カテゴリ:W杯
オランダとメキシコの試合はおもしろかった。後半40分を過ぎてからの逆転という試合展開以上に監督のさい配が極めて興味深かった 前半はメキシコが守備的なオランダを突いて何度も好機を作った。オランダは今大会の戦い方である「守って高速カウンター」を実践するが、メキシコはフィールドのあちらこちらで網を張っており、オランダの反撃を許さない。自ずと試合はメキシコのペースとなり、後半に入ってすぐにスーパーゴールで先制 追う形となったオランダは、まずDFを一枚減らしてFWを投入。と同時にロッペンを右サイドに張り付かせ、ロッペンの個人技を起点とした攻撃をしかけるが、メキシコのゴールを割ることができない。すると後半30分を過ぎたところでファンベルシーに代えて長身のフンテラールを投入。さらにはDFのカイトを前線に上げて、執拗なパワープレー。身長に勝るオランダのパワープレーから、何度も繰り返されるCK。最後はパワープレーのこぼれ球を後ろからスナイダーがミドルで突き刺し、同点ゴールをまさに「もぎ取った」 同点になるとカイトを定位置に戻したオランダだが、ロスタイムにPKを得て(微妙な判定ではあった)逆転勝利 メキシコは早く得点しすぎたのが、かえって不運になった。あのまま0-0の我慢比べになったら先にどちらが動いたか分からないが、さてどうなったか メキシコのカウンターが決まって最後は追加点を奪うのかな、と見ていたが、そのリスクをものともせずに執念を見せたオランダが最後に勝者となった おそれいったのは、エースのファンペルシーまで交代させ、次々と攻撃のオプションを切ったファンハール監督だ。さすがバルサやバイエルンで答えを出した監督は違うな、と思った(もっとも毎回最後は主力選手と衝突してしまうのだが)。タイムアウトもなく、1試合で3人の交代枠しか持たないサッカーで、監督のさい配の妙味が著しく出た例となった。しかも、どのプレーも繰り返し練習済みだつたという。高身長そろいのオランダはパワープレーなんて、指示さえすればホイホイやるものだと思っていたが、これでは身長で下回る日本が、一切練習をせずに本番でやろうとしたも、それはムチャだ 今大会のオランダはリアリズムの権化のようなサッカーを行っている。以前も書いたが全くオランダらしくない。母国メディアでは随分と批判の声もある。それでも勝利がすべてと選手が同じ方向を向いて結束する。W杯とは、そんな大会である。果たして日本は勝利を最優先に求めたのか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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