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2015.03.08
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カテゴリ:読書
 (略)相対的に、植物の生死は重さでわかる。
なんとなくまだいけるのではないかと思われても、鉢から出して持ってみると肩すかしを食わされたような感覚でフワリとする。
(略)このあたりの事情は動物とは正反対である。
やつらの死は、あのぐったりとした重みで伝わってくるからだ。
(略)昔、同じ感覚を黒ユリの球根で経験したことがあった。
(略)同じようなことがリンドウでも起こったのである。
それは消えた。
なんの形も匂いも残さず、なんというか葬式も何も私一人ですませましたみたいな潔さで消えたのだ。
寅さんが映画の最後に団子屋から消えていくような感じである。

(略)

   木は、人間より長い間生きる。
しかし、たいがいの植物は種を蒔いてから枯れるまで1年から数年。
人間が産まれてから死ぬまでを見ることは出来なくても植物なら
種を蒔いて、芽を出して、成長し、花を咲かせ、実をつけ、枯れることを見ることは出来る。
つまり、命のサイクルを見ることが可能なのだ。

しかし人間は、自分の地所にはみ出した■たった一本の木さえ■生きることを許さない。
いわんや、雑草をや!
  ■少年が少年を惨殺する事件が多い。
親が子どもを虐待の末、殺すという事件も毎日のように聞く。

つい数十年前までは、家で生まれ、家で成長し、家で老いて、家で死ぬのがあたり前だった。
しかし病院で産まれ、老いたら老人ホーム、そこで死ぬのが当たり前の世の中だ。
私の親とて、そうだった。

生命が身近でなくなったから少年が少年を殺すということは、命のサイクルを見ることがない人々が増えたからだと
いうのは、言い過ぎだろうか?

私は、植物の芽を見つけて喜び、枯らしてしまったとがっかりする。
いつまでも、植物の命を見つづけていたいと思う。

如雨露ボタニカル・ライフ
庭のない都会暮らしを選び、ベランダで花を育てる「ベランダー」。
そのとりあえずの掟は…隣のベランダに土を掃き出すなかれ、隙間家具より隙間鉢、水さえやっときゃなんとかなる、狭さは知恵の泉なり…。
ある日ふと植物の暮らしにハマッた著者の、いい加減なような熱心なような、「ガーデナー」とはひと味違う、愛と屈折に満ちた「植物生活」の全記録。
第15回講談社エッセイ賞。

アラビカ種コーヒー
胡蝶蘭:第二の人生

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Last updated  2015.03.09 01:13:31
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