平山夢明本に浸る日々
最近の私は大好きな作家平山夢明先生の本を毎日のように読んでいます。こないだの動物園に出掛けた帰りにも大手書店で二冊ゲットしてきました。近所の小規模書店ではほとんど取り扱いがないので(涙)私にとっての平山夢明先生といえば実際に起こった怪奇現象や恐怖体験を取材して執筆されている方というイメージだったのですが、先日 「独白するユニバーサル横メルカトル」を購入してから平山先生の描く独特な世界観に取り込まれてしまいました。取材実話を書く人と小説を書く人は違う人なんじゃないかと思い、驚いてしまいました。独白する~は全八話の短編集。一話一話の最初の数ページの間は、一体今度の世界はどんな世界なんだろうと手探りしながら読んでいました。難しい言葉なども多いので、活字に慣れていない私には当初辛く感じました。しかしその話の世界が見えてくると、次の展開が待ち遠しくワクワク心躍るようでした。人間の心の駆け引きなどの表現も多いのでハラハラする場面も多々・・。以下ネタバレグロテスク表現含みます中でも一番気に入った話はオペラントの肖像です。この世界では世界大戦が繰り返され、人類が過ちを二度と起こさないようにと国家が民衆の条件付けを積極的に行っていた。そしてその条件付けをオペラントと呼んでいた。それらは毎日の生活習慣から食生活、勤務態度、社会人としての生活規律、モラル、献身、家族との対応、恋愛、性生活、嗜癖など百八十の分野について徹底的に条件をつけることであった。しかしそのオペラントに手出し出来ないものが一つだけ残っていた。芸術=アートである。国家は芸術を徹底的に禁止し、芸術を嗜む者は犯罪者とされ厳罰が下される。犯罪者は利き腕以外を切り落とされ、発電のレバーを押し下げるだけの肉の機械となり個々に思い入れのある「餌」を不定期に与えれることが唯一の悦びとなっていた。異常な国家組織の中で過剰な管理をするオペラント官それが主人公の職務だった。というような内容なのですが、最後のどんでん返しが私の心にネチネチとまとわり付いてモヤモヤが晴れません。平山先生のお話だものハッピーエンドを望んじゃいけないのかもしれません。でも全体を通して凄く面白かったです。この本を読んでから平山先生の小説が読みたくなってメルキオールの惨劇を読み始めました。また読み終えたらご報告します。 次はメルキオールの惨劇 長編小説にチャレンジだ!