「歴史と文学」
ブログを書こうと投稿ページを開いたら…「最近ハマってる芸人は?」という広告が出てきた。「日本共産党!」と答えそうになってしまった。さて、昨日の近現代史勉強会が始まる前、九大のT君が、「最近『歴史と文学』を読み直したら、言ってることが前よりすごく分かって嬉しかったです」と報告してくれた。「歴史と文学」というのは、今年の3月のmai place読書合宿で読んだ小林秀雄の「考えるヒント3」(文春文庫)に収録されている作品だ。あの時は、FUNの学生には歴代トップ5に入るくらい人気がある「美を求める心」(同じ本に収録)の影に隠れて目立たなかったが、「歴史と文学」も同じ思いが込められた作品である。もっともこちらは、芸術論ではなく、歴史論なのだが、唯物史観の弊害と、ありのままに歴史を見つめる素直さを説いていて、講演録ではあるが、何度も読める深さがある。T君は最近、卒論のために無数の本を読んでいて、その報告も実に素晴らしいのだが、「歴史と文学」は、卒論の理想の一つになるのではないだろうか。近現代史勉強会に参加している皆さんは、今読めば、きっと「なるほど!」、「そうか!」と膝を叩きたくなるような喜びを得られると思うので、ぜひ読んでほしい作品だ。それにしても、学生時代に竹山道雄、福田恒存、小泉信三、田中耕太郎…を理解できるとは、すごい。私はそういう本をけっこう早いうちから読んではいたが、今の学生ほど深く、具体的に理解することはできなかった。本当の面白さが分かりだし、求めて買い続けるようになったのは、働き始めてからのことである。女子大のM園さん、I元さんの理解力もすごい。理解力以前に、感性が素晴らしい。K牧さんは昨日は来れなかったが、熱い思いは随一だ。薩摩藩士・M君も、共産主義の「ラビリンス」から抜け出しつつあるようである。春に、自宅に「はだしのゲン」全巻があることを思い出した時の表情が、そろそろ懐かしい…。九大の院生のN君も、「やるぜ!」と言う、最近サークルでひそかに噂されている気合いを見せてくれた(実は、誰かがひっそり写真を撮っていたが…)。中村のNさん、西南のIさんも、意見がどんどん具体的になってきたし、とにかく、継続の姿勢が素晴らしい。今年から参加した学生も、どんどん読みが深くなりつつある。ビジネスカフェのリーダーになったI君は、歴史の枠を超えて、各文献を自分の鏡のように読んでいる。西南のH君は、これない時も自分で文献を買って読むほどの気合いの入れようだ。九大のO津君は、最近書評は控え目のようだが、グループワークの意見が深くなってきた。成長著しいのは、戯曲で「筋トレの人」のように描いてしまった九大のM君で、昨日の感想は、ハイエクの「隷属への道」と同じ事を言っていた。春は「自称ほつみ」と言っていたのだが、最近は読み方も深く、捉え方が切実で若者らしいと感じる。みんなが休まず、楽しく参加できているのも、きっと、福大のMさんとT君が、みんなのために気を配って、色々と準備や勉強会を頑張っているからだろう。どんどん底上げがされてきて、まるで、去年の近現代のような一体感が生まれつつある。去年参加していた8人、つまり…ソフトバンクのH君JFE商事のK君キヤノンのM君旭化成ファーマのN君日本アジア投資のTさん三井住友ファイナンス&リースのTさんキャリアデザインセンターのAさんノエルのHさんは、いつも欠かさず出席し、歴史や古典の本を買いまくっていた。「08」の資料を真っ先に欲しいと言ったのも、実はこの8人だった。そして、この8人と卒業の3月に、読書合宿で一緒に読んだ作品が、『歴史と文学』だった。私は立場上、サークル運営に関する意思表示やお願いはしないが、たった一つだけ願い事を言えるとしたら…「今からでも遅くはない。近現代史勉強会に参加せよ。参加すれば、サークルが二倍楽しくなるぞ。おまへたちの先輩は、おまへたちが成長するので、喜んでをるぞ」と言いたい(二・二六事件風…)。実は去年も、ソフトバンクのH君以外は、皆、夏からの参加だった。だから、本気で学ぶなら、まだ十分間に合うと言っておこう。ほんとは、腹の中では、「FUNゼミはカローラで、近現代はベンツだってのが、分からないのか!」と思ったりもするのだが、それは言わない…。ちなみに、読書合宿はレクサスだ。来年からの参加を楽しみにしている1、2年生は、まだ授業やバイト、それぞれの活動で忙しいのでよいとして、4年生はもう、後がない。だから、どうしても参加してほしい。来続けてほしい。『歴史と文学』に感動したら、ぜひ来てほしい。『歴史と文学』が理解できなかったら、ぜひ来てほしい。要するに、とにかく来てほしいということだ。全66文献で5,300円。1冊80円分だ。自分で買えば27万円もする。しかも、もう、大半が売ってない。モノの価値とタイミング、そして学生時代の大切さが分かる人は、ぜひ、一緒に学ぼう。意義は卒業後に分かるだろうから。ということで、最後はPRっぽくなったが、昨日のT君の報告は嬉しかった。