小林信彦の映画評論集「われわれはなぜ映画館にいるのか」の新編集版が3月にキネマ旬報社から発売になる。
最初の晶文社の元版は1975年2月に発行された。
当時小林信彦は「笑う男-道化の現代史」(71)「日本の喜劇人」(72)「世界の喜劇人」 (73)にバラエティブック「東京のロビンソンクルーソー」(74)を晶文社から上梓している。「われわれはなぜ映画館にいるのか」は12章からなる「架空シネマテーク」を中心に「16歳の映画ノートから」と映画作家論、60年代の映画作品評論 、その他映画周辺の文章に1974年のニューヨークの映画レポート「ニューヨークで起こっていること」を収めている。
●架空シネマテーク | 1.鈴木清順論のためのノート「野獣の青春」のあとさき | 2.ハンフリー・ボガートの肖像 「ハイ・シェラ」を中心に | 3.ジョン・フォードは光り輝く 「タバコ・ロード」を中心に | 4.マルクス兄弟映画は五本立て | 5.ビリー・ワイルダーの演出は〈一流〉だろうか? | 6.ドン・シーゲルの暴力的祭典 | 7.B級娯楽映画を観るたのしみ 「ハニー・コールダー」その他 | 8.ジョージ・ロイ・ヒルの不思議な世界 「モダン・ミリー」から「スティング」まで | 9.MGMミュージカルから何を学ぶか? 「バンドワゴン」を中心に | 10.黒澤だけしか頭になかった | 11.和製B級映画はどうつくられるか | 12.「仁義なき戦い」スクラップブック | 16歳の映画ノートから | 「二重の鍵」とヒッチコック | 贋者の季節 | 日活アクション・コメディはどこへ行ったか | 活劇の発想 | ●映画評論1960-64 | 東京の暴れん坊 | サイコ | ろくでなし稼業 | 馬上の二人 | 金色の眼の女 | ウエストサイド物語 | 椿三十郎 | ワン・ツー・スリー | 血とバラ | フラワードラムソング | 私生活 | リバティバランスを撃った男 | ハタリ! | 西部開拓史 | 鳥 | 野獣の青春 | 北北西に進路を取れ | あなただけ今晩は | おかしな奴 | おかしなおかしなおかしな世界 | トムジョーンズの華麗な冒険 | 映画におけるテリイ・サザーン | ビリイ・ワイルダー論 | ●ニューヨークで起こっていること 11編 | かれらはなぜ逃げるのかチャップリン・キートン・マルクス兄弟 | 「チャップリンの殺人狂時代」をめぐって | 映画のなかにみるウィーン | 「生きる」の再上映を観て | ウディ・アレンの喜劇の世界 |
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