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2011.06.27
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カテゴリ:書籍


一番じゃなきゃダメですか?

一番じゃなきゃダメですか?



 ツイッターは政治家と、あるいは政治と国民の距離を縮めるツールだと思います。

事業仕分けの名台詞「一番じゃなきゃダメですか?」を言い放った民主党の蓮舫議員の著作。蓮舫さんのことは嫌いでは無いが、できの悪い妹の作文を読んでいるようで、心が痛む。

ツイッター仲間として有名な蓮舫さん、勝間和代さん、広瀬香美さん――年齢的に近いこの 3 人は、私より少し下の妹世代なのである。


何より心が痛んだのは、事業仕分けの本番で「『どうしても世界一じゃないといけない理由は、何ですか?』この私の間いに対する答えは、こうでした。『夢です』。会場は失笑であふれていました」(191 ページ)という下り。科学者が夢を語って何が悪いのか!?

そのあとで、「科学にしろスポーツにしろ、世界一や日本一や学校で一番を目指して頑張るのは尊いことです。絶対に必要なことだと思います。技術立国でなければならないとも実感しています」(207 ページ)とフォローしているが、もう遅い。あの“失笑”のシーンはテレビに流れてしまった。そのとき、蓮舫さんは何もフォローしてくれなかった。


蓮舫さんは、とても真面目な方だと思う。結婚にも育児にも仕事にも政治にも真摯に取り組んでおられる。だから、余計に心が痛む。

蓮舫さんは人生を 5 年単位で区切って考えているようだが、これでは夢が無いと思うのだ。

ワタミ会長の渡邉美樹氏が「夢に日付」を付けることを提唱しているが、これと同じことで、人生の線上に夢を記すことは本当の「夢」ではなく、単なる「予定」「目標」にすぎない。科学者や技術者が追い求める「夢」は、メモ帳に簡単に記せるような性質のものではないのである。


蓮舫さんは「みんなが一番を目指すのもいいのでしょうけれども、それぞれ一人ひとりが『初めて』のことにチャレンジすることが、日本の社会をよく変えていくことにつながるのだと思います。『初めて』の積み重なりが、社会を新しくチェンジしていくのだと思います」(214 ページ)と主張するが、これは間違いである。

「初めて」であるかどうかを知るには、一度、その分野の「一番」に上ってみないと分からないのである。頂上から俯瞰してみて、初めて足りない部分があることに気づくものである。


つい先日、「一番じゃなきゃダメですか?」の槍玉に挙がった国産スーパーコンピュータ「京」が開発途上にありながら、ぶっちぎりの世界一位の演算速度を叩き出した。

この件について記者の質問に応じた蓮舫さんは、最初は関係者に敬意を表するとコメントしたが、「ナンバーワンになることだけを自己目的化するのではなく、オンリーワンを目指して」と注文をつけた。これは不勉強の極みで、じつに心が痛む。

京のハードウェアもソフトウェアも独自開発、それこそ「オンリーワン」のシステムなのである。

ただ、文部科学省から予算が付いているので、横展開するために経済産業省とのコラボレーションが必要だ。たとえば、宙ぶらりんになっている「情報大航海プロジェクト」との連携などが考えられよう。それを橋渡しするのが、政治家の本来の役割ではないだろうか。


「夢」は、常に頂点のそのまた上にある。手を伸ばしても届かないくらいの彼方に。

私は、自分の世代が「夢」を実現できなくてもいいと思っている。世界一のスーパーコンピュータを開発するためなら(箱物は除く!)、少しぐらい税金が上がってもいいと思っている。それは、子どもや孫の世代に伝えるべき「夢」だからだ。

本書のタイトルに対して、私は「一番じゃなきゃダメです!」と胸を張って答えたい。



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最終更新日  2011.06.27 18:31:37
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