殻なのかもしれません。再確認いたします。図３　：　ヨツメモの群生う～ん。　これだけ集まると楽しいものです。カエルの卵ではありません。１つ１つがゲルにくるまれており、それが４つ集まりまたゲルにくるまれています。直接、接触はしたくないのでしょうか。ずいぶんと潔癖症な微生物のようです。------------------------------飛行機から見た被災地は、巨大なへらでこそげとったように黒く消えていました。見るに耐えず、気が付けば泣いていました。神戸大学の石橋教授は、１４年前に「原発震災」という、地震により原発が冷却できなくなり炉心融解に至る危険性を指摘した論文を発表しました。しかしそれは、可能性が低いゆえに取り上げられることがなく、備えなしに原発は建設されました。そして論文の通り、最悪のシナリオになりました。偏屈で、意固地で、自分勝手で、専門バカである研究者の言うことなんぞは、お金にならなければなおさらのこと、大方はまともに傾聴しません。確かに研究者は押し並べて、偏屈で、意固地で、自分勝手で、専門バカですが、そんなことを研究しているのは彼ら研究者だけであることを、もっと広く知って欲しいのです。地震大国の日本が、お金がかかるからという理由で備えをしないのは愚行です。科学技術は日本が生きていく生命線の１つであることを、馬鹿なマスコミはもっと広く広めなくてはいけません。もうひとつ衝撃だったのは、世間が放射線の知識をあまりにも知らなすぎることでした。原子爆弾が投下された国の国民としては信じられません。教えてもらってないから知らないという態度が、無知な国会議員が世に出る原因の１つであると自分は信じて疑いません。------------------------------・・・原発付近の微生物を採取して、長期観察したいものです。

  2011.04.23

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  ミクロの世界　---人間は地球の微生物---

  図１　：　イカダモ図２　：　一戸建て　図３　：　テトラスポラ----------

  2011.03.26

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  ミクロの太陽　---毛先よりも小さな世界---

  自慢のヒゲを他の微生物にひっかけたクラミドモナスが、もがいていました。図１　：　クラミドモナスの不運大粒の方がクラミドモナスです。図１では確認できませんが、小粒の微生物にクラミドモナスのべん毛が絡んでいます。こんな間抜けな状況を見たのは初めてです。クラミドモナスのべん毛は、人間でいう所の脚なので、毛だから引っこ抜いて逃走・・・というわけにはいかないようです。たかが１本。されど１本。波平さん以上に貴重な毛なのです。　図２　：　太陽虫の仲間この微生物は、有軸仮足（ゆうじくかそく）というトゲのようなものを生やしています。その姿から　『太陽虫』　という名で呼ばれています。よ～く目を凝らして図２をみると、放射状のトゲの影がうっすらと確認できます。太陽虫は有軸仮足を器用に動かして、するする～っと泳ぎまわります。今後は、有軸仮足も写るように工夫したいと思います。ぼやけているのは動いていたためです。----------明日からしばらく更新が出来なくなります。再開予定は３月末ですので、よろしくお願いいたします。

  2011.03.10

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  先人のつぶやき　---微生物みどろ---

  クラミドモナスがミドロのそばをうろちょろしていました。ミドロの左端にいる、緑色の２粒がそうです。図１　：　ヒビミドロの仲間肉眼ではゴミのように見えていても、拡大すると様々な構造物が確認できます。小さいのに細工がとても細かいところが微生物の魅力でしょうか。----------一際長いミドロがいました。図２　：　サヤミドロの仲間このミドロはたっぷり２ミリメートルほどありました。拡大したものが図３です。図３　：　ミクロの屋久杉横のミドロと比べると、ずいぶんと太さに差がありますが、同じ種類かどうかは培養してみないと分かりませんが、別種だと思います。ミドロ界のチワワとセントバーナードでしょうか。何かにまみれている状態を『みどろ』といいます。まだ微生物が知られていなかった昔は、これらが水面に浮いている状況を見て　「この、青みどろは何だろう？」と言っていたのでしょうか。----------

  2011.03.09

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