テーマ:愛しき人へ(908)
カテゴリ:父の麦わら帽子
娘がまだ小さい頃、夫婦で、よく海外旅行に行った。
娘たちは、私の父と母があづかってくれた。 娘たちを連れて、父は、親戚に行き、そこで言った。 「孫が大きゅうなって、成人するまでは、ワシは、死なれん。 娘夫婦が、海外で事故にでも遭ったら、この子らが孤児(みなしご)になる。 せめて、成人するまでは、ワシは、生きにゃぁ、ならん。」と。 父のいとこは、母親が早く死んで苦労したという。 自分の孫をそんな、かわいそうな目には合わせたくない。 父は、そう言ったという。 父の死が近づいた頃、親戚の人から聞いた話だ。 上の娘が、結婚したのが昨年の1月26日。 そして、その1ヶ月後、の2月26日、孫娘の成長を確認したかのように、父は死んだ。 「○○ちゃん、結婚したんよ。1月26日に・・・。わかる?」 2月1日に入院して、しばらくして、どんどん、弱る父に私は言った。 「・・・・。」父は、もう声も出ないほど弱っていたが、頷いた。 お父ちゃん、あなたの、孫娘は、きれいな花嫁だったよ・・・。 花嫁の妹の着物姿も、きれいだったよ・・・。 結婚式に出て、スピーチをしたがった、父に冷たく断った自分を今、責めている。 昨年、1月26日は、長女の結婚披露宴のあった日。 そして、昨年2月26日に89歳で死んだ、父の月命日。 母と妹と私で、静かに父をしのびます。 ■2003.01.26 ●削除してしまったので、もう一度アップします。 ・・・・・・・・・・・・・・・ ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。 ★1月22日*読み書きそろばん、ぼけ、つっこみ/骨正月/仕舞う*UP ・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.27 09:19:18
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