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2009.04.14
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歌野晶午『白い家の殺人』
~講談社文庫、1992年~

 放浪探偵・信濃譲二さんが活躍する、家シリーズ第2弾です。
 第1作でなんとなく予感していましたが、やはり市之瀬徹さんもシリーズキャラクタとなっていますね。
 それでは、内容紹介と感想を。

ーーー
1987年12月。

 市之瀬徹は、家庭教師先の猪狩家の別荘に招待された。年末年始を別荘で過ごす一家に着いていくことで、静香の勉強を滞在中にしっかり見て欲しい、との家族の意向のためだった。
 しかし猪狩家の人々の間にはどこかぎすぎすした空気が流れていた。そして、初日の夜、事件が起こる。
 突然の大きな音に、滞在していた人々は上階を確認しに行った。静香の部屋だけが、中から鍵がかかっており、呼びかけても何の返事もない。扉を打ち破って中に入ると、そこには、天井から逆さ吊りにされた、静香の遺体があった。
 部屋のドアは内側から鍵がかけられ、窓の鍵もしまっていた。完全な密室状態の中から、犯人はいかに逃げ出したのか―。
 世間の目を気にして、静香の祖母や父は、事件のことを警察には通報せず、私立探偵を雇いたいという。そこで徹は、過去にいくつもの難事件を解決している友人の信濃譲二を、探偵として呼び寄せることにする。
 しかし、信濃譲二が到着するまでに、毒殺事件が起こり、さらには到着後も殺人が繰り返される。
 一族が言うように、犯人は猪狩家に恨みをもつ女なのか―。信濃譲二が真相を暴く。
ーーー

 10数年前、第1作の『長い家の殺人』と第3作の『動く家の殺人』は読んでいたのですが、本作は未読(未購入)でした。このたびはじめて読んだのですが、完全な密室状況の中の逆さ吊りの死者に、足跡のない雪の密室と、トリック大好きな当時読んでいたら今よりもっと楽しめたのでは、と思いました。もちろん今でも楽しめました。
 なんとなく、「白い家」というのが地味だなぁと思って当時は買わなかったのですが、魅力的な謎がたっぷりつまった、面白いミステリです。
 事件の背景があれなので、読後感は必ずしも良くはありませんが、今回読めて良かったです。

(2009/04/12読了)





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Last updated  2009.04.14 06:31:00
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