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2005.06.22
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カテゴリ:観音様
普段なら立ち寄ることもない街に用事があった。
繁華街と住宅街の狭間にあるその街の駅周辺は、
ビルとアパートと戸建てが入り混じって、
どっちつかずな空間。
用事はきっちり1時間で済み、時間は午後0時。
駅に戻る道を歩いていると、
ぽつんぽつんとケーキ屋やレストランがあり、
路地に入る角に周りとは異質の建物が現れた。

扉は重そうな木戸。塗り跡をわざと残した壁。
何かの巣穴のようにも見える。
看板から、どうやらここが
イタリアンレストランらしいことがわかった。
しかもランチタイム。

勇気を出して扉を開けてみると、
中には近所の人らしい先客が一組のみ。
丸い顔をして難しそうに料理を作るコックさんと
丸い顔をしてにこやかに席に案内するコックさんのふたり。
兄弟なのか、とてもよく似ている。

私は一番壁際のふたりがけの小さな席に通された。
照明はほとんどない。
かわりに小さな窓から光が差し込む。
巣穴のように見えた壁の内側は、
塗りっぱなしででこぼこしていて、洞窟のよう。
興味津々でぐるりと店内見回し、
視線が自分の手元に戻ってきたとき、
壁のくぼみに置かれたマリア像に気づいた。

輸入雑貨店に行けばどこにでもありそうな品物。
だが、薄明かりのなかで遠くを見つめるその姿が
なんともはかなくて、しばしぼぅっとしてしまった。

昔、ヨーロッパを海外旅行したとき、
普通の街に普通に教会があり、普通の時間に普通の人が
ふらっと立ち寄り祈って帰る光景を見て、驚いたことがあった。
教会の中に入り、マリア像を見上げて手を組めば、
一瞬にしてあっちとつながってしまう、あの不思議な感覚。

ランチは冷たいパスタとミネストローネ、
マロンケーキにアイスコーヒーのセット。
こちらもごくごく普通の町のレストランの味だったんだけど、
マリア像のおかげで、
異国の教会を訪れたような気分になれて、
昼時のちょっとしたトリップだった。





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Last updated  2005.06.23 02:43:55
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