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2020.09.01
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カテゴリ:書籍
カレイドスコープの箱庭

カレイドスコープの箱庭

 牛崎「人口の減少に伴いあらゆる社会領域が収縮している現代では、これまでと同じ制度は維持できないと諦めるしかありません」(279ページ)
著者・編者海堂尊=著
出版情報宝島社
出版年月2015年7月発行

准教授に昇格した東城大学医学部附属病院・不定愁訴外来(愚痴外来)の田口公平医師に、高階権太院長が無理難題を吹きかける。今回の依頼は、誤診疑惑の調査――電子カルテ導入委員長として、病院内の関連部署に聴取して回る。気管支鏡検査室で見た気管支鏡の映像は、まるでカレイドスコープ(万華鏡)のようだった――。
そして、田口は後輩の病理医・彦根新吾を呼び寄せ、病理検査室の菊村教授と牛崎講師の 3 人で、問題の病理標本を再度診断する。診断の正確さで定評のある牛崎講師の誤診だった――。
高階院長に報告書案を提出した田口は、Ai 標準化国際会議を準備するため、ボストンへ飛び、マサチューセッツ医科大学の東堂文昭を訪ねる。300 人の聴衆を前に Ai の講義をする羽目になり、 世界的なゲーム理論学者・曾根崎伸一郎と対峙する。
帰国すると、不定愁訴外来に厚生労働省の白鳥圭輔技官がやって来て、田口の院内調査を再調査すると言い出す。
カレイドスコープを電極に使ったウソ発見器を携えた白鳥と田口は、再び病理検査室を訪れる。手術検体が行方不明となっていることが明らかになった。
そうこうしているうちに、Ai 標準化国際会議の開催が迫る――不定愁訴外来に、『ジェネラル・ルージュの凱旋』の救急医・速水晃一、『チーム・バチスタの栄光』の心臓外科医・桐生恭一、『イノセント・ゲリラの祝祭』の病理医・彦根新吾が集まり、田口や白鳥とともに祝杯を挙げる。
国際会議が終わると、田口と白鳥が調査を再開。誤診疑惑の真実が明らかになる。白鳥が持ち込んだカレイドスコープは、じつは‥‥。

病理検査室は解散し、あらたな組織として再スタートを切ることになった。そのトップとなった牛崎医師は田口の問いかけに、「人口の減少に伴いあらゆる社会領域が縮小している現代では、これまでと同じ制度は維持できないと諦めるしかありません」と答える。田口・白鳥コンビの最後の事件において、海堂先生の諦観を言葉にしたものではないだろうか――。

巻末に「作品相関図」「桜宮市年表」が付いており、海堂ワールドの羅針盤となろう。
また、「放言日記」は『ジェネラル・ルージュの伝説』巻末の書き足し。2010 年以降の海堂先生の活躍が分かる。






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最終更新日  2020.09.01 12:06:57
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