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カテゴリ:用語与太話
円周率はπという記号で表し、『パイ』と読みます。
なんとお洒落な記号なのでしょうか。 これはギリシャ文字ですが、このパイは漢字にも入っています。 さてその漢字は何でしょうか。 思わずプチクイズにしてしまいました ---------- 円周率が3であると、一体どうなるのかというプチクイズでした。 まず、正三角形を考えます。 正3角形を6個集めると、正6角形ができます。 正6角形の対角線が2センチなら、 正6角形の周りの長さは6センチであることがわかると思います。 また、直径が正6角形の対角線と同じ2センチの円を考えます。 驚いたことに、円周率を3にすると、 正6角形の周と円周が同じという結果になります。 図3 : 左側も円だって? 円周率3.14 のわずか 0.14 を省いただけで、受け入れがたい結果が出てきます。 たかが小数点の計算を省くために、円周率を3にした行為は学問の歴史上稀に見る愚行です。 日本人は歴史的にも数学を愛でた民族ですが、いつからその感性を忘れてしまったのでしょうか。 突然ですが、鈴虫とコオロギの鳴き声を聞き分けられるでしょうか? それくらいわかって当然と思うかもしれませんが、それは日本人だからです。 欧米では虫の音を楽しまない為、両者を聞き分けられる人はわずかです。 京都の料亭でアメリカのスタンフォード大学の教授が、日本料理に舌鼓を打っていると、 そこに鈴虫の鳴き声が聞こえてきました。 店の人はさぞ楽しんでくれるだろうと思ったのもつかの間、教授が一言 「あのノイズ(騒音)は何だね?」 日本人は独特の感性を持っており、それは江戸時代に数学(和算)が流行ったことからも分かります。 一般人が現在でいうところの三角関数や微積分を理解し、また問題を楽しんで解いていたとは今では考えられない話です。 数学の問題を解いた喜びが、『算額』という文化を生み出しました。 算額とは数学の問題(もしくは解答も添えて)を板に書き記し、神社仏閣に奉納したものです。 神社仏閣に奉納された算額を読んだ人々が、個人でまたは集団で問題に取り組み その解法をまた奉納するのです。 解いている最中に、何か面白い事に気がつけばそれをまた問題として奉納し、 解いちゃあ奉納し、問題を作っちゃあ奉納していたのです。 「楕円の問題なら魚屋の定吉、2次曲線なら梅っつぁんが得意だね」 なんて言っていたかもしれません。 こんな文化は世界にも例がなく、重要文化財や民俗文化財に指定されている算額もあります。 外国人と話すために外国語を学ぶように、自然界と話すために数学を人は学びます。 数学とは自然界の言語なのです。 日本人はいつしか自然界の声を聞く事を止めました。 そして虫の声を聞くのを止めたとき時、日本人は絶滅するのだと思います。 ---------- 気がつけば話が脱線しました。 円周率は3.14でもかなりの精度を持っており、かなりの精度を必要とする 人工衛星の軌道計算でさえ3.14159 というわずか小数点5ケタの値を使用しています。 3 と 3.14の大きな違い。 わずかな違いが大きな違いを作る自然の不思議。 ガッテンして頂けましたでしょうか? ---------- 【おまけの画像】 図4 : 微生物ネット 前回の、イカダモを捕らえていたものはミズゴケでした。 下側左寄りにイカダモがいるのが分かるでしょうか。 プチクイズの解答もよろしくお願いします (続く) ---------- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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