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2009.09.06
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カテゴリ:アメコミ
ウォンテッド

2008年9月公開
監督:ティムール・ベクマンベトフ
製作費:6500万ドル


 マーク・ミラー原作のアメリカン・コミックを原作とした、SF・アクション映画。
 監督は、カザフスタン出身の映画監督ティムール・ベクマンベトフ。

 主演に、『ナルニア国物語』で“タムナスさん”を演じたジェームズ・マカヴォイと、女性アクションスター、アンジェリーナ・ジョリー


[簡単なあらすじ]
 ウェスリー・ギブソン(ジェームズ・マカヴォイ)は、恋人を友人に寝取られるような、なにをやってもうだつのあがらない青年。
 ところがある日、フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)と名乗る謎の美女と出会ってから、彼の運命は激変する。
 わけも分からぬまま殺し屋に命を狙われて、呆然とするウェスリーを、“フラタニティ”と呼ばれる暗殺組織へと連れて行ったフォックスは、彼もまた特殊な能力を持った一族の人間なのだと告げたのだった。

 組織を裏切って父を殺し、今また自分を狙う暗殺者クロスを倒すべく、過酷な特訓を受けるウェスリー。
 次第に暗殺者としての能力を開花させていく彼だったが、実は“フラタニティ”にはある重大な秘密があって――



 監督は、ロシアのダーク・ファンタジー映画『ナイト・ウォッチ』のティムール・ベクマンベトフ。
 VFXによる、大迫力のアクションシーンが見どころの、SF・アクション映画です。
 原作は同名のアメリカン・コミックで、タイトル「ウォンテッド」の意味は“標的”といったところでしょうか。


 主演は、冴えない男の子の役がとても似合う、『ナルニア国物語』“タムナスさん”役でブレイクしたジェームズ・マカヴォイと、今やハリウッドでもトップ女優のひとりとなったアンジェリーナ・ジョリー。
 特に本作では、アンジーのアクションが際立っていてすごかった。

しなやかな身体は健在

 イーストウッド監督のドラマ映画『チェンジリング』で主演を果たすなど、さすがのアンジーもお歳を召したことでアクションからは身を引き始めたのかな、と思っていたらまったくそんなことはなく。
 代表作の『トゥームレイダー』以上に、激しいアクションを披露してくれました。

 ただ、『Mr.&Mrs.スミス』の頃に比べて、顔も体も急激に痩せてしまっていたのにはビックリ。
 隈取りをしたような恐い化粧とあいまって、殺し屋らしい風貌にはなっているものの、女性的な魅力は減ってしまっていて残念でもあり……。



 そんな、アンジーとマカヴォイが所属するのが、暗殺組織“フラタニティ”。
 “フリーメイソン”をモデルとしていると思われる、この秘密組織。
 1000年前より続く機織り職人たちのギルドで、織物の中に現れる神からの暗号を解読し、指定された対象を暗殺していくという、いかにも漫画チックな怪しい団体(笑)

 心拍数を極限まで高めることで、驚異的な身体能力を発揮したり、銃の弾丸の軌道を曲げたりと、彼らの設定はアメコミテイスト溢れる荒唐無稽さ。
 しかし、VFXの力によって、それらのトンデモ設定を本気で映像化したこの映画に限っては、普通じゃなければ普通じゃないほどよかったりします。

 『マトリックス』ばりに、弾丸で弾丸を撃ち落すなんて当たり前、ひねりを加えることで弾丸の軌道をカーブさせたり、ビルからビルへと跳躍したり、車を空中で一回転させたりと、CGを駆使したアクションが無駄に格好よくて最高。
 道路に立っている人を、走りながら車に乗せる方法なんて、初めて見ました(笑)

 監督は、スローモーションや飛び散る破片にもこだわりがあるらしく、割れたガラスの破片に撃った相手が写っているシーンなんてのも、非常に格好よかったです。



背が低いのが難点?

 典型的な、成長していくタイプの主人公ウェスリー。
 冒頭の弱々しさと、後半の男っぷりは、『スパイダーマン』の主人公ピーター・パーカーを彷彿とさせます。

 彼が父の仇を討つという、単純明快なストーリーかと思いきや、物語には実はあるどんでん返しが。
 それにしても、ボコボコにされていつも血だらけで、なんだかかわいそう。
 あの回復風呂は、便利でいいですねぇ。


腹に一物を抱えていそうなスローン

 “フラタニティ”の指導者的立場にある人物スローンを演じるのは、名優モーガン・フリーマン。
 なにを演っても絵になるのはさすが。背が高いから威圧感がすごい。


こ 恐い……

 電車に乗るのがお好きなような、美女フォックス。
 屋根の上に乗ったり、横から車で突っ込んだりと、ちょっと普通の乗り方じゃありませんが。
 監督が電車好きなのかな。

 ただ、脱線によって多数の市民に巻き添えを出してしまったシーンは、“フラタニティ”の建前と反していて違和感が。
 なりふり構わない、というあえての描写だったのかな?



 なにはなくとも、ちょっとばかりオーバーで、ともすれば笑ってしまいそうになるほどの過剰なアクションが魅力の映画でした。
 美しい装飾を施された弾丸が、スローモーションで巻き戻されていく映像なんて、凝りすぎていて感動的ですらあります。
 本作の興行的な成功を受けて、続編の噂もあるようなので、アメコミ映画好きとしては期待大です。
 (アンジー再登場を願うけれど、難しいかな……?)



 **********


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アンジェリーナ・ジョリー出演作品の記事はコチラ

「トゥームレイダー」

「トゥームレイダー2」

「Mr.&Mrs.スミス」

「ベオウルフ/呪われし勇者」


アメコミ原作映画の記事はコチラから

アメリカンコミック原作映画(リンクページ)





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最終更新日  2009.09.11 11:12:26
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