トドのつまりは･･･

「PlayStation Network」に不正アクセス、アカウント情報漏えいの可能性

「PlayStation Network」の情報漏えい問題が、IT系ジャーナリズムを超えて、テレビや新聞でも取り上げられているようだ。

ただ、「ソニーが個人情報漏洩で、やらかしてしまった」というスタンスに留まる取り上げ方の番組や記事が多いのが、気になる。
まあ、その元になったIT系ネットメディアの記事自体が底が浅いのだから、仕方ないのだが。
それでも、ソニーも素人ではない。あんたがたマスメディアなんかよりは、しっかりした知識も技術もあって、なおかつ、それより強力な攻撃でハッキングされたのだ。
のんきにソニーを嘲笑していたら、次は、あんたがたマスメディアがやられるよ。その時は、自らを甘く自己弁護するような報道をするなよな。

さて、今回の情報漏洩は、ソニーの初歩的な落ち度というよりは、ソニーが組織的なサイバー犯罪の餌食になったという色合いが強いのだが、犯行側組織について取り上げないことが大いに不満だ。

今回の犯罪を起こしたハッカー集団「Anonymous」は、内部告発サイト「WikiLeaks」へのサービスを停止したクレジットカード会社を、攻撃したことでも有名だ。
単に、愉快犯として、ソニーを攻撃したのではあるまい。
まず、なぜ彼らがソニーを攻撃したのか、確固とした理由が存在するはずであり、なぜその点からしっかり取材しないのか？
マスメディアの怠慢はひどいものがある。

今回のハッキングの原因になった元々の事件は、おそらくこれだろう。

ソニー、PS3のプロテクト解除したハッカーを提訴

SCE米国法人、PS3ハッカーに対する訴訟で和解

ハッカー集団「Anonymous」がソニーを攻撃　PS3のロック解除めぐり

ソニーが、PS3ソフトのプロテクトを解除する方法を公開したジョージ・ホッツやハッカーグループFAIL0VERFLOWなどを訴え、当事者間では一応和解はしたらしいのだが、「Anonymous」が、「自社製品の仕組みに関する情報を検閲するための司法システムの乱用」とし、ソニーは「情報を所有し、共有したというだけで自らの顧客を不当に扱っている」と批判していた。
また、「情報は自由だ」と主張し、「われわれは許さない。われわれは忘れない。待っていろ」と宣戦布告していたらしい。

自分たちの主張が通らなければ、問答無用の攻撃を仕掛けるサイバーテロ集団。
「WikiLeaks」絡みで主張した「情報は自由だ」というメッセージも、政治の裏側に隠された悪事を暴くという趣旨では、一定の理解を得られたかもしれない。
しかし、私企業のビジネスの分野まで踏み込んで主張し始め、実際にハッキングした個人情報を悪用することで、自分たちの主張を通そうとするなら、さらなる覚悟が必要だろう。
それは、彼ら自体の情報が丸裸にされる覚悟だ。
彼らがサイバー空間で、自分たちの情報を秘匿しながら強大な権力を振るうなら、「情報は自由だ」という主張は、自分たちにも適用しないと、自己矛盾があるからだ。


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