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ポムブログ~ポム・スフレの名曲大百科

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2008.09.21
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テーマ:洋楽(3312)
カテゴリ:ビートルズ
「ビートルズの再結成かい?
 それはないね。
 でも、『Free As A Bird』は再結成かな」----ポール・マッカートニー


ビートルズ25年ぶりの"新曲"として'95年12月に発売された「Free As A Bird」は、"The Beatles Anthlogy"プロジェクトの一環として制作された企画シングルである(米6位、英2位)。
オノ・ヨーコから提供されたジョンの未発表テープに、ポール、ジョージ、リンゴのオーバーダビングを加えることによって完成された。
プロデューサーに選ばれたのは、ELOの中心人物にして、ジョージやリンゴのソロ作を手掛けた実績を持つ才人ジェフ・リンである。
音楽的にも精神的にも円熟した三人のビートルと、ビートルズ・フリークの第一人者でもある職人ジェフによって作られた本トラックは、見事な"ヴァーチャル・ビートルズ"となっていた。
僕も、イントロでのリンゴのスネアを聴いた瞬間、「おお!びっくりと息を呑んだことを覚えている。
よみがえるはずのない"ビートルズ・マジック"が、完成度とかそういうのとは別次元の"何か"がここには詰まっている、と今でも思う。
感傷的になったり、笑いあったりしながら進められたというレコーディングには、ジョンも見えない姿で参加していたのかもしれない。

原曲は、ジョンが"主夫業"に専念していた'77年に作られたもの。
'88年にラジオ放送された「Lost Lennon Tapes」でもその音源は流れており、マニアの間では既に知られていたという。
元のテイクは、ジョンのヴォーカルとピアノのみの演奏で、歌詞が未完成となっていた。
レコーディングの際には、ポールとジョージが歌詞を補作し、さらにはコードも若干変えて演奏されている。

結果、曲調的にはミドル・テンポの、中期ビートルズを思わせるまったりした仕上がりとなった。
ジョンのオリジナル・テイクは不思議な透明感があるものの、楽曲そのものは「つかみどころがない」という印象も強い。
それをここまでのポップ・ナンバーに仕上げたファブ・スリーとジェフの手腕には感服するしかない。
ただし、現行アンソロジーの日本語訳では「サビのメロディを作ったのはポールとジョージ」みたいに思えてしまうが、楽曲自体のメロはジョンのデモをほぼなぞったものである。

構成としては、Aメロがジョンで、サビをポールとジョージがそれぞれ歌うという形になっている。
はかなげなジョンの歌声と淡白な美しさを持ったメロディが実に印象的。
それを繊細に包みこむファブ・スリーの声と演奏が泣ける。
浮遊感あふれるサウンドは自由に空を飛ぶ鳥のようで、曲のタイトルにふさわしい。
リンゴのヘヴィなドラム、甘く厚みを持ったビートリー・コーラスは時代を越えた響きを持っている。
シンプルながらしっかりと耳にのこるポールのベース・ラインもさすがですスマイル

一方で、録音状態の悪いジョンの声は、良くも悪くも"作り物のビートルズ"ということを強く思わせ、複雑な感情を掻きたてる。
ジョージの激渋スライド・ギターも凄い。
成熟の極みとも言えるその音色は、年代物のワインのようでもあり、仙人様が弾いているような貫禄がある。
サビ(二回目)で聴ける彼の歌声もよれよれ。この後の運命を知っているだけに、また違った意味で悲しくなります犬

曲は4:00あたりにきたトコロで大円団!
…と思いきや、またリンゴのフィルが豪快にとどろき、「Free...」のコーラスとともになぜかバンジョー・ウクレレの音が聞こえてくる。
それにまぎれて「Made by John Lennon」 と聞こえるセリフがあるが、これはジョンがビートルズ時代にたまたま言った「うまくいったね」という言葉を逆回転させたもの。
最後まで遊びゴコロを忘れないのが彼ららしい。
関係ないけどボクの場合、このエンディングを聞くとフォーク・クルセイダーズの「帰ってきたヨッパライ」(のエンディング)を思い出します^^

サウンド的にはオーバー・プロデュース気味な所も否めず、一部のファンから批判が出るのも分かる仕上がりではある。
それでも今の時代(といっても10年以上前だけど)にビートルズを甦らせるとしたら、こんな感じが妥当ではないかと。
少なくとも彼らの名を汚すクオリティではないし、再結成企画としては上々だ。
雲の上のジョンも、「最高だ」とは言わないまでも「悪くはないね」とほくそ笑んでいたのではないだろうか。

また、最高なのがこの曲のPVで、鳥の視点からファブ・フォーの歴史を見ていくという作りは、何度見ても目が潤んでしまう
ストロベリー・フィールドやアビイ・ロードはもちろん、ドクター・ロバートからグラス・オニオンまで飛び出す内容はまさに"アンソロジー"
それらを違和感なくつなぎ合わせてある映像は、CG時代ならでは産物だ。
ジョンの子供時代の写真からはじまり、拍手をされる彼の後姿で終わるという構成も素晴らしい。
曲、PVともに「Free As A Bird」は、ジョンへの愛情とテクノロジーの発達が幸せな出会いをした素晴らしい作品だと思う。
これを作り上げたファブ・スリーとジェフ・リン、関わったスタッフたちに心から拍手を送りたい。

つーコトで「Free As A Bird」のPVはここをクリック!

ブラジルのマニアが作った"ヴァーチャル・再結成ライヴ"の映像も一見の価値あり。
ここをクリック。





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Last updated  2008.09.24 03:55:00
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