朝のひととき
朝は、いつでも美しい。過去がどんなに辛く悲しいものであっても朝は必ずやってきて、その書き込みのないまっさらなキャンパスは果てしない可能性に満ちているのだ。部屋にはオットが挽く深煎りのコーヒー豆の香りが漂いベルベットアンダーグラウンドのサンデーモーニングが聴こえてくる。すでに朝ごはんを終えたネコは窓辺に座り、朝日の中で仲睦まじく若菜をついばむ山鳩のつがいを眺めている。今日は、ホイップクリームとメープルシロップを添えたラズベリーワッフルを作ろうか…そんなことを考えながら、新聞を片手に、しっとりと朝露に濡れた庭に出た。都会とは言え、朝の空気はひんやりとおいしい。夜咲きのオシロイバナが幕を閉じ朝顔が、つかの間の時を楽しんでいる。吸い込まれるような朝顔の花ふと見ると、庭のテーブルの上に…。優しい隣人のドイツ人、I さんの『本日の贈り物』が…。あちょー。(よく見ると汚い字で「地堂力」って書いてあるし…)Iさんの過去の贈り物はこちらから↓その1その2