春夏秋冬の四季を持つ日本では、
季節ごとの太陽と大地のリズムが食べ物を生み出し、私たちの食卓を彩っていました。
季節に生まれた食べ物は「旬のもの」と呼ばれ、市場に豊富に出回ります。
「旬」の食べ物には生命力がみなぎっており、栄養価が最も高く、
そして最も新鮮な時期であり、また価格も安くなるという私たちにとって、
とても嬉しい時期でもありました。
地場で取れる季節ごとの食材が「旬のもの」と考えてよいでしょう。
太陽の光や雨を浴び、風に吹かれて育った食材の一番多く収穫される時期が旬。
ビタミンやミネラルなどの栄養分に溢れ、それを頂く私たちの体にも
自然のエネルギーが入り込んでくるような力のある食べ物。免疫力を強化し、
自然治癒力を高めてくれる食べ物。旬の食べ物を食べることは、
季節を感じ生きること、自然と共存して生きていくことといえるのかも知れません。
旬の食べ物を食卓に呼び戻しましょう。健康は自分で作るものなのですから。
桜が咲き、春の果物は、冬に引き続き、多くの柑橘系の果物が旬です。
また果物の王様であるメロンの美味しい季節でもあります。
季節の変わり目で、体調変化が激しいので、果物でビタミン、
ミネラルをしっかりと摂って、身体を元気にしましょうね。
苺
自然のいちごは石器時代からヨーロッパ、アジア一帯で食べられていましたが、
栽培が行われたのは2000年ほど前からです。
日本には江戸時代の終わりにオランダ船で運び込まれ、
明治5年から本格的に栽培が始まりました。いちごはビタミンCが豊富で
風邪予防や美肌効果があります。また、血糖値の上昇や
コレステロールの吸収を抑制する食物繊維が含まれていて、
疲労回復や美容にも効果あり。
旬は5月頃。苺を選ぶ時は、表面がしっかりとぶつぶつしていて、
へたの色が濃い苺を選ぶとビタミンCが豊富に含まれています。
伊予柑
明治19年に山口県阿武郡東分村(現萩市)の中村正路氏の園で
発見された偶発実生です。松山市周辺に産地が形成され、
伊予蜜柑という呼び名で京浜市場に出荷されるようになりましたが、
愛媛県産の温州みかんと混同されることから、
昭和5年に伊予柑という名に落ち着きました。2月~4月頃が旬です。
果肉が軟らかい、果汁が多い、甘い、と食べやすいのが特徴です。
ジューシーで、酸味のある味は、女性や年配の方に好まれております。
特に、妊婦の方や柑橘好きには癖になる味として喜ばれているようです。
ビタミンCやクエン酸もたっぷりで美容と健康にもおすすめです。
枇杷
バラ科の常緑高木およびその果実。
日本には古代に持ち込まれたと考えられています。
江戸時代末期に日本に導入されました。日本では
太平洋側の温暖な気候中国系移民がハワイに持ち込んだ他、
日本からイスラエルやブラジルに広まりました。
果実は花たくは肥厚した偽果で、全体が薄い産毛に覆われています。
酸味が少なく上品な味わいです。カロチンが豊富に含まれているので、
肌荒れ、視力低下、がん予防に効果があります。旬は5月~6月頃です。
メロン
日本で現在の温室メロンが生産され始めたのは大正時代になってからですが、
少なくとも弥生時代にはすでにメロンの仲間「マクワウリ」が栽培されていたそうです。
メロンに含まれるカロチン、ビタミンCで免疫力アップ、風邪予防、
がん予防に効果があるそうです。メロンのカリウム含有量は
とても多く血中の余分な塩分を排泄する作用があり、高血圧予防、
むくみを改善できます。またカリウムには利尿作用もあります。
食物繊維であるペクチンが豊富で、便秘改善、大腸がん予防、美容にも効果あり。
オキシカインというメロンの改良種から抽出した成分が、高い抗酸化作用を持ち、
がん予防、老化防止、脳や肝機能の活性化に効果があるといわれています。
日本のメロンはほとんどが温室栽培であるため、一年中、食べられますが、
最もおいしい時期は春先ですね。