昨夜のオーラの泉のゲストの一人は、フジコ・ヘミングだった。カソリックの信奉者である彼女を、この番組に口説き落とすことは並大抵のことではなかったと推測された。リストの「愛の夢」を披露した後フジコは、江原さんや三輪さんから発せられる前世や守護霊という言葉に対し、一部始終冷ややかで客観的な表情で対応していた。
彼女の前世は、やはりピアニストか、あるいは音楽関係に従事していた人物かと期待していたが、何と修道女であり、さらに実ることのない駆け落ちまでして、信仰の道を捨てた女性であった。江原さんの説明によると、過去世の戒めから現世ではその罪を贖うために、熱心なクリスチャンとして奉公しているという。
概して、仏教にしろキリスト教にしても、信仰を重んじる人々は、死後の世界の存在を信じながら、それを生活の糧としている。そして、この世では神や仏という超自然的な支配者に畏敬の念を抱きながら、祈りという形で信仰を深めている。スピリチュアルという言葉が定着しつつある今日、世間は江原さんのような霊媒体質の霊能者を否定はしなくとも、単に霊界の入り口を覗ける人物といった感覚で対応しているのか、と今回の番組を通じてそう感じた。
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