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カテゴリ:震災関連
しんさいニート【電子書籍】[ カトーコーキ ] このたび、ご縁がありましてNHK東北のクローズアップ東北「震災ニート」、およびNHKおはよう日本内の「しんさいニート」に出演させていただきました。 偶然、会津若松市の書店で見つけたこの本は東日本大震災をきっかけに故郷の南相馬市を始め様々なものを失い、避難先の函館から東京へと移り住むも行く先々での人間関係に悩み、そこから心身を病んでいく様を描いたコミックエッセイです。 生きづらさとはなんだろう。 この日本、一億人以上の人が住み、お互いがいろんな関わりを持ちながら生きています。 そんな中でコミュニケーションがうまく噛み合わす、お互いの自己主張がぶつかり合う。 いや、違うな。 殆どの場合、自己主張はぶつかりあわず、言葉や口調、立場の強いほうが勝つ。 負けた方はどうなる? もちろん、意見の相違からゴタゴタがあったあとにフォローしあい、選ばれなかった意見をも尊重してくれる関係もあるし、本来そうあるべきだ。 しかし、そこまでできる人間がどれだけいるんだろう。 意見を通した方は優越感の中で生活でき、通せなかった人を見下す。 見下された方も、「何クソ」と思って次へのステップへ活かしてくれればいいんだが、そこまでたどり着けなかった人間は落ち込み、精神的に参ってしまう。 自分もかつては後者でした。 上司に強引に命令され、反論すると何十倍にもなって帰ってくる。 そういう上司は大抵周りを固めていて、反論した人間を排除しようとする。 要はパワハラ、いじめの論理です。 おかげで震災の年、2011年9月には休職せざるを得なくなりました。 この本の著者のカトーさんも震災後に入職した美容室で自分の考えを述べたがばかりに上から押しつぶされそうになり、うつ病を発症してしまいます。 ただ、その根底には過去に家族の中で起きていた父親からの精神的虐待があった。 カウンセラーに分析され、少しずつ心の傷を癒やしながらこのマンガを描き続け、ついには昨年出版、そしてテレビ出演となります。 私が一緒に出演するきっかけは、このコミックに感銘を受けた私がカトーさんに直接ツイッターで感想を送ったこと。 そして、同じようにこの本に惹かれたNHKのディレクターさんが番組化に向けていろんな方法を探していて、私のツイッターを見つけ連絡をくれたこと。 人の縁とは本当に不思議なものです。 ちょっとしたことで私とカトーさんとNHKのTディレクターがつながり、Tさんは私の勤務する米沢市と、住んでいる会津若松市まで来てくださってカメラを回してくれました。 こんなやつの言葉に大した説得力なんてないと思っているのですが、それでも使ってくれたTさん。 6月に東北限定で放送されたのですが、仙台から東京へ異動になったTさんはその企画を全国放送のおはよう日本でも使えるように尽力してくださったようです。 いろんな人と出会い、話をして自分の力にしていく。それがこれまでの自分のライフワークだったと思います。 だから20代でたった半年ですが渡米し、そこで知り合ったホストファミリーとは今でもフェイスブックでコミュニケーションを取り続けています。 カトーさん、Tさんとの出会いは自分をまた一つ成長させてもらえたのかな。 そう感じています。 お二人や企画を通してくれたNHKの皆さんに感謝いたします。 あ、私の現在。 とりあえず月に一度くらい、今も心療内科に通っていますが、それは仕事上どうしても不眠になりがちで(夜勤ありの介護福祉士)睡眠導入剤を処方していただいているだけで、昔のように抗うつ剤とかは使用していません。 仕事も以前とは違い、毎日前向きに勤務しています。それはいつの間にか周りが変化してきたから、かな。 座間の事件後、ツイッターを検索すると自殺志願者のツイートが大量に見られます。 どうか自らを殺したり、他人に殺してもらおうとなどしないでください。 必ずいつの日か、僅かな光にも喜びで心を震わせる日がやってきます。 周りが変わるときは必ずやってきます。 逃げても休んでもいいから死だけは選ばないでください。 しんさいニートは震災がきっかけの本ではあっても震災そのものを描いた本ではありません。 人と人とのつながりの中での葛藤を描いたコミック。 今、人間関係に悩んでいる人はぜひ読んでみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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