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テーマ:猫のいる生活(136041)
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今や私たちの生活に欠かせないスマホ。
このスマホに地図アプリやカメラアプリを入れて使ってらっしゃるのも普通ですよね。 こうしたアプリで必須なのが「GPS」。 宇宙に上げられた衛星によって現在位置を知るシステムですが、私たちが意識してないとこでもスマホでGPSデータを取得していることはよくあります。 カメラだって、ただ撮影するだけだったら現在位置なぞ知る必要ないと思われるのに、スマホで撮影した画像に撮影地点を自動で記録しているものがあるのですね。 スマートウォッチとスマホを連動させてたら、スマホを介してGPSデータをトラッキング情報として取り込んでます。 なぜ複数の衛星が必要かと云うと、GPS信号には衛星に搭載された原子時計からの時刻データや衛星の軌道情報なども含まれてます。 この時刻データと、スマホの時刻とを見比べて、衛星からの距離がわかるのですが、スマホの時計と云うのは正確でありません(日常生活に支障きたさない不正確さ)。 なので数個の衛星データを合算して、荒っぽく云えば均したデータで位置測定を行ってるのですね。 ただスマホの場合は必ずしも衛星をキャッチできない場合もあるので、そのときはスマホ基地局で受信したデータを使ってます。 しかし元々はGPS=軍事用途に限られてました。 GPSは、1973年にアメリカ国防総省の軍事プロジェクトとして開始され、その利用は軍事用途に制限されていたのです。 それを民間に解放したのはレーガン元大統領です。 1983年に発生した大韓航空機撃墜事件が契機となって、民間機の安全な航行のために解放したのですね。 大韓航空機撃墜事件ってのは、大韓航空のボーイング747が航法ミスでロシア(当時ソ連)領空を侵犯したために、ソ連の戦闘機により撃墜された事件のことです。 この事件で、乗員・乗客あわせて269人全員が死亡しました。 さてGPSですが、このシステムを運用するには、単に衛星を数多く打ち上げればそれでいいと云うものではありません。 そこには「地球の姿」を正しく認識することが不可欠だったのです。 地球の姿? そんな球形に決まってるやん! そんな中世の人ぢゃあるまいし、地球が平面だなんて誰も思ってないでしょう。 いえいえ、地球が球体と云うのは単なるイメージです。 実際には山あり、川あり、海ありで、その表面はデコボコだらけ。 それを平らと仮定していいのは、地形が曲率を圧倒する、例えば都市の測量のような狭い地域のみの話です。 それが全地球的に精密に測定されたのは20世紀なかば~後半にかけてです。 弾道ミサイルの慣性誘導システムのためでした。 GPSもこの過程で開発されたのですね。 それが発展して、今日の民間が使えるGPSになったのです。 この「地球の姿」を正しくとらえるのは、「数学」の問題です。 地球の姿=サイズと形状を把握するには、実際に地球上くまなく調査なんてできませんから、数学を使って「モデル化」したのですね。 この地球モデル化を計算したのはアフリカ系アメリカ人で女性の博士です。 グラディス・ウェスト博士。 バージニア州リッチモンドの貧しい農家の生まれの彼女は、日の出から日没まで太陽の下で働く生活をしてました。 これが彼女を学業に駆り立てた理由です。 「白人学校」とは別の学校に通い、白人とは別々のバスに乗って学校に通ってました。 白人学校から古いお下がりの本をもらうことがあり、新しくはなかったけど、それらの本が唯一の知らない世界を垣間見る手段だったのです。 ウェストは非常に学業優秀で、高校でも全ての科目でいい成績を収めてたので、大学進学では数学を専攻するのがベストと先生から云われ、それで数学を専攻したのですね。 高校では、学業上位2名がバージニア州立大学に行くことが多いのですが、無事に受かり、1948年に総代として卒業、助成金が支給されました。 数学を専攻するのは圧倒的に男性が多いのですが、彼女は稀な女性学生の中にいて、全員の中でも抜きん出ていました。 そして1955年にバージニア州立大学を卒業。 