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2007.12.19
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小路幸也『HEARTBLUE』
~東京創元社、2007年~

 小路幸也さんの長編『HEARTBEAT』(感想はこちら)の続編です。前回の探偵役(?)、巡矢さんが、今回も活躍します。
 では、内容紹介と感想を。

ーーー
 ニューヨーク市警察失踪人課の私―ダニエル・ワットマンのもとに、一人の少年がやってきた。彼の名は、サミュエル・マイヤー(サム)。<彼>の一件で知り合った、地下で暮らしていた少年である。
 サムの友人、ペギーが失踪したという。夕方から、私はサムとともにペギーの親のもとを訪れた。特に手掛かりもつかめずに終わった私に、同僚のハーヴから連絡が入る。ペギーが、遺体で発見されたというのだ。
 現場の状況から、飛び降り自殺と思われた。ただ、現場には私にとって気がかりなものが落ちていた。胡桃の実がチェーンでついたキーホルダー。私はそれを見たことがあった。3年前、ペギーと同じくらいの年齢の少女が自殺した現場で。
 また、サムは、ペギーが見ていたという夢について教えてくれる。自分が、大人の男に抱かれて喜んで喜んでいる夢。私は淫乱だ…と、彼女は苦しんでいたという。
 一方、私の父、デイヴィッドが倒れ、意識不明の状態に陥ってしまう。縁があり、子どもの頃から交流のある同僚のレベッカと、たまたま訪ねてきていた<彼>の友人、メグリヤが居合わせた場で、父は倒れてしまったという。
 自分が倒れたら、こういう風に動いてくれ。父に言われていた通りに、関係者に連絡をとった私は、オコンネルという、連絡先の書かれていない人物の存在を知る。そして、思いがけないものも発見する。
   *
 プロジェクトのため、ニューヨークに滞在することになった俺―巡矢新は、こっちで知り合ったフォトグラファーの恵野かんなと再会した。かんなと食事しているとき、彼女は、幽霊の写った写真も何枚かあるといって、見せてくれた。その中には、<あいつ>の事件で知り合った警察官、ワットマンの写真もあった。ワットマンを写真の中で、彼をほほえんで見ている少女。その少女は、かんなが写真を撮ったときには間違いなくいなかったという。
 俺は、知人の探偵、クレイに依頼し、ワットマン一家について調査してもらう。調査の過程の中で、写真に写った少女が、ワットマンが2歳の頃に行方不明になったという、ワットマンの姉、ケイトに酷似していることが分かった。
 俺は、かんなとともに、彼女がワットマンの写真を撮った町を訪れた。そこで二人は、ケイトにそっくりの少女に出会う。その少女の名前も、ケイトだった。
ーーー

 児童虐待という不快なテーマが扱われているせいか、話としては面白かったのですが、もやもや感じが残ってしまったのもありました
 とはいえ、登場人物は素敵です。ワットマンの地道な調査、16歳にしてかなり大人びたサミュエルの人生観、レベッカの献身、巡矢さんの思いやりなどなど、考えさせられたり、ほのぼのしたりしました。
 ハーヴが作った、自作の案内機や、それに感動するボスのアルバートのリアクションも良かったです。実は、アルが一番お気に入りの人物かもしれません。

 最後に、印象的だったサミュエルの言葉を引用しておきます(文字色は反転させておきます)。
次に目が覚めるとき、誰かが死んでいるかもしれない。自分が死んでいたら目覚めることはない。どっちにしても暗闇であることに変わりはない。そうやってお祈りのように唱えるのさ
(2007年12月15日読了)





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Last updated  2007.12.19 07:03:43
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