|
カテゴリ:健康
現代特有の病といわれると、物質的に豊かになり、その反面精神的なストレスは高い状態が続く事からくる生活習慣病が思い浮かんできます。生活習慣病の典型的症状となると糖尿病や高血圧、動脈硬化などが上げられるのですが、その中で少なくとも動脈硬化は現代病の生活習慣病ではない事が示唆されています。
古代人の遺体を当時としては可能な限り最良の方法で後世に残したものとしてミイラの存在があり、ミイラというとエジプトのミイラが特によく知られています。そのエジプトのミイラにも動脈硬化の形跡が見られ、少なくとも古代にも動脈硬化が存在していた事が判ります。 エジプトにおいてミイラとして保存されるのは非常に高貴な人に限られ、贅沢な生活が可能であった事から現代病を発症する可能性がある生活を送っていた事も考えられます。そのためエジプト以外の地域のミイラも同様の手法で分析する様にして、地域的、文化的、歴史的な影響を考慮に入れた研究が行われています。 紀元前3100年~紀元384年の古代エジプト人、紀元200年~1500年の古代ペルー人、紀元前1500年~紀元1500年の古代プエブロ人、紀元1756年~1930年のアレウト族とそれぞれ時代や地域が異なる137体のミイラを対象にCT(コンピューター断層撮影装置)を使って全身の観察を行ったところ、動脈の壁に石灰化した脂肪やカルシウム、細胞の死骸などでできた塊であるプラークが観察され、時代を問わず動脈硬化が存在していた事が判ります。 それらは生活背景よりも年齢による影響が大きい事が示され、動脈硬化が見られないミイラと動脈硬化が見られるミイラの平均年齢の差は10歳ほどとされています。動脈硬化が見られたミイラの中でも、年を重ねるほど症状や発生個所が顕著になる事から、動脈硬化は加齢に伴う症状という見方をする事もできます。 4つの地域ではそれぞれ主食となる穀類や生活習慣が全く異なっていて、生活習慣が動脈硬化を発症させているのではない事が理解できます。現代においては人は血管と共に年を取るといわれますが、それは古代においても変わらない普遍的な事であったという事なのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年03月26日 07時54分13秒
コメント(0) | コメントを書く |
|