( ↑ 練習会場。)
さて、北京合宿の旅、素晴らしい老師に出会いました。
私達の班を指導していただいたS老師は、若手のホープ。
(他の班の老師は、みなさん50代~)
すごく素敵な老師で、みんなのあこがれのお方!
(老師=中国語で”先生”の意味なので、若くても”老師”なのです。
日本語の”先生”は、中国語で、”ミスター、Mr.”の意味になってしまう。)
S老師は、オリジナルの準備運動が、ものすごくよく考えられたものだったり、
私みたいにいきなりレベルの違う者が入っても、
バランスよく指導してくださり、
しかも、けっこうクールな老師で、
「私は、北京の若者ですし、アルコールが大好きでたくさん飲みます。
でも、武術をやっている期間は、1滴も飲みません。
なぜなら、私は武術をリスペクトしていますから。」なんて、
おっしゃることが、かっこいい...☆
組み手の練習をしている時でも、
S老師とさせていただくと、びっくりするぐらいのやわらかくふわふわのさわり心地...
と思いきや、いきなりのスピードで技をかけられ、あっという間!
(本当にすごい人は、ものすごくやわらかいと聞いていましたが、まさしく!)
ただ、こういう武術って、やっぱり伝統のもの、
それに加えて、アジアの文化、体育会系のしきたり等々が、合わさっているため、
ものすごーく上下関係があり、厳しい縦社会。
老師が来ると、走って行って、整列、お茶を入れ、全身で老師の話を聞き、
(レッスン中に、メモを取る事は許されず、休み時間にみんなあわてて走って、忘れないうちにノートにメモ)
言葉も態度ももちろん、MAXで敬語...
そういう感じで、雲の上の人。
なのですが、ちょっと言語に関して、とまどった一面がありました。
最後の晩は、返礼宴という日本側からの正式な夜の食事会。
中国側のお偉い方々や、すごい老師たち勢揃いの中、
私は、S老師の横に座らされたのです。
(本当は、序列で席順も厳しく決まっているのですが、
私は、一番の新人後輩にも関わらず、プレゼントを渡したり、スピーチをする役割だったりしたので、おそれおおくも老師の横)
緊張しながらも、なんとか失礼のないようにお話ししなければと、
片言の中国語で話しかけると、
いきなり「Do you speak English?」と流暢な英語で返ってきた!?
(通訳さんに、私が日本で英語と日本語を教えていると聞いて、ご存知だったらしい)
この合宿で中国語しかお話しされてなかったので、てっきり中国語しか話せないと思っていたので、
ものすごくびっくりしました。
なんでも、アメリカ人やドイツ人の生徒さんを教えているので、英語が話せるとのこと。
そこから、
気軽に話のできるレベルではない(私にとって)老師と英語で、いきなり話すことになり、
武術の話や、プライベートの話、はたまた日中関係、政治の話...など
いろいろ話せて、とてもとても!!楽しかったのです。
英語を勉強してて、本当によかったー!
とはいえ、やっぱり、私にとっては、老師は雲の上の人。
その老師に、
「You」というたびに、なぜか奇妙な気持ちになりました。
中国語では、もちろん、「你」=「you(あなた)」と言う言葉がありますが、
老師には「您」を使っていたので。
(尊敬をこめて、もっと丁寧な”you”)
でも、英語に直すと、どっちも「you」なわけで、
うーん、なんだか、老師を英語で「you」と呼ぶたびに、変な違和感...
なんか違う~、
なんだか言いにくい~、
だけど、youしかないし~。
やっぱり、英語って、縦の関係が少ない
「横に等しい」アイデアの文化の言語なんだな、と思ったのでした。
中国語って、文の構造上では、よく英語に似ていると言われますが、
上下関係とか、謙遜などの文化を考えるに、内容がやはり少し日本語と近いのかな?と思ったりしていたのでした。
*おまけ*
英語で話して、楽しくお話しできたせいか、
老師より、「僕にメールしていいですよ。」とメルアドをいただきました。
(なぜか私だけ)
ものすごく、ものすごく、ものすごく、うれしい~!!!!!
(軽く気絶!)
この気持ちを例えるなら、
韓流ブームの際に、例えば、ヨン様ファンの人が、ヨン様とお話しして、
「僕のメルアドを教えてあげますから、メールしていいですよ。」
と言われたレベルのうれしさ×100、って感じです。
(この例えで、通じた?)