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2005.02.05
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宮城音弥『精神分析入門』(岩波新書)読了。宮城さんは先日(2004.12.2)紹介したラッシェル・ベイカーの『フロイト』の訳者。

本書の前書きにおいて、著者は「精神分析の分析」を行ったと書いている。本書は、特にフロイトの精神分析を中心に、いろんな学者の見解などを整理している。
フロイトといえば、「性」をとかく強調した人物だと認識している。こうした、性の概念を拡大した理論は、「汎性説」と呼ばれる(9頁)。性の心理については、第四章で詳しく論じられている。

本書では、精神分析家たちが扱ったケースがいくつも例示されていて、興味深い。水を飲めなくなった女性の例は、たしか高校生の頃英語のテキストで読んだはず。
「われわれは、ふつう他人を傷つけるのを恐れる。憎い人間だと思っても殺せない。法にふれるからというのではなく、本心から他人を殺傷するのは恐い。これは一般の人々では、心の内部にコドモ時代から道徳のブレーキがつくられているからであって、無意識的だからである」(164頁)。なるほど、そういうことか、と思った。

でも、他人を傷つける人はいる。

ここで、弁明をさせていただきたい。私の日記は、善悪二元論的であるという指摘があった。自分ではそういうつもりはなかったのだけれど、『哀しい予感』の感想などを読んでいると、自分でも、そう思われても仕方ないな、と感じた。

しかし、私は純然たる善人や純然たる悪人の存在を信じているわけではない。他人に対して一度も不快な思いを抱かせたり、傷つけたりしたことのない人はまずいないだろうし、どんな犯罪を犯して捕まった人だって、一生の間に少なくとも一度は誰かに感謝されることをしているはずだ。

その上で、「人を傷つける人はいる」と言いたい。実際いるのだから。私が感情的になっているのは、まだ入院するほどに傷ついた気持ちの整理がいまだについていないからということは認識している。でも世の中、やっぱりいやな気持ちにさせられる出来事に満ちていると思う。もちろん、とても素敵な出来事もある。ああ、なにを言いたいのだろう…。二元論的な思考は危険だとは認識しています。それでも、人を傷つける人(この言葉をどう捉えられるか、が問題なのかもしれませんね)はいて、それが自分には辛い、ということ、です。もちろん自分自身が、知らないうちに他人を傷つけてしまうこともありえるわけで、人間って難しいと思う。攻撃性や犯罪については、158-159頁(フロイトの理論)、193-196頁(アードラーの理論)などが参考になる。アードラー心理学の中心的な考えは、「劣等感」であるとのこと(186頁)。

ユングについては177-184頁。彼の「集団的無意識」という概念は知っていたが(異なる国の神話に同様のモチーフが現れる、など)、彼の性格学のことは知らなかった(たとえ何かで読んだことがあっても忘れていた)。

たくさん(でもないかな)付箋を貼った。勉強になった。心理学は面白い。





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Last updated  2007.08.19 18:45:29
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