アリアンナがイギリス留学を終えて帰ってきました。
それでみんなで“La memoria di una geisha”という映画を
観に行ってみました。
メンバーはいつものアリアンナ、マリア・アデーレ、
アレ、かすみ4姉妹です。
日本では『SAYURI』という題だと思います。
何度もこのサイトで書いていますが、イタリアでは基本的に
外国映画はイタリア語に吹き替えされて上映されます。
冒頭部分の数分間、漁村のシーンはなぜか日本語のままで、
これは何の効果があるんだかよく分かりませんでした。
わたしたちは理解できたけど
他の人たちには何言ってるかまったく分からないだろうに。
それからアレが言うには
いくつか英語からイタリア語にうまく訳せていないところがあったと言うのです。
聞いてみてこれには納得でしたよ。
謙さん、役所さん、格好いいですね。
アメリカ映画に出演して決して気後れしていないんです。
主演のチャン・ツィイー、コン・リー、ミシェル・ヨーは
本当に演技が素晴らしかったけれど、
このレベルに入れる日本人女優が工藤夕貴しかいないのが残念です。
もっと頑張ってね、日本人女優たち!
工藤夕貴はアメリカで頑張っただけあるなあ、と思いました。
『ヒマラヤ杉に降る雪』もよかったし。
海外で頑張っている人たちは大好きです。
映画は娯楽映画としてとりあえず楽しめましたが、
正直言ってそれ以上のものではありませんでした。
セット、時代背景などもよく勉強されており、
日本を舞台にしたアメリカ映画としては
出来過ぎの感もありますが、
やはりアメリカが作った典型的な娯楽映画以外の
何物でもないと思ってしまいました。
きっとオリジナル(原語+日本語字幕)で見たら
違って感じるのかもしれませんが。
だってこのあとみんなで中華料理が食べたくなって、
いつものCI-LIN(トラステヴェレの中華料理店)に行ってしまったんですもの。
それに引きかえ昨日ビデオで見た
1969年のフランス・アルジェリア合作映画『Z』は
これぞ映画と言うべき作品です。
政治がテーマの作品なので、
興味ないやと思いつつも見ていたのですが、
見始めてしまったら止まりません。
どんどん先が見たくなる映画です。
主役を演じたのはイヴ・モンタン。
奥さんがイレーネ・パパス、それにジャン・ルイ・トランティニャンや
若き日のジャック・ペランと豪華キャストです。
1963年にギリシャで実際に起きた
グリゴリス・ランブラキス議員暗殺事件をベースにした作品です。
史実を基にしたというのは見終わってから知ったのですが、
けっこうショックでした。
当時のギリシャは王政だったのですが、
その政府与党が一人の左派議員の暗殺を
事故として片付けようとするのです。
その真相をトランティニャン扮する判事と
ジャック・ペラン演じる新聞記者がだんだんと暴いていくのです。
俳優の演技はもちろん、音楽も撮影も脚本も
素晴らしいことこの上ありません。
今見ても新鮮さを充分に感じられます。
すごい映画です。
ちなみにわたしは政治もギリシャのことも
まったく知りませんし興味もありません。
そのわたしがこれだけおもしろいと思ったのです。
おすすめです。
*昨日の映画 IL FILM CHE HO VISTO IERI*
LA STORIA DI UNA GEISHA(2005年・アメリカ)
邦題『SAYURI』
監督*ロブ・マーシャル
出演*チャン・ツィイー&渡辺謙