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テーマ:鉄道雑談(1511)
カテゴリ:鉄道
前稿でも述べた通り、明知鉄道は峠をいくつも越える名だたる山岳路線としても知られています。国鉄時代は2エンジン搭載のキハ52が使用され、3セクに転換後は富士重工のレールバスLE-Carながら、2軸駆動、勾配抑速ブレーキ付きのアケチ1形が導入されました。バス用車体で老朽化が早かったことと、非冷房ということも相まってすでに過去張入りしています。
花白駅に進入するアケチ10形 posted by (C)喜多山栄 私は、花白温泉で1湯浴びて次にやってくる明智行きを待ちました。やってきた明智行きはセミクロスシート車でした。上り坂ではエンジン音をとどろかせ、下り坂では勾配抑速ブレーキがうなりを上げます。勾配抑速ブレーキとは下り坂でスピードが出すぎないように付けられているもので、山岳路線では必須です。クルマでいう「エンジンブレーキ」のようなものですが、ディーゼルエンジンということもあって排気ブレーキも装備、リターダというもっと強力な減速装置も装備しています。 アケチ10形運転台 posted by (C)喜多山栄 電車であれば、急な下り坂をくだるときはマスコン(主幹制御機)のハンドルを力行とは反対側に回して(逆ノッチを入れる)電気ブレーキを利かせるわけですが(例:神戸電鉄、叡山電鉄)アケチ10形のマスコンは逆ノッチには入れられません。最新式の電気指令式ブレーキ、ワンハンドルマスコンの車両ならともかくアケチ10形ではマスコンを元に戻すと惰行運転になります。運転士の操作をよく観察すると、下り坂では右手を手前の黒いスイッチに添えています。これが抑速ブレーキのスイッチ。駅に止まるときはもちろんブレーキハンドルを回して空気ブレーキで止まります。 明智駅駅名票 posted by (C)喜多山栄 終点、明智駅の看板には「日本大正村」の文字が。テーマパークではなく、旧明智町に残っている大正時代の町並みを生かしたまちづくりを推進しているのです。「大正路地」や「大正村資料館」「明智光秀ゆかりの地」など見学スポットもありますが、私は以前来たことがあるのでパス。 明智駅駅舎 posted by (C)喜多山栄 「さて、帰ろうか」と明智駅前で逡巡(しゅんじゅん)しました。というのは早く帰ろうと思えば、駅前から出ている東濃鉄道のバス(東鉄バス)に乗ってしまえば三角形の1辺をショートカットしてしまう形で恵那駅よりも3つ名古屋よりの瑞浪駅に直行できます。何回か明智を訪問していますが、瑞浪行きのバスに乗るかそれとも名古屋からマイカーで乗りつけるかどちらかで明知鉄道上りの「恵那行きには乗っていないのです。 明智駅前にて 東鉄バス posted by (C)喜多山栄 意を決して、折り返しの恵那行きに乗車。すでに夕方の通学ラッシュ時間帯に入っていました。 それにしても思うのですが、私のようなカメラをぶら下げた「よそ者」がボックスシートに座っていると中高生は前や横には座ってきませんねえ。1ボックス占領でした。よほど私が“挙動不審”なオッサンに見えたのかもしれません。 通学生が扉近くに固まって乗る習性も地域を問わず共通のようですね。通学生が主たる乗客の地方鉄道の車両のオールロングシート化する理由がわかるような気がします。我々旅行者はブーイングを発したくなりますが。 全国鉄道事情大研究(名古屋北部・岐阜篇2) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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