カテゴリ:フードペアリングの方程式
もうそろそろ来るかなぁーっと思っていたら…昨日、サンク・オ・ピエのシェフから「サンク・オ・ピエ 初夏のコース(6月7月のご予約限定メニュー) 」のメールがきました。http://plaza.rakuten.co.jp/cinqchef5/diary/201205240000/
4月5月のコースのデザートとこーひーは…「デザートには、また“さかもとこーひー”の坂本さんが素晴らしいコーヒーを用意してくれるでしょう。先ほど、お願いのメールを出しました。何しろ、4月5月のコースの「花梨のヴィネガーと蜂蜜のグラニテを添えたイチゴのスープ仕立て」とさかもとこーひー専用ブレンドの驚異のマリアージュは、大好評でしたからね!先日来た、わが友クリヤマコトも「これはすごいねぇー!」と喜んでいました。」…と、いうことなんですが…なんとか上手くマリアージュになったんですが…さて、今回は…。 「ノルマンディー産フロマージュ・ブランのムースを2種の風味で、カマルグ産フルール・ド・セルと黒コショウ、フランス産フランボワーズのコンポートシェフ風猫舌(ラング・ド・シャ)添え」 と、いうことです。 なんだ、フロマージュ・ブランのムースなら軽めのチーズケーキか、なんて軽く考えてはいけません。それなら、さかもとこーひーのこーひーならなんでもいけてしまいます。 シェフの説明は…「デザートは、本場ノルマンディー産のフロマージュ・ブランを使った軽やかなムースです。通常、チーズは乳酸菌やレンネット酵素などで凝乳させた後、水分を抜いてから加塩して整形後、熟成させるわけですが、フロマージュ・ブラン(白チーズ)やフロマージュ・フレ(生チーズ)と呼ばれるものは、凝乳と脱水だけで終わりです。凝縮されたヨーグルトといった感じで、穏やかな酸味とクリーミーなコクが魅力で、チーズが苦手という方でも大丈夫かもしれません。」 穏やかな酸味とクリーミーなコクが魅力で、チーズが苦手という方でも大丈夫かもしれない…なんて、落とし穴です。 「これを使って、軽くホイップした生クリームと合わせた甘み控えめの軽いムースにしました。」 普通はメレンゲと生クリームと使い、まぁ、ケーキ屋さんだったゼラチンで優しく固めるところでしょう。そこを、あえてゼラチンは勿論メレンゲも使わず、甘さも控えめにして、八分立てのクリームと合わせるだけで…濃厚さもありながらサーっと融けてしまう感じみたいです。 と、いうことは…本場ノルマンディー産のフロマージュ・ブランの「繊細な味わいとクリーミーさ」がより魅力的になって欲しいです。そこには、ヨーグルトを濃縮させたといった感じのクリーミーさと穏やかな酸味がありますから、そことのバランスを大切にしたいですね。 さらに…「カマルグの上質な塩フルール・ド・セルと荒挽きの黒胡椒を振ったものと、オーソドックスに木イチゴのコンポートを添えたものを2種類、それに猫舌クッキー、ラング・ド・シャ(ラング・ド・シャは猫の舌という意味です)を添えます。」 こうくると、シェフが伝えたいイメージが明確になってきますね。 「カマルグの上質な塩フルール・ド・セルと荒挽きの黒胡椒を振ったものと、オーソドックスに木イチゴのコンポートを添えたものを2種類」です。 塩と胡椒で楽しみ…木イチゴのコンポートで楽しみ…2種類の楽しみです。 チーズがフロマージュ・ブランで軽めのムースでクリーミーなコク、塩と胡椒と木イチゴ。 肝心の料理は…「フォアグラのフォンダン、コンソメ・ジュレ添え」…「昆布〆にしたニュージーランド産キングサーモンのカルパッチョ仕立て、磯の香りの海苔のオイル風味で」…ブルゴーニュ産“本物!”エスカルゴのココット焼き」…「ハンガリーの国宝!マンガリッツァ豚の背肉の長時間ローストをイタリア風タリアータ仕立てで、熟成バルサミコとパルミジャーノチーズ風味」…なるほど。 梅雨時ということもあって、融ける感じや軽い味わいにエスカルゴでちょっとアクセントつけて…マンガリッツァ豚は薄切りにして軽やかなバランスですね。 ワインも軽めの赤ワインが合うということです。 と、ここまで書いたら、シェフから注文の電話があって、フロマージュ・ブランのことを説明してくれました。 そんなこんなでこーひーですが…あくまでも繊細さとクリーミーさとサーっと融けてしまう感じなんで…あまりボディや酸のボリュームが強い豆は避けます。塩と胡椒のスパイシーさと木イチゴを受け止め、余韻を優しく優しく…ラング・ド・シャをひと口、こーひーをひと口、すると、次のひと口がさらに魅力的に…。 そんなイメージでしょうか。さて、これから、豆の棚を眺めて、カッピンググラスを並べ…ブレンドしてみます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.25 14:26:22
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