テーマ:映画館で観た映画(8367)
カテゴリ:映画
大人ではない。子どもでもない。 1976年、フランス地方都市・ティエールの、夏休み前でにぎやかな小学校。 パトリック(G・デムソー)たちのクラスに、訳ありな生徒・ジュリアン(P・ゴールドマン)が転入してくる。 そんなジュリアンもすぐに他の子どもたちと打ち解け、仲間と一緒に映画館へ無銭入場したり、大人相手に小遣い稼ぎをしたりと毎日が楽しい出来事でいっぱいだ。 学校の先生のアパートでも、小さな子供たちが思いがけない事件を起こしては、大人たちを慌てさせている。 そんな日々が続く中、美容院を営む友人の母に恋してしまったパトリックは、想いを伝えようと1本のバラを用意する。 子ども好きのトリュフォーが、夏休み前の子供たちの何気ない日常を断片的なエピソードでつづった話。 石段や坂がたくさんあり、下校時間、小学校から一斉に飛び出してきた 石段を駆け下り、いよく走っていく。 子供たちの生きる力のようなシーンで始まった。 原題は直訳すると「おこづかい」。 そういえば、お金のシーンがよく出てくる。 身体障害者の父親と二人暮しのパトリックは、洗車のバイトしている。 そのなけなしのお金で買ったバラの花束をローランの美人の母親にプレゼントするが、彼女には「お父さんにありがとうって伝えて」と言われてガッカリ。 訳ありな生徒・ジュリアンは、映画館へ無銭入場したり、遊び場をくまなく探して、落ちているお金を集める。 お小遣いのもらえない年子の兄弟は、まだ使っている教科書を売りに行ったり、友だちの散髪代をくすねるため、二人してその子の髪の毛を切ったり……。 この兄弟、クラスメイトにどっかからくすねてきた拳銃を配ったり、といろいろやらかす二人だ。 モリエールの『守銭奴』の朗読もその延長線上なのだろうか。 恵まれているとはいえない子どももいるが、どこかユーモラスに描かれていてほっこりする。 しかし学校の身体検査のとき、服を脱ぎたがらないジュリアンを先生がむりやり裸にすると、その体には夥しい数のアザがあった…。 学校側は、警察に通報し、彼の母と祖母は、逮捕されていく。 夏休みを前に一時騒然となった子どもたちに、先生は語りかける。 「大人は何でも出来る。不幸なら、よそへ行って新しい生活も出来る。 子どもにはそんな自由がない。不幸だから親を捨てるなんてことは出来ない。 子どもは不幸を親や大人のせいに出来ない。 大人に許されることが子どもには許されない。」 「やがてみんなも子どもを持つ親になる。 子どもを愛する親になれ。子どもを愛する親は子どもにも愛されるはずだ。 人生とは、愛し、愛されることだ。 人間は愛がなくては生きられないものなんだ。」 子どもの日常を愛情をもって描いた作品。 『トリュフォーの思春期』(L'Argent de poche)は1976年公開のフランスの映画。 フランソワ・トリュフォー監督。 主題曲はシャルル・トレネの『日曜日は退屈』が効果的に使われていた。 登場人物は思春期というよりは思春期前の幼い子供たちである。 6月に見た ■突然炎のごとく■もトリュフォー監督作品。 にほんブログ村 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.10.05 11:52:40
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