先日かすみと話をしていて、
ウチの近くのVia dei Gracchiが日本語で言うところのなんと
「グラックス兄弟通り」だというのです。
ええっ。
Gracchiは蟹(granchi)に似ているので
(さすがにVia dei granchiとは思っていなかったけど)、
「蟹通り」のイメージを勝手に抱いていましたよ。こんなわたしでもかつて一部の少年少女に
3年間世界史を教えたことのある身。
この辺りの道に付けられた名前がとても気になります。
ローマ帝国時代の偉大なる人物達の名前ですもの。
さすがにこのくらいは知っていました。
Viale Giulio Cesare(ユリウス・カエサル=あのジュリアス・シーザーです)、
Via Cicerone(キケロ=紀元前1世紀の政治家・雄弁家)、
Via Vespasiano(ウェスパシアヌス帝)、
Via Ottaviano(アウグストゥス)。
このあたりから驚きの連続です。
不肖マミマミ、き、気付かなかった…。
Via degli Scipioni
(大スキピオ・小スキピオ=ポエニ戦争で活躍した軍人で政治家)、
Via Catone(カトー=政治家)、
Via Silla(スラ=紀元前1世紀の政治家)、
Via Tacito(タキトゥス=歴史家)、
Via Virgilio(ウェルギリウス=紀元前1世紀の詩人)、
Via Plinio(プリニウス=『博物誌』の著者で紀元後1世紀の政治家)、
この辺からは訳分かりません。
Via Gaio Mario(ガイウス・マリウス=紀元前1~2世紀の軍人)、
Via Fabio Massimo
(ファビウス・マクシムス=第二次ポエニ戦争で活躍した軍人)、
Via Ovidio(オウィディウス=紀元前1世紀の詩人)、
Via Terenzio(テレンティウス=紀元前2世紀の喜劇詩人)、
Via Properzio(プロペルティウス=紀元前1世紀の詩人)、
Via Tibullo(ティブルス=紀元前1世紀の詩人)、
Via Varrone(ワッロー=紀元前1世紀の文学者)、
Via Orazio(ホラティウス=紀元前1世紀の詩人)、
Via Boezio(ボエティウス=5~6世紀の哲学者)、
Via Catullo(カトゥルス=紀元後1世紀に活躍した抒情詩人)。
他にもまだまだあるんですよ。
イタリアの道の名前は見ていると時々おもしろくて、
グループで集まっていたりします。
例えばローマ三越の周辺はイタリアの都市の名前が集まっていたり
(トリノ通り、フィレンツェ通り、ナポリ通りなどなど)、
かつてのオリンピック村だったところは国の名前が付いていたり
(ベルギー通り、オランダ通り、ノルウェー通り、
それにクーベルタン通りってのも!)するのです。
以前わたしが住んでいたのは「ラジオ広場」でしたが、
そこから「マルコーニ大通り」が出ていて、
近くにはアインシュタイン通りやメウッチ通り、
エジソン広場なんてのがあります。
桑、椰子の木、オリーヴの木、薔薇、
アカシアの木、松の木、栗の木を集めたところもあるし、
ブラームス、シューベルト、ワーグナー、バッハ、モーツアルト、
ドビュッシー、バルトーク、シベリウスといった
作曲家の名前を集めた地区もあります。
ちなみに「日本の散歩道」という名の通りはEURの湖沿いにあります。
桜並木です。
北の方のどこかの町には
「加藤大治郎くん通り」があると聞いたことがあります。
さて、これを読んでいるイタリア在住の皆様、
あなたの住んでいる道はシリーズ化されていますか?
ヴェネツィアのねえさまは無理じゃのう。