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2006年11月01日
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作家・鳥部林太郎は、行方不明になった知人の手がかりを求めて、好事家として名高い桐嶋男爵の邸を訪れる。
折しも、男爵邸では晩餐会が催されていた。
飛び入りで参加する鳥部。
しかしそれは、おそるべき連鎖殺人の幕開けだった。
大正デカダンスの濃密な薫りと漆黒の闇に紛れて、死体は消え、怪人は暗躍する。



「首切り坂」(感想)の続編です。
前作に比べるとぐんと厚さを増し、500ページ以上あります。
それでも前作の雰囲気が結構好きだったので、果敢にチャレンジしました。

最初に怪談風の短い話があります。
なかなか幻想的で雰囲気があるのですが、それがどう本編と関わりがあるのかわからないままスト
ーリーは淡々と進んでいくので、ちょっともどかしい。

けれども最初の事件が起こってからはぐんぐん引き込まれます。
洋館で開かれる晩餐会、好事家として有名な男爵、毒殺事件、正体不明の黒頭巾、と怪しさたっぷ
りです。
まるでかつての「探偵小説」の趣です。
もちろん科学捜査などない頃のこと、純粋に推理で謎を解き明かしていきます。

頭は切れるが皮肉屋の青年が探偵役ですが、前作とのつながりから彼の登場には驚きました。
次々に忌まわしい事件は起こるし、しかも入り組んでいるし、これらにちゃんと納得いく解決をつ
けることができるのかと不安になります。

でも大丈夫、複雑ですが構想はしっかり練られていたようです。一部こんなのあり?という強引な
ものもありましたが……。

解決編は結構陰惨だし思わせぶりだし、あまりいい気分ではありません。
最後もぞっとしますが、それを救っているのが若者たちの健全な騒々しさです。

大正時代の世相を感じさせる描写をじっくり楽しみ、雰囲気に浸ることができました。


キルケーの毒草  キルケーの毒草 : 相原 大輔









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最終更新日  2006年11月02日 23時14分16秒
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