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カテゴリ:外来診療一般
さて本日11月25日、日本を代表する点眼薬メーカーの参天製薬から、アレルギー性結膜炎の大型新薬であるアレジオン点眼液が発売されました。未確認情報では、このお薬、実は以前は他の会社が点眼薬にしようと思って頑張っていたのですが、どうしてもうまく溶けず目薬に仕立て上げることが出来ずに投げ出し、それを引き取った参天製薬が無事に開発完了したという話です。「クスリを溶かして目薬に仕立て上げる」技術では世界一と言われる、参天製薬ならではの目薬ですね。
ところで、アレルギー性結膜炎の治療では副作用が少ない「抗アレルギー点眼薬」が第一選択なのですが、その中には実はたくさんの目薬があります。
ただ、実際の臨床の現場では、かゆみに即効性を持つ抗ヒスタミン作用のある「ヒスタミンH1受容体拮抗薬」の中で最強のパワーを持ち、現在アレルギー点眼剤で売上ダントツナンバーワンのパタノール点眼液(日本アルコン社)がpHが中性で点眼しやすく、また実際の効果も図抜けており、
実際には1人勝ちでライバル不在の状況でした。
そんな中、今回発売になったアレジオン点眼液は、その現役最強のアレルギー点眼薬「パタノール点眼液」と肩を並べる薬効を持っています。更に目に様々なダメージを与える防腐剤の濃度もパタノールが0.01%(これでも十分に低くて安全)なのに対し、アレジオンはその3分の1の0.003%と極限の低さを誇っており、日本のメーカーらしい細やかな配慮が行き届いた目薬となっています。また内服薬のアレジオンは効き目が長いことで知られており、もしかすると点眼でもその長所が受け継がれているかもしれません。
アレジオン点眼とパタノール点眼では実際にはどちらがより優れているのか、「アレルギー性結膜炎点眼薬、頂上決戦」がいよいよ始まります。楽しみですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.11.25 19:53:14
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