カテゴリ:♪本の覚え書き♪
奇跡のような出会いから、清瀬灰二(きよせはいじ)と蔵原走(くらはらかける)は無謀にも陸上とかけ離れていた者たちと箱根駅伝に挑む。それぞれの「頂上」めざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた、超ストレートな青春小説。 新庄はず~っと言い続けていました。「野球を楽しもうよ」と。 中日のナゴヤドームで、硬さから抜け出し早く楽しめたほうが勝てるに違いない。 そう感じるプレーを見たばかりだったのでこの本は心から惹きこまれ、こうであってほしい、こうでなければ、と読み進められた本でした。 ただただ忍耐で、厳しい練習と努力の上に勝利はある…なんてそんな練習はもういいなぁ。と思っていた私にはすんなりと読めた一冊でした。 こんな書き方をするとおふざけ物語のように感じてしまうといけないので、ちゃんと記しておくと、とってもまじめです! しをんさんのユーモアたっぷりな会話やそれはそれは特徴ある登場人物の描き方によって、駅伝という練習からただただ苦しく単調的な運動が、全編において明るく前向きにすすんでゆきます。 走(かける)という走りの天才と偶然出会うことにより清瀬は大学入学のときからの夢だった駅伝の頂点を目指します。 10人いなければ成り立たない駅伝。そのために清瀬は3年をかけて仲間を密かに集めていたのです。それもそれぞれには気づかれることなく(笑)。 仲間の中にはまったく走った経験のないものもいるのですが、清瀬の目は隠された才能をみ抜いていてそれぞれがマンガのように進歩してゆく姿は痛快です。 駅伝の大変さを知っている走は安易に駅伝を目指すことを承諾した彼らに「苦しい練習にすぐあきらめるだろう」と読んでいる私とまったく同じ予想をします(笑)。 きっとどこかでそれぞれに「頑張ろう」というきっかけになるような出来事が起こってくるのだろうと。。。 ところがしをんさんはそんなよくある方法では物語を展開させていないのです。 すごいなぁ。 おかげでさわやかな風に包まれるように読み進んでゆけます。 手に取るととても厚みのある本なのですが、もっと彼らの話を読んでいたかった。 自分の得意とするところを自然に引き出してくれる人と出会えたらいいなぁ~♪ そう思ってしまう本でした。 そしてそしてこの表紙がとても楽しいのです♪読み終えてなおこの本の余韻にどっぷりとひたれるものとなってます。 ぜひ文庫ではなくこのほんのままの購入をおすすめします 来年はぜひゆっくりと箱根駅伝を見てみたいものだと思うのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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