テーマ:東日本大震災(130)
カテゴリ:環境・自然災害
大規模災害では、電気、水道、ガス、通信などの生活の基盤となるインフラが破壊される。 その中で比較的早期に再開されるのが、電気。 被災していない西日本の発電所から電気を送ることが検討されたが、変換設備の容量に限界から想定された不測の電力量はまかないないと、東日本エリアで、計画停電の実施や節電の依頼となった。 想定したような不足、電力品質の低下は発生しなかったが、いざというときに東日本と西日本との電力を融通する仕組みが求められた。 あれから10年たった2021年3月、電力を融通する仕組みである「飛騨信濃周波数変換設備」が稼働を開始した。 北海道から九州までの電力系統は、すべて送電線でつながっている(全国基幹連系系統)。 変換設備と送電網とが一体となって、電力会社の垣根を超えた電力融通、安定供給、発電設備の効率的運用が可能となった。 HITACUI 社会イノベーション 2021年6月8日 周波数の異なる 東日本と西日本の電力融通を可能に 「飛騨変換所」が運用開始 中部電力パワーグリッドは2021年3月、周波数の異なる系統連系を可能にする飛騨信濃周波数変換設備(以下、飛騨変換所)の運用を開始しました。建設されたのは岐阜県高山市で、そこから89キロメートル離れた長野県にある新信濃変電所(東京電力)と結ぶことで、東日本と西日本の間で電力の融通ができるようになります。 この飛騨変換所に導入されたのが、日立製のHVDC(高圧直流送電)システムです。これにより、周波数の異なる電力系統間をつなぐことができるようになり、地震などの大規模災害のときに、電力が不足しているエリアに大容量の電力を供給できるようになります。また、長距離送電にも適しているため、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及につながることが期待されています。 HVDC(高圧直流送電)のメリットとは 日本の発電事業は、明治時代にアメリカとドイツから発電機を輸入したことに始まります。そのときの発電機の規格の違いから、現在も西日本では60ヘルツ、東日本では50ヘルツと周波数の異なる電気が使われています。そのため西日本と東日本の間で電力を融通しあえるようにするには、変換装置によって電気を交流から直流に変え、さらに周波数を変化させる必要がありました。 それを可能にするのが、飛騨変換所に採用されたHVDC(高圧直流送電)と呼ばれるシステムです。HVDCとは「High Voltage Direct Current」の頭文字をとった言葉で、送電を高電圧の「直流」で行う方式を指します。「交流」による送電に比べて、送電途中に失われる電力が少なく、長距離でも大量の送電ができるうえ、周波数が異なる系統をつなぐことにも適しているという特長があります。 再生可能エネルギーの普及に向けて こうして稼働が始まった飛騨変換所。周波数の異なる電力の融通を可能にするだけでなく、再生可能エネルギーの普及にも期待が高まっています。 国内では、風力発電やメガソーラー発電など、再生可能エネルギーの大規模生産に適した地域と、電力の大量消費地である都市部が、かなり離れた場所にあります。そのため、再生可能エネルギーを消費地に送るためには、長距離の送電網が必要となります。 また、近年広がりを見せる洋上風力発電をさらに拡大させるには、海底ケーブルによる長距離の送電が求められます。そのような再生可能エネルギーの長距離送電に、HVDCが威力を発揮するとみられています。 ― 引用終り ―
2018年9月6日の「北海道胆振東部地震」発災による大停電・ブラックアウトには間に合わなかったんだね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年08月31日 06時00分10秒
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