カテゴリ:本の感想(あ行の作家)
有栖川有栖『モロッコ水晶の謎』 ~講談社ノベルス~ 「助教授の身代金」七、八年前に人気が高かったが、その後おちぶれてしまった俳優、志摩征夫の妻、恵里香にかかってきた電話。征夫を拉致していることを告げ、3000万円を要求する電話だった。 「ABCキラー」安遠町で浅倉一輝が殺され、約二時間後に、別院町で番藤ロミが殺された。同一の凶器によるようだった。そして、警察に届けられた手紙。あたかも、クリスティの『ABC殺人事件』をまねた事件を予告するかのようだった。 「推理合戦」焼鳥屋で有栖川、火村、朝井は食事していた。火村も有栖川も朝井の新しい連載小説を読んでいた。それだけのことで、火村は、朝井がSという町に最近行ったことを指摘する。 「モロッコ水晶の謎」担当編集者・片桐とともに、有栖川は畝美苗のもとに取材に訪れた。彼女は、大手書店羽田野書店の社長宅の離れに、姪とともに住んでいた。世界を遍歴し、モロッコで占い師の弟子となり、今では日本で有名な占い師となっていた。 羽田野社長の誕生日パーティーに招かれた有栖川。しかしそこでは、社長の娘の恋人が毒殺されるという事件が起こった。誰も彼のグラスに毒を入れる機会はもっておらず、彼にそのグラスを選ばせることも不可能のように思えた。 それぞれにコメントをば。 「助教授の身代金」この後に大きな展開があるわけだけれど、それまでにも興味深かったので、紹介は上記にとどめておきます。いやはや、「これは伏線じゃないかな」「ここが怪しいゾ」と思った記述はどれも真相とは関係なかった。推理力ないな…。でもでも、とっても意味深だったのだもの…。 「ABCキラー」純粋に面白かったです。アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』も読みたくなりました。「動機は大した問題ではない」という論調の言葉を一時期やたらと目にした覚えがありますが、本作も動機については深く描かれていないですね。「動機」というものについてはなにかしら考えるところがありますが、今日はやめておきます。 「推理合戦」ショートショート。朝井さんは、『ペルシア猫の謎』収録の「暗号を撒く男」にも登場した推理作家(他の作品にも登場しているかもだけど…)。 「モロッコ水晶の謎」あとがきにもありますが、「ロシア紅茶の謎」を連想しました。衆人環視の中の毒殺事件です。このアイデアは興味深いです。 ーーーーーーーーー 国名シリーズは、あと『スウェーデン館の謎』の感想を挙げていません。三月中に読めるかな?島田荘司さんの『占星術殺人事件』が枕元にあるものの、読み進められず…。いつ読むのでしょう…。さしあたり、次に紹介する小説は、高田崇史さんの『パズル自由自在』ですね。 ーーーーーーーーー 追記。アクセス10000越えました。ありがとうございます☆ 病院では、「斬るビル」クリア目指して頑張っています。多分最後の斬る対象のところで、新たなスキルも身につけたので、次に病院でするのが楽しみです。スタッフの方に、ある称号をいただいているのですが、この期に及んで性別は非公開にしておくつもりなので、紹介することができません。カウンターストップも二回出して以来出していないので、精進しなくては!クリアしたら、今の称号に「グレート」をつけていただけるそうです。頑張ります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.10.15 18:40:17
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