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カテゴリ:書籍
著者は、東大文学部在学中から、森進一、小柳ルミ子、野口五郎、小林幸子、TM NETWORK などに作品を提供してきた作詞家で、エンタテイメントジャーナリストに転身した麻生香太郎さん。 私は、オリコンがなかった時代から「ヒット曲」を聞くのが好きだった。しかしオリコンに K-POP が目立つようになってから、上位曲は聴くに堪えないものばかりになった。最近では AKB とジャニーズばかりで、2番手がいないことを心配している。 麻生さんは、冒頭、「今、真剣に手を打たないと、家電業界がアッという聞に韓国、中国勢に追いぬかれたように、音楽業界も外資(ワーナーやユニバーサルなど)に見限られシンガポールや上海に日本本社を移転されてしまうだろう」(5 ページ)と警鐘を鳴らす。同感である。 麻生さんは、「コドモたち、若者たちは、マスコミを見放した」(232 ページ)と指摘する。 ただ、暗い話題ばかりではない。 そして最後に、「福島原発の後始末、来るだろうといわれている大地震、心配の種を挙げると確かにキリがないが、高度成長とバブル期を知らない、いわゆる『ミュージックビデオの原点、マイケル・ジャクソンを知らない世代』が、音楽マーケットの作り手になったとき、何かが根本から変わる予感がする」(258 ページ)と締めくくる。 ここまで読んで分かったのだが、麻生さんは J-POP や日本のエンタメ業界のことを心配しているのではなく、わが国を心底愛しているのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.06.19 18:38:46
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