「生涯を捧げた愛」
19世紀話題飛揚する天才ピアニストのクララ。
2人の出会いはシューマン18歳、クララ9歳の時でした。
一緒にピアノを習い、時にはおとぎ話を聞かせたシューマン。
クララは妹のような存在になって行きます。
そして美しい少女に成長しシューマンの気持ちは次第に恋心へと変っていきました。
「明日の11時ちょうどに僕はピアノを弾きます。
あなたも同じ時刻に同じ曲を弾いていただきたいのです。
そうすれば私たちの精神は聖トーマス教会あたりで出会えるでしょう。」
23歳のシューマンがクララに宛てて出した手紙です。
クララはシューマンの申し出に喜び
「11時に教会の門の上に参ります。」と返事を送ります。
二人は出会いから12年後に結婚し
16年の結婚生活で8人の子供に恵まれています。
夫婦として音楽家として2人は生涯支えあっていきます。
今日の曲は
「ピアノ・ソナタ 第1番 嬰へ短調」
第1楽章
1833-35年 25歳に作られた初のピアノソナタ。
「クララへのただ一つの心の叫び」と言い、クララに捧げています。
この日のピアニスト小林五月さんは
「悲しみ嘆き喜び・・の要素が、うつろになったり泡となって消えたり・・・
誰しも持ち合わせている面なので自分と掛け合わせてシューマンの曲を通じて吐き出しでいます」と語っていました。