昨日のロゼに引き続きロジャー・グラートの検証。今日は白のグラン・キュヴェ。
2000 Roger Goulart GRAND CUVEE Extra Brut
ロジャー・グラート グラン・キュヴェ エクトラ ブリュット
CAVA, Chili
\1,980,
玉喜, 2006年3月
- Profile:
- 昨日のテイスティングでは、思っていたよりも高評価のロゼ。さて白はいかに? ドンペリに勝ったうんぬんについては以前のblogを参照のこと。
- Impression:
- Real Wine Guideの徳丸氏も指摘しているように、セメダイン香や石油香。シュナンブランのクレマンのような苦みや素っ気なさ。それなりにボディはある。ふつーのスパークリング。ただし温度が上がってくるとまとまりが無くなってくるので、十分に冷やして飲むのがオススメ。
以前に飲んだときのような驚きはない。とはいえ、酷評するほどの品質とは思わなかった。もちろん千円台で、これを上回るスポークリングは存在するだろう。でも、2千円以内なら許容範囲。1万円以上のブルゴーニュで何度もひどい目に遭っているからかもしれないが...。そのくらいの価格を基準にすると、千円と2千円って同じ価格レンジなんだよね。
実は今回のテイスティングの前に予測していた結果がある。それは「昔は良かったけれど、大量に売れるようになったので品質が低下した」というもの。しかしロゼが思いのほかまともだったので、この予測は半ば外れてしまった。でも白の出来には(昔のほうが良かったという点で)不満。
もちろん、たった1回飲んだだけで結論を出すのは早急だし、理想的には数年間に渡る定期的な観察が必要だと思う。とはいえ、本質的に今の売られ方が好きではないので、これが最後になるかもしれない。
あまり話されることはないけれど、
- 日本で大ヒット
- インポーターの強い要請で無理に生産量を増やして品質低下
- その結果売れなくなってインポーターに大量の在庫
- ついには契約打ち切り
というパターンは決して少なくない。
とくに販売力のある大手のインポーターの場合に起こりがちな問題である。BRUTUSによって火がついた1998年のワインブーム以降、ニューワールドのワインが大量に輸入されるようになってきた。その当時輸入されていたワインで、今でも輸入されているものがどれだけあるのだろうか。
輸入されなくなったものすべてが上記のパターンに当てはまるわけではないが、いくつかの生産者は該当すると言われている。知り合いのインポーターからも「●●が扱い始めてからおいしくなくなった」という意見を何度か聞いている。
健全なマーケットの成長を願いたいものである。
ロジャーグラート グラン・キュヴェ を探す>