降霊会の夜 浅田次郎
★★★【文学/日本文学小説】謎めいた女の手引きで降霊の儀式に導かれた初老の男。死者と生者が語り合う禁忌に魅入られた男が魂の遍歴の末に見たものは……。至高の恋愛小説であり、一級の戦争文学であり、極めつきの現代怪異譚ーー。まさに浅田文学の真骨頂!降霊会の夜2012年3月発行 朝日新聞出版 292p【内容情報】(「BOOK」データベースより)罪がない、とおっしゃるのですかー死者と生者が語り合う禁忌に魅入られた男が見たものとは…。至高の恋愛小説であり、第一級の戦争文学であり、極めつきの現代怪異譚。感想 ★★★ 別荘地の嵐の夜、見知らぬ女に導かれた先で 降霊会がはじまる。 出会ったのは9歳、19歳の時の友人たち。 主人公の知らなかったこと、気づけなかったこと、 気づこうとしなかったことが明らかになって、 という人情話。 当時の世相にのせて語られます。 昔の真実を聞いたからどうなの、っていう つっこみはあるかも。 ただ、物事は表面に表れていることだけじゃなくて どうしようない真実っていうのがあるんだな、と。 語り口がするするとたいへん読みやすかったです。 最初の話が戦後すぐのことかと思ってたら 昭和35年のこととわかりびっくり。 私の生まれる3年前だけれど あのころ戦争の名残なんて何もなかったと思うのに、 すごく戦後ということを強調していてへぇ~と。 東京と関西では違ったんだろうか。 それとも3年で劇的に変化したのだろうか。