ゴールドトップの経年劣化(酸化)を加速させたい。
レスポールのゴールドトップ・・・その昔、金色のギターなんて格好悪い!とさえ感じていたこの黄金カラーですが、今見ると素晴らしく格好良く見えてしまうのが不思議。とは言え、そんなゴールドカラーにもメーカーもしくは発売年や仕様によって共通ではありません。リアルヴィンテージのゴールドトップは恐ろしく貫禄があってメチャメチャ格好良いですよね。ラッカーが完全に乾いて下地の杢目まで浮いてくるようなヤレた感じと、人間の所業では到達出来ない複雑な色味や艶の経年変化やクラック。時間の経過無くして生み出せない美学。これが美しくて仕方がない! ※写真は私の愛器 2013年MODです。そんな当時と今とを比べれば、まず塗料(成分)が違いますね。明確に違うのは塗料の中にブラスパウダーと呼ばれるブラス(真鍮)の粉を混ぜてあるか否かで、本物と言われるヴィンテージものはコレを用いています。 本物のブラスを使うとどうなるかと言うと、見た目で言えば通常の塗装よりも金属質で高級感が出ると同時に成分が本物の金属故に水分や空気と触れて酸化することで緑がかった錆(緑青)を発生させます。その変色した経年変化がギタリストの中では『ナウい!』とされているとか。。ブラスパウダー塗装にモディファイする人も多く、自分も1本だけ所有しているわけですが、経年変化を加速させて更に味わいを更に増やせないかなとチャレンジしてきました。ただ、なかなか思うような効果は出ませんでした。そもそも1950年代のブラスパウダーと今のブラスパウダーの成分が違うのは致し方ないとして、経年変化は汗や気温の変化で加速されると言われております。 ブラスパウダーで塗装されているギターの宣伝謳い文句で『本物のブラスパウダー塗装を用いているので使い続けることで経年変化を楽しめます』と目にしますが、緑青クラスまで経年変化させるには数十年かかるのではないかと思います(笑)それだと、もはや死んどるがな。。。 場合によってギターに不適切な使用環境でガシガシ弾きまくって汗かぶりまくって磨きもせず酷使すればいけるかもしれません。自分も夏場や梅雨時期は他のギターを痛めたくないのもありますが、このゴールドトップをメインにして故意に影響を受けやすくして経年を期待しつつ数年いるわけですが・・・まぁ。そこまでは変わらんね。これを緑青が出るまで待つ。そんなの・・・気が遠くなる。。。謳い文句『緑青が出て味が出る』的な表現。経年変化はするので間違いではないですが、かなり未来の話なので騙されてはいけません(汗) 本家Gibsonでもデジマートで見ていると1970年代でようやく変化が出てきているものが多く、格好良くなっているのは1950年代以前の印象。つまり新品の場合は50~70年先ってとこです(笑)本当に大切に保管していれば恐らく緑青やクラックすら入らない可能性すらあります。 何なら塩水や酸化促進剤を塗料に塗り込んだり、紫外線に長時間さらしたりと色々やってやる!と思いつつも・・・楽器としての破壊行為なのでダメージを危惧してしまうと、どうにも勇気がいる作業で出来ません。とは言え、製造から10年が経過して、当初よりは色味が変わって格好良くは進化し続けてします。とりあえず気付いたのはラッカー塗装は適切な環境下では10年位経過してようやく完成を迎えていく気がします。作られて数年のラッカーはまだ柔らかいのか音の締まりもない気がします。 そんな経過観察も踏まえてやっぱラッカー塗装は大好きです。もうちょっとイケイケに経年変化させたいので何か良い方法は無いのか模索中です。