The Monkees 「Cuddly Toy」
60年代、ビートルズに対する対抗馬として"作られた"グループだったのがモンキーズだが、結果、残された音楽は60年代アメリカン・ポップスを語る上で忘れられないものとなった。後にカントリー・ロックのパイオニアとして素晴らしい成果を残すマイケル・ネスミスの音楽的才能はもちろん見逃せないが、アメリカ芸能界の大物ドン・カーシュナーの号令の下に集められた精鋭スタッフによる作品がやはり秀逸。キャロル・キング、ジェフ・バリー、バリー・マン&シンシア・ウェイル、トミー・ボイス&ボビー・ハート、ニール・セダカ、ニール・ダイアモンド……といった超一流のライター達が腕によりをかけて書いた楽曲の数々は、今聴いても素晴らしいの一言で、No.1ヒットとなった「Last Train To Clarksviile」「I'm A Beliver」「Daydream Beiliver」はもとより、名曲を挙げていけば枚挙にいとまがない。この「Cuddly Toy」は4枚目のアルバム「Pisces,Aquarius,Capricorn & Jones Ltd」収録の隠れた名曲で、作者はニルソン。その昔「ひらけ!ポンキッキ」で使われていた事もあったので耳に覚えにある方も多いだろう。あたたかいメロディとほのぼのとした演奏、デイヴィー・ジョーンズの甘くほんのりとした歌声が心に残る、ノスタルジックな一曲だ。モンキーズのオーディションには400人が集まったが、デイヴィー・ジョーンズは以前からミュージカルや俳優などのキャリアを持っていた人物で、そのせいもあってか、モンキーズへの参加はあらかじめ決定していたらしい。甘いマスクと声を持っていた彼は特に人気も高かったようで、グループ内ではミッキー・ドレンツと共にメイン・ボーカルをとる事が多かった。ちなみに、同時期のイギリスにもデイヴィ・ジョーンズの名で活動していたアーティストがいた(モンキーズとの混同を避けるため、すぐに改名)が、その人物とは後のデヴィッド・ボウイである。「ザ・モンキーズ・ショウ」の中で使われた「Cuddly Toy」のPVは、デイヴィーがミュージカル出身であった事を思い起こさせる微笑ましい映像だ。「Cuddly Toy」を聴くにはここをクリック!デイヴィーといえば、カルト映画として名高い「Head」の中で「Daddy's Song」(これもニルソン作)を歌って、その後に出てくるフランク・ザッパとの会話のシーンが忘れられないなあ(´ー`)「ひどい歌だ」「同感だね」つーコトで「Daddy's Song」を聴くにはこちら。フランク・ザッパとの絡みのシーンはこちら。