ウェストは政府の職に応募し、バージニア州ダールグレンの海軍試験場で数学者兼プログラマーとしての職につきます。 基地で雇用された2人目のアフリカ系アメリカ人女性で、男女併せて4人しかいないアフリカ系アメリカ人スタッフのひとりでした。 もうひとりのアフリカ系アメリカ人女性はアイラ・ウェストで、彼女も数学者です。 ここで夫となる人物と知り合い、結婚して、3人の子供をもうけるのですね。 夫も同じアフリカ系アメリカ人の数学者です。 仕事を始めた当初は、紙に書かれたデータをひとつひとつ手計算で検証する仕事についてました。 しかし、彼女の能力を認めた海軍によって、当時最大のコンピューターである、海軍水上戦センター・ダールグレン部門の大型コンピューターのプログラミングを任せられるようになりました。 ウェストはこのコンピュータを使って、衛星で収集された情報に使用されるデータ処理システムのプロジェクトマネージャーとして働いたのです。 何と当初、彼女はコンピュータの知識を全く持ち合わせてなく、外部から連れてきた数学者に一から使い方を学ばなければならなかったのですが、それが最終的に自らプログラミングするようになったのです。 彼女は正確な地表高度を処理するソフトウェアを開発して、そこから得られたデータを調べることで衛星の正確な位置を確認することに取り組みました。 こうしてウェストの研究成果はGPSシステムの作成として結実したのです。 彼女が基地にいた間、公民権運動は本格的に進行していき、ウェストはこの運動を支持しましたが、公務員だったため抗議活動に参加できませんでした。 しかし、そのキャリアの中で、アフリカ系アメリカ人に対する人種差別のために多くの苦難に遭遇してます。 白人の同僚が仕事に対して称賛を受けて特権を与えられる一方で、彼女は無視され続けたのです。 ダールグレンで42年間勤務した後、ウェストは1998年に引退しました。 引退から5ヶ月後、脳卒中を患い、聴覚、視力、バランス感覚、右半身の動きがままならなくなりました。 ところがウェストは「ベッドにいたままではだめだ、ここから起き上がって博士号を取得しなければならない」と、何と88歳でバージニア工科大学に入学して博士号を取得してしまったのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
GPSと意識せずに、多々利用していると云うことですね。
カーナビのおかげで道路地図を買わなくなったしねぇ~。 女性の数学者、プログラマーですか。 どれだけ優秀なんでしょう。 凄いですね。 そうか、地球は丸じゃなく凹凸のある球体でしたね。 (Mar 28, 2024 05:20:03 AM)
サスペンスドラマを観ていますと
このGPSでの追跡場面がよく登場します。 私もお店などの検索をかけますとすぐに現在地の 地図が出て教えてもらえます。 本当に凄いなと思いますが、世界中から 沢山打ち上げられている衛星の多い事。 宇宙へ行ったら凄い数なのでしょうね。 (Mar 28, 2024 07:44:07 AM)
以前のNASAの記事でも書かれておらられましたが「人種」や「性別」で正しい評価を受けてこられなかった有色人種と女性達。でも本当に残念なのは差別をしてきた人達ですね...
私なんて「魂」で優劣つけていますが(笑) (Mar 28, 2024 10:09:41 AM)
こんばんは
レーガン元大統領はいろいろなことを始めた人物なんですね サービス業はティップをもらうことが多いですがひと月に25ドル以上もらったら所得として申告する制度を設けたし銀行などの利息も年間で25ドル以上ついたら申告する制度にしたのもレーガン元大統領です 金利はともかくティップひと月25ドルなんて働いてもらっている人ほぼ全員です (Mar 28, 2024 03:24:20 PM)
まあ、素晴らしい技術をお持ちでしたね。
これだけの技術を持っていたら何でもできるでしょう。 (Mar 28, 2024 04:21:54 PM)
凄いです!
ウエストさん素晴らしい方ですね 男尊女卑、人種差別 最低です チャッピ君 いつもミミちゃん見てたんですね^^ ~~~~~~~ 婆ちゃんが 梅の枝 のこぎりで、バッサリ 爺ちゃんは怒ってたけど^^ (Mar 28, 2024 09:26:45 PM) |