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カゲキ隊長のブログ

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2015.12.08
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 ずつと強くなろうとしてきたんだね。

 その努力は大いに認めよう。

 でも、弱いから強くならなければいけない、

 と自分に課していないだろうか。

 そうだとしたら貴方は誤っている。

 
 ボクシングのフライ級の選手がその王座になって、

 今度はヘビー級の王座を獲りたいと思っても、

 それは無理な相談というものだろう。

 肉弾相撃つ格闘技にたとえたけけれど、

 精神面でも同じことだと思う。

 貴方が弱い自分をどのように強くしようとしても、

 生まれながらの素質的に強い人を超えるのは、

 至難の業になる。

 そりゃ血の滲むような切磋琢磨を忍耐強く継続すれば、

 素質的に強い人に肩を並べられるぐらいには

 自分を変えられるかもしれない。

 でも、消耗して途中で挫折する人が多いんだよ。

 大体、弱いって悪いことなのか。

 じゃ強いって何なんだ。

 2+1=3や、3-2=1みたいに答えは出ないんじゃないか。

 強い弱いと言ったって基準なんかないんだよ。

 強いも弱いも同じじゃないか、ってことになる。

 当てにならないんだよ。

 戦前は思想犯として捕まると、まず拷問が待っていた。

 組織で羽振りを利かせてね、

 筋金入りと見られていた奴が、2,3日で拷問に耐え切れず、

 洗いざらい喋ったという例もあれば、

 見るからに弱々しげな奴が叩いても叩いても、

 耐えぬいてね、黙秘を通したケースもある。

 芯に1本、見えない筋金が入っていたんだろうね。

 
 僕の体験を聞いてくれるかな。

 僕は今も弱い。

 でも、中学時代まではとても弱かった。

 心だけじゃない、体も虚弱で貧弱だったのだよ。

 クラスで前から2番目ぐらいで、

 体つきが見るからに虚弱だった。

 中学に上がった年に別の街に建てた新居に引っ越したから、

 僕には友だちが1人もいなかった。

 1年の新学期が始まって間もなくの昼休み、

 制服の上衣を脱いだ途端、

 「何だよ、それ?」

 怒声とともにクラスのワルガキグループが僕へ駆け寄った。

 小学時代からのグループで、

 どういうものか僕がいたクラスに固まって編入されていた。

 昭和27年(1952)年のことで、まだまだ日本は貧しかった。

 僕には2人の姉がいたが、そのお古のブラウズを

 母が僕のシャツに仕立て直してくれた。

 花柄模様のシャツになった。

 ワルガキグループはそれを見咎めて、

 僕を小突きまわした。

 それだけですめばよかったが、

 数日経っての放課後、僕が母に頼まれてオカラを買いにいったことで、

 本格的ないじめが始まるきっかけを作ってしまった。

 豆腐屋と間違えて隣の魚屋に飛び込んで、

 「オカラください!」

 と、叫んだ。

 たまたま、通りかかったワルガキグループに目撃されてしまい、

 翌日、登校すると、オカラ、オカラ、と囃し立てられた。

 以来、ことごとに囃し立てられ、

 ワルガキグループではないクラスの者たちも同調し、

 他クラスにも波及していった。

 ワルガキグループはただ囃し立てるだけではなかった。

 輪に呼び込み小突き膝で蹴りまわした。

 学校に行くのが本当に嫌になったけど、

 当時は不登校なんて言葉すらなかったから、

 学校は体調がひどく悪くないかぎりは必ず行くものと思い込んでいた。

 
 校庭を横切ると、窓からオカラ、オカラと囃し立てられる。

 2学年3学年までが囃し立ててきた。

 早く校舎に入ろうと途中で駆けだしたことがあった。

 初めオカラオカラだった合唱が途中で乱れ、

 オケラオケラになっていった。

 虚弱な体つきの僕は駆けると両手を不自然に振る癖があった。

 ケラという前肢がモグラの前足のような虫は、

 背中を挟んで捕まえると、前肢を激しく振る。

 2階から僕が駆ける姿を見下ろして、

 誰かがそのときのケラを連想したことが始まりだった。

 以来、オケラが僕のあだ名になり囃子言葉になった。

 オカラのときより苦痛だった。

 それからだいぶ経っての頃、

 校庭を横切っていたらオケラオケラが始まった。

 そのときの僕は開き直ったのだろう。

 駆けだして意識して両手を異様に振り回した。

 ワルガキグループから爆笑が起こり、

 それはすぐに全体へ波及し、

 凄まじいほどの大爆笑が降ってきた。

 以来、ワルガキグループの態度が変わった。

 異分子の排除型のいじめから奇妙な親近感を抱いたような態度になったのである。

 オケラ、おいで、とニコニコしながら手招いてエロ写真を見せ、

 おくての僕の反応を楽しんだ。

 手を出してくることは一切なくなった。

 
 以上で僕の体験談を終えるけど、

 弱い僕がいじめを受け開き直れたのは弱いゆえだったんだよ。

 開き直るという行為は強いものとして受け取られているよね。

 ということは、強いも弱いも同じじゃないか。

 自分を弱いと思うのはいいよ。

 でも、あえて強くなろうとする必要はないんだ。

 弱いままで弱いからできることを見つければいい。

 弱いということは素晴らしいものを秘めている、

 ということになる。

 

 

 





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最終更新日  2015.12.08 16:47:57
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