秀香穂里先生の同人誌、「狂人推奨」
同人誌なので、在庫切れも早いと思うので画像は載せませんが...。秀香穂里先生の同人誌、「狂人推奨」あらすじは短くいきますが、友人(攻め)に突然檻の中で監禁されて全てをコントロールされることで、反発心と逃げたい気持ちから受けが友人に殺意を抱くまでの短編という感じです。思い切りネタばれをしてしまうので、お気をつけくださいませ...................正直、どこかで読んだことがあるような感じかな...。たとえ書かれているとしても秀先生の文章とは思えないし、相手を壊すまでの監禁もののお話におまけとしてBL(という言葉も違う感じ)がある雰囲気で、洋書や、昔の倒錯的な純文学にありがちな文章とお話そのままで読み終えた後は、「何だったんだろう...」とぽつりと思っちゃいました。こういう監禁ものにありがちな関係の、強者と弱者、実験者と被験者を、何となくの恋愛を混ぜて攻めと受けにしたような...。執着も間違った想いもあるけれど、既存の倒錯小説をなぞっている感じなんだもん。秀先生のカラーも癖もないし、精神的な痛さも甘いし、愛情なのか支配なのかがぼんやりしていて真ん中なのはぞくっとしますが...どこかで読んだことがある空気なのよね~(苦笑)だったら得意の身体的に逃れられない痛みと快楽を...があれば、もっと違ったと思うし登場人物をアルファベット一文字で呼ばせる言うのも新鮮ではないし硬い文章なので、何か違うとしか...。短編なので、簡潔に書かれているからかもしれませんがお話に入り込む前に、硬い文章に流されて一気にラストまで行ってしまった感じがしてラストの囚われた受けが、攻めに殺意を抱いて実行しようと壊れていないようで着々と壊れ始めているのと攻めは気付いているのか、気付いていないのか、明るく挨拶をしながら登場する場面で終わっていますが...決着は付けて欲しかったかも。この雰囲気だけで終わるのだったら、ある気がするんだもん既に。(特に攻めが明るく声をかけるという場面が、どこかで...ともやもやしちゃって)秀先生のお話は好きだけれど(苦手も多いですが)、このお話は「?」と思っちゃいました。...読んでいただけると解ると思います(苦笑)攻めが受けを監禁しようと思ったのは、積年の想いと、世の中は汚いから受けが汚されない様に自分が管理して守ってあげる...というところは、何ともいえない恐い気持ちだなぁと思えるのにですが...。いまいちこの気持ちが伝わってこないのよね...。でも、堅苦しく文学的に書かれているから、たださくやが理解できないようでむむっとするのだけれど(笑)直接的にと曖昧な表現と硬さが混在しているから、余計にシナリオの一部分みたいでお話として解らないのよね...。いや、解るのだけれど、オリジナルかというと違う気がする。言えてしまう事は、秀先生ではなくても描けるお話みたいで悲しい、ということかな。常識的な受けを追いつめる壊れた攻めも、意識的に書かれたと思う硬い文章もだから結局どうしたいの?な攻めの感情も。この攻めがもっと欲望的に壊れていれば、何か思えたし、続くのが前提のような謎が散りばめられているのも、読んでいて戸惑いました。何時までも徹底的に交わらないふたりだと思うし、ラストは最期への覚悟を決めているのに情緒的に余韻を残しておしまい、という感じで。難しいとも違うし、お話としてシンプルなのだけれどどこを読ませたいのかが...うーん。